【歯医者さんが教える】歯周病(歯槽膿漏)を予防する6つの方法

【歯医者さんが教える】歯周病(歯槽膿漏)を予防する6つの方法

この記事の監修医師一覧

杉田大先生
杉田 大 先生
所属:杉田歯科医院(千葉県船橋市)
専門:保存修復
2013年 東京歯科大学卒業。現在は杉田歯科医院での臨床のほか、株式会社DoctorbookでDental事業部のマネージャーを務める。

歯周病は、口臭の大きな原因のひとつで、一度罹ってしまうと自然治癒できない厄介な病気です。また、最近の研究では、歯周病菌は全身の病気にも影響することが分かっています。

しかし、しっかりと予防すれば、歯周病を防ぐことが可能です。今回は、歯医者さん監修による歯周病(歯槽膿漏)予防の方法を、説明します。

歯周病(歯槽膿漏)チェック

リスト

まずは、自分の歯が歯周病の可能性があるかどうかをチェックしてみましょう。

    • 以前に比べて歯が大きく(長く)なった気がする
    • 歯磨きをしていて出血したことがある
    • 歯茎がムズムズする
    • 歯が浮いているような違和感がある
    • 歯茎が赤く腫れている
    • 口臭が気になる
    • 起床時に口の中がネバネバする
    • 歯と歯の間に食べ物が挟まるようになった
    • 固いものを噛みにくくなった

0〜3個の人:予防すれば歯周病を防げる可能性が高いです。
4〜6個の人:歯周病が進行している可能性が高いです。
7個以上の人:歯周病がかなり進行している可能性が大きいです。

歯周病(歯槽膿漏)の基礎知識

歯周病

歯周病とは、歯を支える骨を破壊してしまう慢性の炎症疾患です。成人の約7〜8割の人が歯周病に罹っていると言われています。

歯周病の原因

歯周病の原因は、口内で細菌が増殖することです。その多くは、歯の磨き残しなどによるもので、歯周病菌は口内に残った食べカスや歯茎から出血した血液をエサにして、白くてネバネバとした歯垢(プラーク、バイオフィルム)を作ります。歯周病菌はさらにプラークを住処とし、増殖して歯茎に炎症を起こさせるのです。

また、思春期や妊娠・出産・閉経などのホルモンが急速に変化する際にも、歯周病が発生しやすくなります。

歯周病が進行する原因

歯周病の症状が進行する原因は、以下のようなものが挙げられます。

    • 歯の磨き残し
    • 歯ぎしりや食いしばり
    • 合っていない義歯や歯の詰め物
    • 喫煙
    • ストレスや疲労
    • 不規則な生活
    • 糖尿病
    • 骨粗鬆症
    • ホルモン異常
    • 薬の副作用

歯ぎしりや合っていない詰め物などは、歯が揺さぶられて歯茎にダメージを与えて細菌が侵入しやすくなります。また、ストレスや疲労、不規則な生活は自律神経の乱れにつながり、免疫力の低下などで歯周病を防ぐ力が弱くなります。

歯周病の進行の仕方

最初は歯と歯の間などにできた歯垢を住処として細菌が繁殖し、それが歯と歯茎の境目にある歯周ポケットにも入り込みます。

歯周ポケットに入った細菌は歯茎に炎症を起こし、歯茎が腫れたり赤くなったりします(歯肉炎)。この段階ではまだ痛みは感じません。

歯周病が進むと歯周ポケットが深くなり、歯茎が痩せてきます。歯周ポケットが深くなると歯にものが挟まりやすくなり、歯茎が下がって歯が長くなったように感じます(歯周病中期)。知覚過敏が起こるのもこの頃です。

もっと症状が進むと、歯の土台となる顎の骨が溶かされ、歯がグラついてきます。そして、最終的には歯を支えるものがなくなり、歯が抜けてしまうのです(歯周病末期)。顎の骨が溶ける頃には、痛みもひどく、口臭もかなり強くなります。

