口臭の原因「舌苔」ができる理由と6つの予防法

口臭の原因「舌苔」ができる理由と6つの予防法

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柿木辰美先生
柿木 辰美 先生
専門:一般歯科
2013年 明海大学歯学部卒業。卒後は東京都内の歯科医院に常勤歯科医師として勤務。 現在は複数の歯科医院で非常勤歯科医師として、インプラントや歯内療法を軸に一般歯科診療を日々行なっている。

口臭の約60%が、舌からの臭いが原因と言われています。舌苔とは“舌に苔”と書く通り、舌の表面に真っ白い苔のようなものができた状態です。

舌を出して鏡を見た時に、舌が真っ白になっているとギョッとしますが、舌苔はゴシゴシと落としてはいけません

今回は、舌苔ができる理由や予防法をご紹介し、舌苔からの口臭を改善するヒントをお伝えします。

舌苔ができる理由

普通に生活しているつもりでも、舌苔ができることがあります。ここでは舌苔ができるメカニズムなどを説明します。

舌苔は舌の表面に溜まった汚れや菌

舌苔は、簡単に言うと細菌の塊です。舌の表面は、目に見えない凸凹があり、さらに顕微鏡などで拡大すると、三角の尖った山のようなものが無数にあります。

この山のような凹凸は角質なのですが、細菌は舌の角質の隙間にこびりついて増殖します。また、細菌だけでなく、粘膜が剥がれ落ちた古い細胞や食べカスなどの口の中の汚れも付着しています。

細菌が増殖する時、タンパク質を分解してガスを出しますが、そのガスの臭いが口臭となっているのです。

舌苔は健康な人でも持っている

舌

舌苔は、病気の人だけに付着するものではありません。健康な人でも、薄い舌苔があります。ただ、健康な人は舌の先端や外側はピンク色で、舌苔は舌の真ん中あたりにうっすらとできている程度です。

しかし、ひどい舌苔は舌全体が真っ白くなり、厚みもあります。その逆に、舌苔がまったくない状態や、舌苔が一部分だけ剥がれていたりする場合は、消化器の不調や栄養が偏っていることなどが考えられ、あまり良い状態とは言えません。

舌苔がひどくなる原因

口臭

舌苔は高齢になると多くなる現象ですが、若い人でもひどくなる場合があるので注意が必要です。舌苔がひどくなる原因は、以下のようなものです。

    • 唾液量の減少
    • 免疫力の低下
    • 歯磨きが不十分
    • ストレス
    • 喫煙
    • 内臓の疾患
    • 薬の副作用
    • 新陳代謝の低下

唾液量の減少は、ドライマウスや口呼吸などが原因となっていることがあります。また、ストレスや喫煙も唾液量を減らしますが、特にタバコに含まれるヤニは粘着性があり、細菌とくっつきやすいという性質を持っています。

また、内臓の病気では、舌苔の色が黒や黄色、茶色、灰色などになったりします。

舌苔で起こる弊害

口臭

舌苔がひどくなると起こる弊害で、一番気づきやすいのが口臭です。舌苔は代謝した細胞や食べカス、細菌などです。細菌は、食べカスなどを発酵させて繁殖しますが、その際に揮発性硫化物というガスを発生させます。

揮発性硫化物は主に硫化水素・メチルメルカプタン・ジメルサルファイドという物質からなり、それぞれ卵が腐ったような臭い・魚や野菜が腐ったような臭い・生ゴミのような臭いがします。これらの臭いが混ざったことを想像するだけでも、どれほど強烈なのか分かります。

誤嚥性肺炎

舌苔は舌の表面に付着していますが、舌苔が厚くなると剥がれることがあります。高齢者などでよく聞く誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液などと一緒に細菌誤って気道に入って起こる病気ですが、舌苔を誤嚥することでも誤嚥性肺炎になる可能性があります。

