歯周病を予防するお茶の正しい飲み方と間違った飲み方

歯周病を予防するお茶の正しい飲み方と間違った飲み方

この記事の監修医師一覧

杉田大先生
杉田 大 先生
所属:杉田歯科医院(千葉県船橋市)
専門:保存修復
2013年 東京歯科大学卒業。現在は杉田歯科医院での臨床のほか、株式会社DoctorbookでDental事業部のマネージャーを務める。

「歯磨きやマウスウォッシュで歯周病予防はしているけど、もっと自然に暮らしの中で歯周病を予防したい」

そんな人におすすめしたい飲み物が“お茶”です。緑茶には、歯周病菌を殺菌できる成分が入っています。ここでは、緑茶以外だけではない、歯周病を予防するお茶の種類や、正しい飲み方・間違った飲み方をお伝えし、日常の中で賢く歯周病を予防する方法を紹介します。

歯周病が予防できる理由

緑茶が歯周病に良い理由は、緑茶に含まれる「カテキン」が、強い抗菌・殺菌作用を持っているからです。

カテキンの抗菌作用は論文でも発表されるほどで、歯周病菌だけでなく虫歯菌も抑制するので、虫歯予防にも効果的です。その他、食中毒O157マイコプラズマ肺炎の原因菌、胃がんの原因であるピロリ菌、水虫の原因となる白癬菌にも有効性があります。静岡県は誰もが知るお茶の一大産地ですが、静岡に住む人はガンによる死亡率が低いというデータもあります。

また、カテキンは細菌だけでなく、ウイルスにも強い抵抗力を持っています。細菌は自分で増殖するのに対し、ウイルスは突起を持っており、その突起で自分以外の細胞に取り付いて感染していきます。しかも、各ウイルスはそれぞれ違った突起の形をしているのです。例えばインフルエンザウイルスにはA型、B型、C型などの型がありますが、薬による抗体はひとつの型の突起にしか対応することができません。A型ウイルスにはA型の抗体といった具合です。

しかし、カテキンはどんなウイルスの型にでも対応することができます。カテキンにはどんな形の突起も塞いで、感染を防ぐ力があるからです。

歯周病の原因菌は数種類あり、複数の菌が歯周ポケットの中で異常発生することによって、歯茎や骨を破壊します。しかし、お茶を飲むだけで、様々な菌やウイルスに強いカテキンが優れた効力を発揮し、歯周病を予防できます。

(参考:日本カテキン学会)

歯周病が予防できるお茶の種類

日本人は昔からお茶でうがいをしてきました。きっと昔の人は、経験からお茶の抗菌作用を知っていたのでしょう。

しかし、歯周病に良いのは、緑茶だけではありません。

緑茶

緑茶

カテキンには、「エピガロカテキン」「エピカテキン」「エピガロカテキンガレート」など様々な種類があります。

カテキンは発酵すると形を変えてポリフェノールが作り出されますが、緑茶を製造する際には発酵を止めるため、緑茶には「エピガロカテキン」「エピカテキン」がそのまま含まれています。

紅茶・ウーロン茶

紅茶

紅茶やウーロン茶は茶葉を発酵させて作るので、緑茶とは別の種類のカテキンが含まれています。紅茶やウーロン茶が琥珀色をしているのは、異なる種類のカテキンが酸化反応を起こしてポリフェノールが作り出されるからです。

紅茶のカテキンは「テアフラビン」という種類です。テアフラビンも緑茶のカテキンと同様に、強い抗菌・殺菌作用を有しています。

キリン株式会社では、緑茶と紅茶の培地に、歯周病菌を6日間培養するという実験をしました。その結果、紅茶は緑茶と同等に歯周病菌の増殖を抑えることが分かりました。また、紅茶に含まれるタンニンは歯周病菌のタンパク質を分解する力約80%も阻害し、緑茶の約60%を上回ったというデータを発表しています。

また、ウーロン茶には「ウーロンテアニン」という種類のカテキンが含まれており、こちらも緑茶と同等の抗菌・殺菌作用が認められています。

番茶・ほうじ茶

番茶とほうじ茶は似ているようですが、番茶は緑茶の葉の新芽ではない部分で、ほうじ茶は緑茶や番茶を焙じたものです。番茶は地域によって製法が少しずつ異なるため、緑色のものや茶色いものがありますが、成分は同じです。

