歯を削る虫歯治療は古い!?最新の虫歯の治療法は歯を削らず薬で治す?
虫歯の治療は「削って詰めるだけ」と思っていませんか?だとしたら、そのイメージはもう古い!虫歯治療のトレンドは「削らない虫歯治療」です。
とはいえ、虫歯に侵された歯質は治療しなければいけないので、削る量を最小限に抑えたり、薬を使ったりして治療します。
この記事で最新の虫歯治療の方法を知って、固定観念に囚われた虫歯治療の古いイメージを一新させましょう。
「歯医者が苦手」「できるだけ歯の治療をしたくない」と思い込んでいたかつての考え方が180度変わるかもしれませんよ。
- 虫歯の治療をしたくない方。
- 歯医者のキーンという削る音が苦手という方。
- 削らなくてもいい虫歯治療の方法があるって本当?
- 最新の虫歯治療について知りたい方。
- 痛くない虫歯治療の方法を知りたい方。
歯を「できるだけ削らない」虫歯の治療法

最新の虫歯の治療法?削って詰めるのとは違うんですかー?

昔はそうでしたが、近年の虫歯治療では、「なるべく削らない」治療が中心に行われていますよ。
えぇ!?削らないんですか?それで虫歯を治せるんですか?

はい。歯の寿命をのばして長持ちさせるためには、できるだけ削らない治療が有効なんですよ。
へぇー!そうなんですね!どんな治療法があるんだろう?気になる!
虫歯の進行度はC1~C4まで段階的に分けられますが、そのうちの軽度から中程度の段階であるC1~C2、ケースによってはC3においても「ほとんど削らない治療」が可能です。
虫歯治療の最新トレンド「できるだけ削らない治療」について解説します。
MI治療
「MI治療」は、最小限の干渉という意味のミニマムインターベンション(Minimum Intervention)治療のこと。できるだけ歯を削らずに、虫歯に侵された歯質のみをピンポイントで削り取る治療法です。
歯は削るほどもろくなるという特徴があるので、いくら虫歯治療のためとはいえ、ひとたび削ると弱い歯になってしまいます。一度虫歯になった歯が再発しやすいのも、歯が弱くなっているからです。
従来の大きく削って詰める虫歯治療をしたために、歯の寿命を縮めてしまうケースも少なくありませんでした。
プラズマレーザー治療
プラズマレーザー治療は、従来の歯科用レーザー治療とは異なり、高温のプラズマによる熱エネルギーで殺菌しながら虫歯を治療します。歯科用ではなく、医科用のレーザーと同等の効果が得られる治療法です。
歯をほとんど削らずに虫歯に侵された部分のみ取り除けるほか、治療の傷跡が最小限なので治りが早いのも特徴です。
治療の痛みがほとんどないので、麻酔注射を打つ必要がないほどです。身体への負担が少なく、虫歯の再発を防止することができます。
アクアケア治療
アクアケア治療は、歯磨き粉などにも含まれる酸化アルミニウムの粉末をエアーブラシのような歯科治療の専門機器で吹き付け、虫歯に侵された部分をピンポイントで吹き飛ばします。
健康な歯質にはダメージを与えないので、必要最低限の部分のみ取り除くことができます。
殺菌消毒しながら治療できるのも、アクアケア治療の優れた特徴です。
歯を削らずに「殺菌」する虫歯の治療法

へぇー!歯をほとんど削らずに、しかも殺菌しながら虫歯治療できる方法って色々あるんですねー!

では、次は「歯を削らない虫歯治療」について解説しましょう。
えぇー!?全く削らずに虫歯治療できるんですかー!?どうやるのか教えてほしいですー!
ドックベストセメント治療
特殊なセメントの殺菌力で、虫歯を無菌化する治療法が「ドックベストセメント治療」です。
従来の治療法では神経を抜かざるを得ないほど進行したむし歯でも、鉄イオンと銅イオンのパワーで無菌状態にすることで、虫歯を削らずに済む可能性があります。
「できるだけ削らない治療」で紹介したプラズマレーザー治療と組み合わせて行うと、さらに治療効果が高まり、短期間での改善を目指せます。
ヒールオゾン治療
ヒールオゾン治療は、初期の虫歯治療に使用される治療法です。塩素の7倍ものオゾンによる殺菌パワーで、虫歯菌を殺菌します。
歯をほぼ削らずに治療できて、虫歯や歯周病の予防効果も得られます。
3Mix法
「3Mix法」はその名の通り、メトロニダゾール、ミノサイクリン、シプロキサンという3種類の抗生物質をミックスし、虫歯菌を無菌化する治療法です。
その際に象牙質を殺菌し、再石灰化を促進するので、強い歯質が再生する可能性があります。
神経を抜くのを回避できる可能性が高くなるので歯の寿命を縮めなくて済むこと、治療の痛みがほぼないので麻酔注射を打つ必要がほぼないことも魅力です。
歯を削らずに「薬」を使う虫歯の治療法

えっ!?薬で虫歯を治療できるんですか?

はい。ただし、C1~C2の、痛みを感じない軽度の虫歯の有効な治療法です。虫歯になった部分だけ溶かす薬剤を使う治療法や、うがいで口をゆすいで殺菌する治療法がありますよ。
カリソルブ
カリソリブは、C2程度までの、神経には達しておらず痛みを感じない中程度の虫歯に有効とされています。
次亜塩素酸ナトリウムとアミノ酸が含まれる薬品によって、虫歯に侵された歯質のみをやわらかく溶かします。
予防歯科の先進国スウェーデンでは1998年に、日本では2007年に厚生労働省の認可を得た安全な虫歯の治療法す。
治療の痛みがないので、麻酔注射を打つ必要はありません。
次亜塩素酸電解除菌水
C1程度のごく初期の虫歯なら、次亜塩素酸電解除菌水を用いた洗口液でうがいをすれば、口内の虫歯菌・歯周病菌の殺菌ができます。
歯垢が分解されるので、歯周病の改善にも有効とされています。
MIペースト
MIペーストは、歯磨き後の二度磨きのための薬用ペーストです。カルシウムやミネラルを豊富に含んでいます。
このペーストを使った二度磨きを毎日続けていると、歯がもつ再石灰化の働きを促進させるので、歯の修復や強化が期待できます。
なるほど!歯をできるだけ削らないで、虫歯菌を殺菌する治療法が最新のトレンドなんですねー!
最新のトレンドは治療よりも「予防」!

最新の虫歯の治療では、歯をなるべく削らないということがわかりましたー!歯医者へ行くのが億劫じゃなくなりそうですね!

それはそうなんですが、虫歯治療のさらなる最新のトレンドは、治療よりも「予防」ですね。
えっ!予防?虫歯をつくらないようにするってことですか?

その通りです。歯は治療のためでも、一度削るともろく弱くなってしまいます。再発しやすくなりますので、虫歯をつくらないように予防します。定期メンテナンスと正しい自宅での歯磨きを行うことを推奨しています。
へぇー!たしかに、虫歯になったところって再発しやすいですよねー。そう考えると虫歯にならないのが一番ですよね!わかります!
- 虫歯治療の近年のトレンドは「できるだけ削らない治療」。
- 最小限の歯質のみピンポイントで削る治療法がある。
- 薬剤を使い、歯をほとんど削らない治療法もある。
- 最新の虫歯治療のトレンドは、削らない、痛くない治療法。
- さらには治療より虫歯にならない「予防」重視の時代が到来。