マウスピースで歯周病の予防ができる?治療の流れと方法を紹介

マウスピースで歯周病の予防ができる?治療の流れと方法を紹介

この記事の監修医師一覧

柿木辰美先生
柿木 辰美 先生
専門:一般歯科
2013年 明海大学歯学部卒業。卒後は東京都内の歯科医院に常勤歯科医師として勤務。 現在は複数の歯科医院で非常勤歯科医師として、インプラントや歯内療法を軸に一般歯科診療を日々行なっている。
歯周病にかかった歯を完全に治すことは難しいのですが、良好な状態に改善させたり、これ以上進行しないようにコントロールしたり、といった治療を行うことができます。
それには、マウスピースを使った歯周病の予防法・治療法が効果的と言われ注目を集めています。

ここではマウスピースを使った2タイプの歯周病の予防法について、紹介します。

INDEX
  1. 歯周病って治せるの?歯周病の予防と対策
    1. 歯周病の予防と対策①歯周病菌を減らす
    2. 歯周病の予防と対策②免疫力を高める
    3. 歯周病の予防と対策③噛む力を調整する
  2. 歯周病の予防と治療におすすめ「新マウスピース治療」
  3. 歯周病菌を減らすマウスピース治療「3DS」
    1. 3DSってどんな治療?
    2. 3DS治療の流れとは?
    3. いつ、どれくらい装着する?
  4. 歯槽骨の揺れを防止するマウスピース「ナイトガード」
    1. ナイトガードってどんなマウスピース?
    2. ナイトガード治療の流れとは?
    3. いつ、どれくらい装着する?
  5. マウスピースでの歯周病予防はホームケアが中心

歯周病って治せるの?歯周病の予防と対策

歯周病に限らず、歯は一度悪くなると、元に戻ることはありません。治療のために削った歯も、再生することはありません。
歯の健康を末永く守っていくためには、悪くならないように予防することが何より大切です。

それでも歯周病を発症してしまった場合、完全に治すことは難しいのですが、良好な状態に改善することができます。
その方法を見ていきましょう。

歯周病の予防と対策①歯周病菌を減らす

歯周病は、歯周病の原因となる細菌がプラーク(歯垢)の中で増殖して歯の周辺組織を溶かしていく病気です。
お口の中の歯周病菌を完全に失くすことは難しいですが、減少させることはできます。できるかぎり、お口の中の歯周病菌のような悪玉菌の増殖を阻止し、乳酸菌のような善玉菌を増やすことでお口の環境を改善することが大切です。

歯周病の予防と対策②免疫力を高める

歯周病は細菌によって発症する感染症です。一般的な感染症と同様に、身体を丈夫にして免疫機能が活発に働くようになると、歯周病菌に感染したとしても発症するのを免れることができます。

皆と同じように菌を保持したものを食べても、食当たりを発症する人としない人がいることでもわかるように、身体の抵抗力が下がっていると感染症を発症しやすくなるのです。

細菌に負けない免疫力が備わった身体づくりが大切です。

歯周病の予防と対策③噛む力を調整する

寝ている時に無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりの癖がでてしまうせいで、朝起きると歯が痛い・歯がグラグラしているという人もいます。

歯周病が初期の段階で重症ではなかった場合でも、こういった歯ぎしりの癖が加わることで歯の周辺組織である歯槽骨が失われるスピードが速くなり、歯周病が悪化しやすくなります。寝ている時に歯に力が加わって、時には歯が砕けてしまうこともあるほどです。

歯ぎしりやかみしめの癖があることは自分ではなかなか気づきにくいと思いますが、むし歯や歯周病の症状がそこまでひどいわけではないのに歯が痛い・グラグラするといった違和感がある場合は、気付かないうちに歯に圧力が加わっている可能性があります。

何らかの方法で、無意識のうちに歯ぎしりをしないように対策する必要があります。

歯周病の予防と治療におすすめ「新マウスピース治療」

歯周病を悪化させない、また、状態を改善させる効果があると、マウスピースを用いた治療法が注目されています。
歯周病菌を減らすマウスピース治療「3DS」と、歯槽骨の揺れを防止するマウスピース「ナイトガード」の、歯周病を予防&改善させる2つのマウスピース治療について紹介します。

歯周病菌を減らすマウスピース治療「3DS」

マウスピース治療「3DS」は、お口の中の歯周病菌を減らすことを目的とした、歯周病を改善するための治療法です。正式名は「Dental Drug Delivery System(デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)」といいます。
歯周病菌を除菌して、歯周病菌を減少させることでお口の状態を改善する治療法です。

3DSってどんな治療?

