歯並びの矯正は自力でもできる?具体的な改善トレーニング法も紹介!

歯並びの矯正は自力でもできる?具体的な改善トレーニング法も紹介!

この記事の監修医師一覧

鈴木志帆美先生
鈴木 志帆美 先生
専門:小児歯科・歯内療法
2015年 神奈川歯科大学卒業
杉田大先生
杉田 大 先生
所属:杉田歯科医院(千葉県船橋市)
専門:保存修復
2013年 東京歯科大学卒業。現在は杉田歯科医院での臨床のほか、株式会社DoctorbookでDental事業部のマネージャーを務める。
「歯並びの矯正って、もしかすると自分でできる?」
インターネットには色々な民間療法が紹介されているので、「やってみたい」と思う人もいるかもしれません。
でも、歯医者さんで矯正治療を受けるときは専門的な技術や知識が必要なのに、自力で矯正できるなんてことが本当にあるのでしょうか?
実は、ある程度なら、自分で歯並びを改善することも可能です。
注意点などもありますので、ここでは、プロの歯科医師の監修をうけて、自力でできる矯正治療について紹介します。歯並び改善のためのトレーニング方法についても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事がおすすめな人
    • 歯並びの矯正は、本当に自力でできるのか知りたい。
    • 歯科矯正の費用は高額だから、自分で矯正できるものなら自力でやってみたい。
    • 歯科医療の専門知識がない素人が自力で矯正治療しても、危なくないのか知りたい。
    • 歯並びの改善に効果的なトレーニングがあると聞いたので、具体的に知りたい。

歯並びは自分で治せるって本当?

ネコさん

先生、歯並びの矯正って自分で治せることがあるって聞いたのですが、本当ですか…?

鈴木先生

そうですね。あまりおすすめはできませんが、中には治った人も居るようですね。

ネコさん

ええー!ホントですか!?自力で治せるんだったら、やってみたい‥!

鈴木先生

う~ん、リスクもあるのであまりおすすめできませんが、ある程度は改善できる方法もありますので紹介しますね。

指や棒で押していたら治った人も?

歯科矯正は、国家資格を持つ歯科医師による専門性の高い治療です。技術・知識・経験が豊富な限られた歯科医師に、歯科学会から専門医や認定医の認定資格が与えられています。
それほど特別な専門性を要する治療なのに、本当に自力でできるものなのか疑問ですよね。
時々、指や割り箸などで出っ歯を押していたら治ったという成功談を聞くこともあります。にわかに信じがたい話ですが、実はそんなことがあっても不思議ではないのです。
というのも、もともとその出っ歯や受け口といった歯並びの乱れは、日常的なクセを長く続けた影響で起こることがあるからです。
つまり、指や棒で押し続けていたら治ったというのも、その日常的なクセの延長というわけで、ただ単にうまくいっただけ。運が良かったのでしょう。
ヘタをしたら、もっと歯並びが悪化したり、歯が根元から折れたり、お口の状態が悪化していた可能性が高いのです。
歯科知識のない一般人が、自己判断のもと指や棒で歯を押すことは、とてもリスクが高いといえます。

口の周りの筋肉は歯並びにも影響する?

お口の周りの筋肉のバランスが悪くて、それが歯並びに影響していることがあります。
例えば、以下のようなケースです。
    • 硬いものを噛まない食生活で、お口周りの筋力が弱っている
    • 片側の歯で噛む癖がついて、お口周りの筋肉バランスが悪くなっている
こうしたお口周りの筋肉のバランスを整えると、発達段階の子どもの場合は、歯並びが改善することがあります。
これが、ある程度なら自分でできる歯並び改善の方法です。

トレーニングである程度は改善できる

鈴木先生

お口周りの筋肉トレーニングをすれば、成長期のお子さんの場合は歯並びが改善することがありますよ。大人は歯並びの悪化の予防におすすめです。

ネコさん

なるほど、口の周りの筋トレですね…!それは効果がありそう!

自分で歯並びを改善するトレーニング方法

お口の筋トレで歯並びの改善を図る方法を、「口腔周囲筋機能療法」といいます。
具体的なトレーニング法を紹介します。

口に力を入れるトレーニング

口の周りの筋肉を鍛えて筋力をつけたり、筋肉バランスを整えるために、お口の体操をします。
    • 頬をふくらませ、次の頬のお肉を吸引します。
    • お口をアー、イー、ウー、ベーの声を出しながら、できるだけ大きく開きます。
口の周りの筋肉をうまく使うために、お口の体操をします。①は1日5回~10回程度、繰り返し行ってください。②は、1日30回以上行うと、効果的です。

風船を使ったトレーニング

    • 風船を最大限までふくらまします。
    • 口から離し、空気を抜きます。
唇の周りの筋肉や、頬の筋肉のバランスを整えるトレーニングです。
これを鍛えると表情が豊かになって笑顔が輝くという効果も得られます。
1日3分間以上、①②を繰り返して行います。慣れないうちは、風船を最大限まで膨らますことも難しいかもしれません。お口の機能が弱っているためですので、できるようになるまで少しずつ練習しましょう。

