「いちご」で虫歯予防できるって本当?その秘密はキシリトール

「いちご」で虫歯予防できるって本当?その秘密はキシリトール

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鈴木志帆美先生
鈴木 志帆美 先生
専門:小児歯科・歯内療法
2015年 神奈川歯科大学卒業
春になると、おいしいフルーツがたくさん出回るようになりますね。
お子さんと一緒にいちご狩りに行くのを楽しみにしているご家族もいるのではないでしょうか?
甘くておいしいいちごですが、実は虫歯予防にも効果があることをご存知でしょうか?
「えっ、果糖たっぷりないちごで?虫歯予防できるの?」と、にわかに信じられないという方もいるかもしれません。
もし、いちごを食べることで虫歯予防になるのなら、お子さんも大喜びですね。
ここでは、いちごに本当に虫歯予防の効果があるのか、いちごを食べることで虫歯予防ができるのか、一つひとつ解説していきたいと思います。

いちごには「キシリトール」がたっぷり!

「甘いいちごで本当に虫歯予防できるの?」と不思議に思う方がいらっしゃるかもしれません。実はいちごには、虫歯予防の効果がある成分が含まれているのです。
それは、いちごに含まれる豊富なキシリトールです。
いちごのキシリトール含有量
いちご100g中 キシリトール約350㎎

キシリトールは自然由来のやさしい甘味料

キシリトールは、ガムの成分として知っている人は多いですよね。
キシリトールは、自然由来の甘味料です。白樺や樺の木から成分が発見されたキシラン・ヘミセルロースという糖分から作られている糖アルコールです。
キシリトールはいちごの他にも、ラズベリー、ほうれんそう、レタス、カリフラワー、たまねぎ、にんじんなどにも含まれています。
ちなみに、いちごは100g中に含まれるキシリトールは約350㎎ですが、カリフラワーは約290㎎、ラズベリーが約250㎎、たまねぎ約85㎎、にんじん約83㎎ですから、フルーツや野菜の中でも、いちごのキシリトール含有量が豊富なことがわかるでしょう。
糖アルコールとは?
キシリトールなどの糖アルコールは、砂糖などと同じ糖質でありながら、細菌の栄養源となって繁殖に加担しないという特徴がある甘味料です。熱や酸・アルカリに強く、消化吸収されにくいといった特徴があります。低カロリーなので、その優れた特徴を活かして、さまざまな食品や医薬品などに利用されています。

キシリトールはWHOが認めた安全な食品

キシリトールは、厚生労働省にて安全な食品添加物として認可を受けています。その上、虫歯予防の効果がある成分として、WHO(世界保健機関)、FAO(国連食糧農業機関)からも認められ、積極的に役立てることを推奨されています。

キシリトールは虫歯を防ぐ唯一の甘味料?

キシリトールの優れたところは、砂糖と同等の甘みがあるのにもかかわらず、虫歯の予防効果があることです。虫歯を防ぐ、唯一の甘味料といっても差し支えがないほどです。
というのは、キシリトール以外にもソルビトールというバラ科の植物ナナカマドに含まれる甘味料も虫歯予防効果があるのですが、キシリトールのほうが優れていることが明らかになっています。
キシリトールは、甘さは同等でありながらカロリーは砂糖の4割ほどしかないとあって、ダイエット中の人の人気も集めています。

キシリトールが虫歯を防ぐ理由とは?

優れた甘みをもつキシリトールが、なぜ虫歯を防ぐことができるのでしょうか。
それは、虫歯菌を減少させるからです。そして、虫歯になりかけている状態の初期虫歯なら、歯の再石灰化という修復作用を促進させて治してしまうこともあります。
ただし、キシリトールの摂取量や摂取するタイミングにもよります。しっかりと効果を出したいなら、正しいキシリトールの摂り方を実践する必要があります。

①唾液をたっぷり出すから

キシリトールをはじめとする糖アルコールには、唾液の分泌を増やす働きがあります。
唾液は、虫歯予防に重要な役割を果たしています。殺菌作用、自浄作用など、唾液の優れたパワーで、お口の中は清潔に保たれているのです。唾液の量が少なくなってお口が乾燥すると、虫歯菌が活発になり、虫歯になりやすい状態になってしまいます。
良質な唾液をたっぷりと出すことは、虫歯予防にとても大事なことなのです。

②歯を修復し強化するから

キシリトールは、歯が修復されて強くなる再石灰化をパワーアップさせます。ほんの初期の、虫歯になりかけた歯なら、元通りに治してしまうほどです。
歯は髪の毛や皮膚とは違い、一度失われると再生しない組織なので、わずかとはいえ歯が修復・強化される再石灰化というのは歯にとって非常に貴重な作用なのです。

