歯磨きしているのに前歯が虫歯になりやすい理由と6つの予防法

歯磨きしているのに前歯が虫歯になりやすい理由と6つの予防法

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Doctorbook編集部
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所属:株式会社Doctorbook
株式会社Doctorbookに在籍する、3名の現役歯科医師。Doctorbookの業務を遂行しながら、それぞれが臨床現場で活躍中。

前歯は歯の中でも一番磨きやすいはずなのに、なぜか前歯で虫歯を繰り返してしまう人がいます。その理由は、前歯は意外にも虫歯の原因菌が好みやすい場所だからなのです。

きれいにしやすい場所であるにもかかわらず、なぜ前歯は虫歯になりやすいのか、その理由と前歯を虫歯にしないための予防法をお伝えします。

前歯が虫歯になりやすい理由

そもそも歯が虫歯になるのは、歯の磨き残しによって残った食べカスを、細菌が歯垢に変えることが原因です。

歯垢ができやすいのは、歯と歯の間や噛み合わせの溝、歯と歯茎の間などです。そのため磨き方を工夫したり、歯間ブラシなどを使って丁寧にケアをしているという人も多いでしょう。

にもかからわらず、前歯に虫歯ができてしまうのには、以下のような理由があります。

前歯の裏は乾燥しやすい

唾液には殺菌・抗菌作用のある物質が含まれており、唾液が口内を循環することで虫歯や歯周病が作られるのを抑制しています。また、食べた後の口内に残ったわずかな食べカスや、細胞が生まれ変わることによって剥がれ落ちる古い角質なども、唾液の水分が流してくれています。

さらに、口内のpH値を中和する働きや再石灰化作用など、唾液には実に様々な働きがあり、常に口内を菌やウイルスから守ってくれているのです。

しかし、前歯の裏は唾液が循環しにくい場所です。そればかりか、話したり歌ったりして口を開ける際には、歯の一番手前にあるため空気に触れやすく、乾燥しがちです。そのため、唾液の恩恵をあまり得られないのです。

歯並びが悪い

歯並びが悪いと歯と歯が重なって陰ができたり、逆に歯と歯の間が空いて隙間ができたりしてしまいます。

陰になった部分には歯ブラシが届きにくく歯垢が作られやすくなります。また、歯と歯の隙間が大きいと細菌にさらされる面積が大きくなるため、やはり虫歯の原因となる歯垢が作られやすくなる原因のひとつです。

前歯がねじれたり前後したりしてができていたり、前歯に隙間ができている人は要注意です。

古い治療跡がある

前歯に古い治療跡があると、治療跡に使われている詰め物が劣化して歯と詰め物の間に隙間ができる場合があります。隙間は細菌の格好の棲家です。一度細菌が入ってしまうと、どんどん増殖して知らないうちに虫歯になっている可能性があるため、治療したからといっても油断は禁物です。

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前歯を虫歯から守るためには

前歯だけケアしていても、口内に虫歯の原因菌があると前歯にも感染してしまいます。前歯を虫歯から守るには、以下のような方法で口内全体の環境を改善することが重要です。

1.唾液腺のマッサージをする

唾液は自然に出てくるものですが、唾液腺をマッサージすることで意図的に増やすことが可能です。唾液腺のマッサージにはいくつかありますが、ここでは一番簡単な方法をご紹介します。

耳下腺のマッサージ
    • 手を開いた状態で指を閉じる
    • 指先を顎の付け根(耳たぶの前)あたりに添える
    • 指を当てたまま、指全体でやや押すように回してマッサージする
    • 5〜10回ほど繰り返す

上記のマッサージは、耳下腺という耳の下にある唾液腺を刺激する方法です。

唾液腺には大きく耳下腺・顎下腺・舌下腺の3種類がありますが、耳下腺は主に殺菌・抗菌作用のあるサラサラした唾液が出る場所です。

2.水分補給で口内を潤す

水分で口内を潤すのも、唾液を増やす効果があります。体内の水分が少なくなると口の中も乾きますが、頻繁に水分補給をすることで体内の水分量が補われ唾液量を増やすことにつながるからです。

ただし、カフェインの入っている飲み物は、利尿作用が働いて逆効果になるので注意しましょう。また、水分補給をする際は、一度にごく少量口に含む程度で十分です。

3.キシリトール入りガムを噛む

キシリトールは、歯を強くしたり菌から守ったりする作用があります。また、ガムを噛むと顎が動くので、唾液腺が刺激されて唾液の量を自然に増やすことができます。

キシリトール入りのガムは、虫歯菌から歯を守りつつ唾液も増やせるのでおすすめですが、大量に摂取するとお腹を壊すことがあるため、1日4〜5粒程度が適当です。

4.ストレス・緊張状態を減らす

ストレスを感じたり緊張したりすると、口が乾きます。ストレスや緊張を感じると、体の交感神経が反応して体が興奮状態になるからです。

日常生活でストレスや緊張を感じる場面が多い人は、できるだけそのような場面を少なくしたり、ストレスを発散したりすることをおすすめします。

また、心身の疲労唾液量を減らす原因ですので、疲れを感じたら休息を取るなどしてリラックスを心がけることが大切です。

5.フッ素でコーティングする

フッ素には、歯から溶け出したカルシウムなどを歯に戻して修復したり、酸に強い歯にする働きがあります。また、細菌の増殖を抑え酸を作りにくくし、虫歯から歯を守ってくれる働きがあります。

フッ素は歯磨き粉の中にも入っているので、歯磨き後に水で口をすすぐ際には1回だけにすると、フッ素が口内に残ります。また、歯医者さんではフッ素塗布をしてくれるので、より強力に虫歯を予防することが可能です。

6.食生活を改善する

前歯を虫歯から守るためには、食生活を見直すことも重要です。唾液は物を噛むことによって出るため、柔らかいものばかり食べていると唾液があまり出ません

日頃から柔らかいものばかりを好んで食べている人は、噛みごたえのある食品を食事に取り入れるのがおすすめです。

噛みごたえのある食品
    • リンゴ・柿などのフルーツ
    • レタス・セロリ・キュウリなどの生野菜
    • レンコン・ニンジン・大根などの根菜類
    • 小魚・いかなどの魚介類
    • たくあんや白菜などの漬物
    • アーモンドやピーナッツなどのナッツ類

唾液を増やして前歯の虫歯予防をしよう

前歯が虫歯になるのは、唾液が行き届かずに唾液の自浄作用が働きにくいからです。前歯の虫歯を防ぐには、以下の方法がおすすめです。

    • 唾液腺のマッサージをする
    • こまめに水分補給をする
    • キシリトール入りガムを噛む
    • ストレスや緊張を減らす
    • フッ素でコーティングする
    • 食生活を改善する

ほんのちょっとの心がけで、唾液量を増やし虫歯菌を抑制することができます。どれも自分で簡単にできる方法ばかりなので、ぜひ日常生活の中に取り入れてみてください。