薬剤をマウスピース型のトレイに入れて歯に装着し、除菌を行う治療法です。
歯周病菌を減らす治療を行っていますので、以前使っていた歯ブラシは使わないようにしてください。細菌が付着している可能性があります。
糖分を摂取すると歯周病菌が活発に活するようになりますので、3DSケアの実施中はなるべく余分な糖分の摂取は控えるようにしましょう。

3DS治療の流れとは?

    • 細菌検査を行って3DSケアが必要かどうかを診断します
    • 歯型を採取して3DSケア用のマウスピースを作成します
    • PMTC(専用機器による歯面クリーニング)を行います
    • 3DSケアの薬剤をセットしてマウスピースを装着し、除菌を行います
    • ご自宅で3DSケアを行います(1週間程度)
    • 歯科医院で細菌検査、PMTC(クリーニング)、3DSケアを行います
    • 2カ月くらい経過してから歯科医院で細菌検査を行います
    • 歯周病菌が一定量より減れば、3DSケアは終わりです。減っていなければ再治療になります
    • 3DSケアが終了。引き続き定期的にクリーニングを行います

いつ、どれくらい装着する?

ご自宅で3DSケアを行う際は、1週間程度続けます。歯を磨いた後、寝る前の10分間くらい装着するのがおすすめです。
お口の中の細菌検査で、歯周病菌が減ったことが確認できるまで、ケアを繰り返し続けます。

歯槽骨の揺れを防止するマウスピース「ナイトガード」

寝ている間に歯ぎしりや食いしばりをしてしまう癖があって、歯に圧力がかかってしまう場合、歯周病が悪化しやすい状態になります。

寝ている時の歯ぎしりや食いしばりは、歯の表面のエナメル質が欠けたり割れたりして下の層である象牙質や神経が表に出てきてしまうこともあります。
そうなると、知覚過敏が起こりやすくなり、ますます歯周病やむし歯が悪化しやすい環境を作ります。

歯がグラグラすると、歯の周辺組織である歯槽骨が失われていき、歯周病が悪化した時に起こる歯が倒れたり、抜けたりといった症状につながります。

ナイトガードってどんなマウスピース?

歯科医院で歯型をとってマウスピースを作り、寝るときに装着します。無意識のうちにやっていた歯ぎしりや食いしばりで歯にかかる圧力を和らげるために身に着けます。

ナイトガードを装着すると、かみしめにくくなりますし、噛んだとしても削られるのはマウスピースなので、歯は擦り減りから守られます。

セラミッククラウンやレジンの詰め物など、噛んだ圧力で破損したり脱離したりするのを防止します。

ナイトガード治療の流れとは?

    • 診察をして、ナイトガードが必要な症状であるかを検査します
    • 歯型を採取してナイトガード・マウスピースを作成します
    • 1~2週間でマウスピースが完成します
    • 就寝時にナイトガード・マウスピース装着を始めます
    • 最初は違和感があるかもしれませんが、徐々に慣れますので心配ありません

いつ、どれくらい装着する?

基本的には、寝ている間の無意識下での歯ぎしり・かみしめ防止のためのマウスピースですので、就寝中に装着します。ですが、寝ている時だけでなく日中にも使用できます。
かみしめ癖のある人は、歯を守るために1日中つけていてもいいくらいですが、無理のない範囲で使用するようにしてください。

マウスピースでの歯周病予防はホームケアが中心

マウスピースで歯周病を予防する方法について紹介しました。
菌を減らす、歯を守ると目的は異なりますが、どちらも歯科医院での検査と歯型採りをしてマウスピースを作った後は、基本的にホームケアが中心となる予防法です。
マウスピースでの歯周病予防が気になるという場合は、歯科医院で相談してみましょう。