③虫歯の原因ミュータンス菌を減らすから

キシリトールは甘みのある成分です。そのため、口に入ると、虫歯の原因菌のひとつミュータンス菌が、砂糖が入ってきたと勘違いをしてキシリトールを取り込みます。しかしながら、キシリトールはミュータンス菌を増殖させる栄養源にはならないため、やがてミュータンス菌は死滅します。そうしてお口の中の虫歯菌がどんどん数を減らしていくので、しだいに口内の環境が良好に改善されます。
ミュータンス菌がゼロに近づけば、以前よりも圧倒的に虫歯になりにくい状態に改善されます。

虫歯予防にコレを実践すれば効果的!必須4項目

キシリトールを摂っているからといって、虫歯予防できていると安心してはいけません。
虫歯を予防ためには、歯と歯のすき間などに溜まった歯垢をしっかりと取り除かなくてはいけません。歯垢はいわば虫歯菌の塊のようなものです。口の中に残していると、虫歯に侵されてしまいます。
キシリトールは虫歯予防の補助的に上手に利用し、毎日のセルフケアを徹底することが大切です。

①食後と寝る前の「歯磨き」

虫歯予防のためには、食後と就寝前の歯磨きが必須です。
1日1回以上は、歯間ケアできるアイテム(デンタルフロスや歯間ブラシなど)をプラスした歯磨きをしっかりと行うようにしたいところです。
    • 歯と歯の間
    • 歯と歯ぐきの境目
    • 奥歯の噛み合わせの面
    • 歯を治療した詰め物や被せ物の境目
以上の虫歯になりやすいところを、しっかりと磨くようにしてください。

②「フッ素」を活用したセルフケア

フッ素を上手に使えば、歯磨きの効果がパワーアップします。
おすすめは、2回磨きです。1回目は、フッ素が配合された歯磨き粉や液体の歯磨き剤を使って、1本1本丁寧に磨きます。
お口をゆすいで、汚れを吐きだしたら、次は仕上げにフッ素ケアです。
フッ素配合のペーストなど、口をゆすぐ必要がないものがおすすめです。
歯1本1本の表面をフッ素でコートするような気持ちで、歯を磨きます。磨き終わったら、口をゆすがない、または軽く1回だけゆすぐ程度に留めます。フッ素の効果を浸透させるために、30分~2時間くらいは飲食を控えるようにしてください。

③「正しい食生活」丈夫な歯と菌に負けない身体に

正しい食生活というと、「歯に良い食べ物って?」とか「何を食べれば虫歯予防になるの?」などと考えがち。答えは、「栄養バランスのとれた食事」です。野菜をたっぷり、肉・魚・主食のごはんは少量で、タンパク質・炭水化物・ビタミン・ミネラルをバランスよく摂ることが歯を強くし、虫歯菌に負けない免疫力が備わった身体を作ります。
意識するなら、日本人に不足しがちなカルシウムを積極的に摂ることでしょう。1日コップ1杯の牛乳、ヨーグルト、乳製品、小魚、小松菜など、こちらも色々な食品を組み合わせるとカルシウム効果があがります。

④歯科医院での「定期健診」で蓄積汚れを徹底ケア

歯は、セルフケアを毎日がんばっても、磨き残しがあるものです。歯ブラシなどを使ったセルフケアでは、上手く磨けている人でも2割ほどの磨き残しがあるのです。蓄積すれば、そこから虫歯になってしまいます。
定期検診では、歯の状態をチェックするとともに、蓄積された磨き残しをきれいにクリーニングするようにしましょう。

さらにおすすめ!キシリトール効果をプラス

キシリトールの虫歯効果を得る場合、1日で4~10g必要です。
いちご100gは中くらいのものが7粒ほどですが、それでキシリトールが約350㎎でした。いちごだけで、1日のキシリトールの必要量をいちごで摂るとなると…気が遠くなりますね。それに、そんなチャレンジをすると、果糖の摂りすぎになってしまいます。
虫歯予防にキシリトールを活かしたいとき、強い味方があります。それは、キシリトールガムです。

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キシリトールガムは、含まれている甘味料の50%以上がキシリトールであるものを選ぶことがポイントです。歯科医院で取扱いのある歯科専売品のキシリトールガムは、キシリトール100%なので安心です。

キシリトールのタブレットもおすすめ

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おすすめのタブレットを紹介しますので、虫歯予防にぜひ摂り入れてみてください。