歯周病の全身への影響

歯周病菌は、溶かされた骨や歯の組織から血液に乗り、全身に流れ出て影響を及ぼします。歯周病が一因となる病気は、以下のとおりです。

歯周病が原因または誘因となる可能性がある病気
    • 誤嚥性肺炎
    • 心内膜炎
    • 糖尿病
    • 心筋梗塞
    • 動脈硬化
    • 早産・低体重児出産
    • 骨粗鬆症
    • がん
    • 腎臓病
    • 肥満
    • 関節炎

特に糖尿病は、歯周病と持ちつ持たれつの関係にあり、糖尿病を改善すれば歯周病も良くなり、歯周病を治療すれば糖尿病も改善されることが分かっています。

歯周病(歯槽膿漏)の予防法

きれいな歯

歯周病は、油断すると知らないうちに菌が増殖するので、日頃からのセルフケアが重要です。

1.正しい歯磨きでプラークを除去

歯磨きは、プラークを作らないためのもっとも有効な手段です。歯ブラシで食べカスや歯垢を除去することで、新たなプラークや歯石を作らないようにしましょう。

2.水うがいでプラークを除去

水うがいとは、含みうがいのことです。歯磨きができない状況でも、水で含みうがいをするだけで、口内の食べカスをかなり除去することができます。

また、水圧を利用する“毒出しうがい”はさらに効果的です。毒出しうがいのやり方は、以下の記事で確認できます。

水で口臭をなくす方法!口臭の原因と水うがいが良い理由

3.歯間ブラシやデンタルフロスを使う

食事の後に、歯にものが挟まりやすい人は、歯間ブラシやデンタルフロスを使うのがおすすめです。

奥歯や歯並びでになってしまっている部分は、歯ブラシが届きにくく、磨き残しが発生します。歯磨き時に歯間ブラシやデンタルフロスを併用し、磨き残しをなくすことが、歯周病予防につながります。

4.タバコを控える

喫煙は一酸化炭素やニコチンなどが免疫機能を低下させて歯周病を引き起こしやすくなります。また、歯茎の血行を悪くするので、歯茎が出血しにくくなり、歯周病の発見を遅らせる一因にもなります。

厚生労働省は喫煙関連歯肉炎の危険性に警鐘を鳴らしており、禁煙による効果を公式サイトで明記しています。また、本人が吸わなくても歯周病を引き起こしやすくなる「受動喫煙」に関しても触れ、子どもの歯周病の改善も呼びかけています。

受動喫煙は、タバコを吸った人の吐く息を吸っただけでも直接悪影響を受けるため、自分自身の健康はもちろんですが、子どもがいる人は特に注意したいものです。

5.歯科で定期的にクリーニング

歯石取り

よほど丁寧にセルフケアする人でも、完璧にできる人はなかなかいません。歯科で定期的にクリーニングしてもらうと、歯垢や歯石をしっかりと除去することができます。

歯垢や歯石は口臭の原因にもなるので、定期的なクリーニングは口臭予防にもなりますよ。

6.矯正で歯並びを改善する

歯並びが悪いと、どうしても歯と歯の隙間重なった部分ができてしまい、プラークが溜まりやすくなります。歯並びを改善すると、歯周病の予防につながります。

歯並びは歯のかみ合わせを左右し、肩こりや姿勢の悪さ、口呼吸などの原因にもなるため、早めに治すのがおすすめです。

歯周病(歯槽膿漏)の予防法で自分の歯を残そう!

歯周病は、自分の歯がなくなる原因になるだけでなく、様々な全身の疾患を誘因することもある恐ろしい病気です。予防法としては、日頃からのセルフケアと、専門家によるケアがあります。

    • 正しい歯磨きでプラークを除去
    • 水うがいでプラークを除去
    • 歯間ブラシやデンタルフロスを使う
    • タバコを控える
    • 歯科で定期的にクリーニング
    • 矯正で歯並びを改善する

この他、日頃から体調を管理して病気を予防する、ストレスを溜めないなども、歯周病の間接的な予防となります。年をとっても自分の健康な歯で食べるには、日々の予防が何よりも重要です。