高齢者は様々な体の機能が低下して、口腔の細菌が増える可能性が多く、舌苔になる確率も高くなるため、舌苔による誤嚥性肺炎のリスクも高まるのです

舌苔の口臭を予防する方法

では、舌苔が原因の口臭を予防する6つの予防法をご紹介します。舌苔が気になる人は是非実践してみてください。

1.舌磨きをする

舌苔を手っ取り早くなくすには、舌磨きをして除去するのが有効です。ただし、正しい方法でしなければ、かえって舌苔を発生させる原因になり、逆効果です。

正しい舌磨きの方法は、ゴシゴシとこすらずに、奥から手前にゆっくり軽くこすること、歯ブラシではなく専用の舌ブラシや柔らかい布などで行うことです。

正しい舌磨きの方法
    • 専用の舌ブラシや柔らかい布などで行う
    • 奥から手前にゆっくりと軽くこする
    • 1回につき1〜2回こする
    • 1日1回行う

また、舌ブラシは硬めではなく、舌の表面を傷つけない柔らかめのブラシがおすすめです。

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2.歯磨きの徹底で食べカスを残さない

舌の表面にこびりつく細菌は、歯で細かくすりつぶした食べカスなどをエサにします。細菌を増殖させないようにするには、口内に食べカスを残さないようにすることが重要です。

食後や朝晩の歯磨きを徹底し、食べカスを残さないようにすれば、細菌が増えるのを防げます。

3.唾液を増やす

殺菌

唾液には殺菌・抗菌物質が含まれており、唾液を口の中で循環させることによって、細菌が増えるのを抑制しています。つまり、唾液量を増やすことで殺菌・抗菌効果を持続させると良いのです。

唾液量を増やすには、こまめに水分を補給する、ものを食べる時によく噛む、歯ごたえのあるものを食べるなどが効果的です。

口臭の原因は唾液にあり!口臭予防と唾液の関係について解説します

4.水うがいをする

口周りのトレーニング

食後に歯磨きをして口内に食べカスを残さないようにするのは重要ですが、歯磨きができないような状況もあります。

そんなときは、水うがいだけでも効果があります。水を含んで口を閉じ、口の中で水を上下左右ぶつけるように、クチュクチュとうがいをします。すると、口内の食べカスや細菌は水圧で取れて、うがいの後に吐き出す水と一緒に外に排出できます。

水で口臭をなくす方法!口臭の原因と水うがいが良い理由

5.コーヒーをお茶に変える

コーヒー党の人は、1日に何度もコーヒーを飲むかもしれません。しかし、コーヒーには油分が含まれており、この油分が舌に残って細菌のエサになります。また、コーヒー豆に含まれる微粒子が舌に付着して、口臭の一因にもなるのです。

コーヒーを水分補給の代わりにしている人は、お茶に変えるだけで口臭を抑制することができます。ほとんどのお茶には、お茶ポリフェノールという口臭抑制物質が含まれているからです。ただし、糖分や乳製品が含まれていないお茶に限ります。

6.ストレスを溜めない

リラックス

口内を自浄する作用がある唾液量は、リラックスしている時に増えて、緊張時やストレス時、空腹時などに減ります。そのため、普段からストレスを溜めないようにしたり、ストレスを発散したりすることが重要です。

また、1日1回リラックスする時間を少し設けるだけでも効果があります。入浴時にゆっくりと湯船に浸かる、寝る前はスマホを見ないでゆったりと過ごすなども有効です。

舌苔を改善して口臭をなくそう!

舌苔は誰にでもあるものですが、異常に増えてしまうと口臭の原因になる厚くて白い舌苔になります。

舌苔を増やさないようにするには、以下の方法が有効です。

    • 舌磨きをする
    • 歯磨きを徹底する
    • 唾液量を増やす
    • 水うがいをする
    • コーヒーをお茶に変える
    • ストレスを溜めない

口の中を清潔に保ち、正常な舌苔にして口臭をなくしましょう。