アイスの棒を使ったトレーニング

    • アイスクリームの棒を横にして、上下の歯で噛みます。
    • 噛んだまま、前へ前へ推し出すように動かします。
これを繰り返し行うと、お口周りの筋肉のバランスが整って、受け口が矯正されることがあります。あくまでトレーニングですので矯正効果が約束されるものではありません。やりすぎには注意してください。

舌の筋肉を鍛えるトレーニング

    • 舌を前方に思いきり突き出して、元に戻します。
    • 次に、左右にもいっぱいに突き出して元に戻します。
    • 最後に、口の周りをぐるりと一回転させます。
舌の筋肉は、全身の筋力とも深い関わりがあります。舌の筋力が弱ると表情筋も衰え、顔が変わります。つまり舌の筋トレをすると、たるみやしわ、二重あご、顔のゆがみが改善され、表情がイキイキと輝きだす効果にもつながります。良質な唾液の分泌も促進できるので、口内環境の改善にもいい影響が得られます。
舌の筋肉を鍛えるために、①②③を繰り返し行ってください。

本来はおすすめできない自力での歯列矯正

ネコさん

自分で頑張ってみるのも良さそうですね!

鈴木先生

お口周りの筋トレについては、ぜひ行っていただきたいのですが、自力で歯を矯正するのはおすすめできませんね。

ネコさん

あー、やっぱりそうなんですね。

鈴木先生

歯を指や棒で押して矯正を試みることは、危険なので止めてくださいね。

ネコさん

わかりました。筋トレをがんばりますね。

自力での歯列矯正は、危険です。
インターネットに出回っている民間療法を信じてやってみるのは非常にリスクが高いといえます。歯は失ったら再生しない組織なので、大事に扱ってください。
特に、自分で矯正器具を作ったり、指や棒で押したりする方法は、歯を傷つけたり寿命を縮めたりしてしまう恐れが高いので止めましょう。
また、歯科医院を介さないルートで販売しているマウスピースなども危険です。歯が思いもよらない方向へ動いてしまい、歯並びが取り返しのつかないほど悪化することもありますので、注意してください。

大人になっても歯並びは常に動いている!

鈴木先生

あまり知られていないかも知れませんが、歯は、大人になっても常に動いているんですよ。

ネコさん

えっ、大人になると、身長みたいに歯の成長も止まるんじゃないんですか?

鈴木先生

実は違うんです。だから、若い頃はキレイな歯並びだったのに、年齢を重ねるにつれて少しずつ出っ歯になっていく、ということもあるんです。

ネコさん

…えっ、怖っ!それホントですか…!今年で一番、恐ろしい話を聞きました…!歯は勝手に動かないで…!あと、体重も増えないで欲しい!

鈴木先生

(笑)

歯は、大人になっても常に動いているのです。だから高齢者であっても、何歳になっても歯列矯正が可能というわけです。
若い頃はキレイな歯並びでも、年齢を重ねると何らかの原因で歯並びが悪くなることがあります。鏡を見て「いつのまにか出っ歯になった気がする?」と気づく瞬間があるかもしれません。
歯並びが悪くなる原因は、次の5つです。
    • 頬づえ、爪を噛む、歯ぎしり、悪い姿勢など日常生活でのクセ。
    • 片側の歯で噛むなど、咀嚼のクセによる顎の発達の偏り。
    • 抜歯して空いたスペースをそのまま放置している。
    • 口の周りの筋肉の衰えによる、歯並びの乱れ。
    • 加齢や生理現象で歯が動いて歯並びが悪くなる。

トレーニングで悪くなる歯並びの予防をしよう

ネコさん

つまり、筋肉の衰えや老化で起こる歯並びの乱れって、意外に多いっていうことですね?

鈴木先生

そうですね。歯は常に動いていますので、歯科矯正できれいな歯並びに治療しても、ケアを怠ると後戻りすることがあります。

ネコさん

それも怖い話ですね!治療が済んだら「治った」って安心しちゃいそう!

鈴木先生

歯並びの乱れの予防や、治療後のきれいな歯並びを維持するためには、日常生活でのクセを治すことや、お口の周りのトレーニングはおすすめといえますね。

ネコさん

それなら、少し安心かも!これからお口の筋トレ、がんばりま~す!

記事のポイントをチェック
    • 歯並びを自力で矯正することは、できない。
    • 民間療法の矯正治療や、自作の矯正器具を使うのは危険。歯並びが悪化する恐れも。
    • お口周りの筋トレや日常生活のクセを改善すると、歯並びの現状維持や悪化を予防できる。
    • 発達途中の子どもの場合は、筋トレやクセを治すことで、多少の歯並びの改善が可能。
writer
ナチュラル・ハーモニー
ナチュラル・ハーモニー
大手出版社出身、ディレクター・ライター歴15年以上。歯科ライティング実績は500件以上。都道府県主催テレワーク講座にも登壇。趣味は観劇と史跡巡り。柴犬好き。