番茶もほうじ茶も、緑茶や紅茶と同様にカテキンが入っているため、歯周病を抑制する効果があります。しかし、緑茶や紅茶よりもカフェインは少ないため、緑茶では胃に負担がかかるという人や妊娠中の人には、番茶やほうじ茶がおすすめです。

また、緑茶や番茶、ほうじ茶には天然のフッ素が含まれています。フッ素には、虫歯菌の増殖を抑えて歯を溶けにくくし、コーティングして歯を強くする作用があります。

コーヒー

厳密に言えばコーヒーは豆から作るのでお茶ではありませんが、日常的に飲む飲み物として挙げておきます。

コーヒー豆には油分が含まれているので、細菌のエサになると言われていますが、一方でコーヒーは歯周病になりにくくすることも分かっています。

ボストン大学の研究グループが、平均48歳の男性1152人の約30年間分のデータを調べたところ、コーヒーを飲む人は飲まない人に比べて歯周病になりにくかったという結果が出ました。コーヒーに含まれる抗炎症作用抗酸化作用が、歯周病による骨の吸収を抑えるのではないかと考えられています。

ただし、コーヒーに砂糖やミルクを入れると、バイオフィルムを作りやすくなります。特に、ダラダラ飲みをすると良くないので、注意が必要です。

歯周病になりやすい飲み物の種類

炭酸ジュース

歯周病になりやすいのは、糖分が入った飲み物です。糖分は、細菌がバイオフィルムを作る際の材料となってしまうからです。砂糖入りの甘いジュースや炭酸飲料のほか、アルコールなども要注意です。

また、酸っぱい飲み物も、歯周病にはよくありません。口内のpH値を酸性に傾けさせて、歯を溶けさせる(う蝕)からです。酸っぱい飲み物には、柑橘系のジュースやワイン、お酢ドリンクなどがあります。

ただ、歯周病に良くないからといって、飲まないほうがいいということではありません。ダラダラと飲まずに飲みきってしまえば、その後は唾液が口内を中和してくれます。飲んだ後に口をゆすぐなどすればなお良いでしょう。

要は飲み方の問題で、口の中に糖分や酸をいつまでも残しておかなければ良いということです。アルコールを飲む場合も、チェイサーとして時々水を飲むことで、一旦口の中が中和され、悪酔いも防げます。

歯周病を予防する正しいお茶の飲み方

歯周病を予防できるお茶の飲み方は、お茶を淹れる時にカテキンを多く出して飲むことです。お茶を淹れるときのお湯の温度を80℃以上にすると、カテキンが多く出ます。水出しでもカテキンは出ますが、高温ならさらに多くのカテキンを抽出することが可能です。

しかし、緑茶は60℃程度の低い温度で淹れると一番美味しいというのが一般的な通念なので、「高温で淹れると渋くなってしまうのでは?」という人もいると思います。ですが、高温でも美味しく入れられる方法があります。

高温で緑茶を美味しく淹れるには、蒸らし時間を10〜15秒に留めることです。たったこれだけで、苦味を抑えて殺菌効果を上げることができます。ただし、急須に残すと苦味が出てしまうので、注ぎ切ることが重要です。また、2煎目の蒸らし時間も数秒で十分です。飲む時は60℃以上あれば殺菌力が効果を発揮するので、熱々を飲む必要はありません。

お茶は食間に飲むなら1回分をごく少量にして、口を潤す程度にするのがおすすめです。また、食事の後のお茶は、口内の食べカスを流すことができます。

歯周病になりやすい間違った飲み方

お茶に含まれるカフェインには、利尿作用があります。カフェインは交感神経を活性化させ、腎臓の血管を広げて血流量を増やし、尿の量を増やすためです。

唾液には殺菌・抗菌成分が含まれていますが、お茶をガブガブ飲むとかえって体内の水分を排出させてしまうことになり、口中の水分である唾液も減少させます。すると、唾液の自浄作用が働きにくくなるので逆効果です。

お茶を飲む習慣で歯周病を予防しよう

緑茶・紅茶・ウーロン茶・番茶・ほうじ茶には、歯周病を抑制するカテキンが入っています。また、コーヒーも歯周病を抑制する可能性があります。

歯周病を予防する正しい飲み方は、以下の方法です。

    • 糖分や乳製品が入っていないお茶を選ぶ
    • お茶は高温で淹れ、蒸らし時間は10〜15秒
    • 60℃程度までなら殺菌効果が期待できる
    • 一度にガブガブ飲まず、チビチビ飲みをする

正しい方法でお茶を飲み、日常生活の中で歯周病を予防しましょう!