矯正で受け口は治せるの?治療法や期間、費用について徹底解説

矯正で受け口は治せるの?治療法や期間、費用について徹底解説

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鈴木志帆美先生
鈴木 志帆美 先生
専門:小児歯科・歯内療法
2015年 神奈川歯科大学卒業

受け口やしゃくれが気になっていても、「治療が大変そう…」と感じて、そのままにしている方もいるのではないでしょうか?

受け口は基本的に噛み合わせの問題なので、矯正治療のできる歯科医院で相談できます。受け口は見た目が気になるのはもちろん、発音や全身の健康にも影響を及ぼす問題です。ここでは、受け口の治療法や必要な期間・費用について解説していきます。

矯正で受け口は治療できる

反対咬合

受け口・しゃくれは噛み合わせが逆になった状態です(上の前歯より下の前歯が前に出ている)。専門的には下顎前突・反対咬合と呼ばれます。一般的には矯正によって治療していきますが、原因や程度によって適切な治療法は異なり、外科手術が必要なケースもあります。

受け口になる3つの原因
    • 遺伝による顎や骨格の問題(両親や兄弟も受け口)
    • 前歯の生え方の問題(上の前歯が内向き&下の前歯が外向き)
    • 長期にわたる噛み方や舌グセの問題(下の顎を突き出して噛む、舌で下の前歯を押し出す)

受け口は軽度なら通常の矯正だけで治療できる

顎や骨格に大きな問題がなければ、通常の矯正治療のみで対応できます。上の前歯が内側に向かって生えていることで、下の前歯が外側に押し出されることが原因であることが多いでしょう。状態にもよりますが、一般的な表側に装置をつけるワイヤー矯正だけでなく、裏側矯正やマウスピース矯正でも治療できます。

通常の矯正のみなら基本的に自費治療

通常の矯正のみで治療する場合は保険適用外になるので全額自費治療です。症例によりますが、治療期間は1〜3年ほどになります。

矯正にかかる費用
    • 表側ワイヤー矯正:60万〜80万円程度
    • 裏側矯正:100万〜120万円程度
    • マウスピース矯正:80万〜100万円程度

顎(骨格)に大きな問題がある場合は外科手術を伴う

外科矯正

上顎が小さい、あるいは下顎が大きいなど生まれつきの骨格(顎のかたち)の問題で受け口になっている場合は外科手術が必要になることもあります。状態によって手術の方法は変わりますが、多くは上顎の骨を前に出すか、下顎の骨を削ったり切ったりして後ろに引っ込めることになるでしょう。

治療の流れと期間

入院ベッド

まず適切に手術が可能な状態にするために矯正治療を1年ほど行います。外科手術自体は数時間程度ですが、術後は2週間ほど入院が必要です。この時点でかなり見た目の印象は変わっているでしょう。退院後は通常通り矯正を行って歯並びを整えていきます。

外科矯正にかかる期間
    • 手術に前に行う矯正:1年程度
    • 外科手術:手術自体は数時間、その後2週間程度の入院が必要
    • 手術の後に行う矯正:1年程度

保険は適用されるの?

矯正は基本的に自費治療になりますが、「別に厚生労働大臣が定める疾患」による歯並びの異常に対しては保険が適用となることがあります。受け口で外科手術が必要と診断された場合は顎変形症などが原因となっていることがあるため、保険がきくケースが多いでしょう。

ただし、保険適用による矯正治療は厚生労働省が認定した医療機関でしか受けられません。歯科医院でも対応できるところも多くありますが、その場合でも外科手術だけは大学病院で受けることになります。日本矯正歯科学会のHPから保険での矯正治療が可能な医療機関と、対象となる疾患が確認できます。

矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは | 公益社団法人 日本矯正歯科学会

矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは | 公益社団法人 日本矯正歯科学会

MEMO
保険適用で外科矯正をする場合は法律で決められた方法でしか治療できないため、術前術後の矯正は表側にワイヤーをつけるタイプのみとなります。

外科矯正にかかる費用は?

外科矯正にかかる費用は大きく矯正費用と手術・入院費用に分かれます。保険適用なら合計40万円程度でしょう。術前術後を裏側矯正やマウスピース矯正にしたい、保険がきかない症例だけど手術をしてスムーズに治療したい、といった場合に自費で外科矯正をするという選択肢もあります。

外科矯正にかかる費用
    • 保険適用:矯正費用30万円+手術・入院費10万円程度
    • 自費:矯正費用100万〜150万円+手術・入院費100万円程度
ポイント
保険適用の外科矯正は医療費控除や高額療養費制度の対象となります。費用負担軽減になりますので積極的に活用しましょう。

受け口の治療は子どものときから始めればスムーズ

診察中の子ども

お子さんの受け口が気になったら早めに歯科医院に相談しましょう。まだ顎の骨が成長段階にある子どもの場合は本格的な矯正をせずに改善できる可能性があるからです。上の前歯を前に押し出したり、下顎を引っ張って成長を抑えたりと、顎の成長を利用しながら適切な噛み合わせに導いていきます。

また、子どものときからの噛み方や舌の癖などが原因で受け口になることも多いもの。こうした問題も補助器具やトレーニングを通じて早めに対処することで、将来受け口になるのを防ぐことができます。以下のようにさまざまなアプローチがありますが、いずれも普通に矯正するより安く済みますよ。

外科矯正にかかる費用
    • 口腔筋機能矯正(舌のクセを直す)
    • 顎前方牽引装置(上顎を前に引き出す)
    •     
    • チンキャップ(下顎を引っ込める)
    • リンガルアーチ(内側に傾いた前歯を外側に押し出す)

受け口が気になる人は早めに矯正専門医に相談を

OKサインをつくる歯科医師

受け口は見た目に気になるだけでなく、きちんと噛み合っていないために栄養の吸収が悪くなったり、身体のバランスが悪くなって肩こりの原因になったりと全身の健康にも影響を及ぼします。成長とともに症状はどんどん悪化する可能性も高いため、気になる人は早めに歯科医院に相談してください。