牛乳で虫歯予防できるって本当? 牛乳に秘められたパワーを解説

牛乳で虫歯予防できるって本当? 牛乳に秘められたパワーを解説

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杉田大先生
杉田 大 先生
所属:杉田歯科医院(千葉県船橋市)
専門:保存修復
2013年 東京歯科大学卒業。現在は杉田歯科医院での臨床のほか、株式会社DoctorbookでDental事業部のマネージャーを務める。
牛乳は、日本人の食生活で不足しがちなカルシウムがたっぷり。そのほか、さまざまな栄養素がバランスよく含まれている優れた食品です。
エネルギーになって、しかも効率よく栄養が摂れるので、子どものおやつにも適しています。
そのうえ牛乳には、虫歯の予防効果まであるのです。積極的に摂るべき食品だと推奨されていることにも納得できるでしょう。

ただし、牛乳にも乳糖が含まれているため、虫歯にならない飲物というわけではありません
含まれている栄養が虫歯予防に有効なのです。寝る前に飲んだら、歯を磨きましょう。

そういった勘違いも起こしやすいので、ここでは、牛乳が歯にどんな良い影響をもたらすのか、その理由と、おすすめの摂り方などを紹介します。正しい摂り方を知って、牛乳を虫歯予防に役立てましょう。

牛乳・乳製品には虫歯予防の効果あり!

牛乳や乳製品に虫歯予防の効果が期待できることは、WHO(世界保健機構)からも公式に報告されています(WHO Technical Report, 2003より)。まろやかで優しい甘みを感じる飲物である牛乳で、なぜ虫歯を予防できるのか、どんな効果があるのか詳しく見ていきましょう。

①口内の酸を中和して、歯を守る

お口の中は食事をすると、常駐する虫歯菌が酸を出して酸性に傾きます。歯の表面のエナメル質を構成しているリン酸カルシウムは、酸性の環境で溶け出します。牛乳や乳製品を摂ると、お口の環境を中和させて溶け出しにくくします。

②歯垢の形成を防いで菌の繁殖を防ぐ

虫歯予防のためには、歯垢を除去することが最も大切です。歯垢は、虫歯菌が糖を取り込んでつくられる、細菌の温床だからです。牛乳や乳製品には、虫歯菌の繁殖を抑えたり、お口の中を酸を出しにくい環境へと改善したりする力があります。つまり、歯垢の形成防止に役立つのです。歯垢がつくられにくいお口の環境ができあがると、虫歯になりにくくなります。

③再石灰化を促進して歯を強くする

牛乳や乳製品にはリン酸カルシウムが含まれているので、食事のたびに溶け出した歯の表面のエナメル質を修復する作用「再石灰化」のパワーアップにも役立ちます。

④良質な唾液の分泌量を増やす

唾液には抗菌作用をはじめとする、多様な健康効果が秘められています。
虫歯予防にも、良質な唾液をたっぷりと出すことが大切です。
牛乳やチーズを摂るのも良いですし、乳製品の中では特にヨーグルトが唾液の分泌を増やします。1日100g程度を毎日食べると良いでしょう。
食べるおすすめのタイミングは。寝ている間に身体の中で作用するからです。ただし、糖分が多く入ったものは避けてプレーンなものを選ぶと良いでしょう。

牛乳・乳製品に含まれる虫歯予防の有効成分とは?

牛乳にはカルシウムはもちろんですが、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン類、ミネラルが優れたバランスで含まれています。
エネルギーになって栄養も摂れるので、子どものおやつにおすすめです。

①歯や骨を強化する「カルシウム」

カルシウムを効率よく摂れる食品は、なんといっても牛乳です。
カルシウムの含有量だけ見ると、桜エビや干しひじきなどの方が豊富なのですが、1食であまり大量に摂ることができません。牛乳ならコップ1杯で、1日に成人が必要とするカルシウム量の3分の1を摂ることができるので、とても効率が良いのです。
とはいえ、牛乳にも糖分が含まれていますので、飲みすぎに注意。多くても1日2杯までにしておきましょう。
日本国民は、カルシウムが慢性的に不足しています。日本の水は主に軟水で、カルシウムの含有量がとても少ないのです。積極的にカルシウムを摂るようにしたいところです。
しらす干しなどの小魚小松菜などの緑黄色野菜にもカルシウムが豊富なので、牛乳だけでなく、いろいろな食品と組み合わせて栄養を摂れると理想的です。

②身体を作り、修復する「タンパク質」

歯をはじめとする身体を構成する組織をつくったり、傷んだ部分を修復したりするためにタンパク質は欠かせません。
もちろん栄養はこれだけ摂ればよいというものはなく、すべてが協力しあって吸収を助ける仕組みのため、バランスよく摂取することが大切です。
牛乳は、多くの栄養素がバランスよく含まれているので供給源として優れているといえます。

特に牛乳から摂れる良質なタンパク質は、骨や歯をつくる基礎となります。タンパク質の代謝を助けるパントテン酸も豊富なので、効率よく吸収できるのも優れたポイント。毎日飲む習慣をつけると良いでしょう。

③身体のバランスを整える「ビタミン」

牛乳には、ビタミンも豊富に含まれています。
疲労回復効果があり免疫力を高めるビタミンB2や、 良質なコラーゲンを維持して骨や歯ぐきを健やかにするビタミンB12などが豊富なので、虫歯菌の感染・悪化防止に役立ちます。

虫歯予防に効く牛乳の採り方とは?

虫歯予防の効果を発揮するために、牛乳を1日どれくらいどんなタイミングで飲めばいいのでしょうか?
おすすめの牛乳の摂り方を紹介します。

1日にどれくらい飲む?

1日に飲む量は、一般的なコップ1杯(200ml)程度で十分です。多くても2杯までで止めておきましょう。牛乳がいくら優れた栄養食品といっても、同じものばかり大量に摂っては栄養が偏ってしまいます。
妊婦さんは、カルシウムの推奨摂取量が増えますので、1日コップ2杯くらい飲むと良いでしょう。

いつ飲むのがおすすめ?

食事のシメに飲むと、酸性になったお口を中和させる働きが得られます。
朝のうちに飲めば、トリプトファンからセロトニンがつくられ、夜にはメラトニンという睡眠ホルモンといわれる成分に変わります。良質な睡眠が得られることで免疫力が高まり、虫歯菌に負けない健やかな身体がつくられます。
夜、寝る前にホットミルクを飲むと、自律神経を整える効果が期待できます。健やかな心身が保たれ、虫歯菌への感染・悪化を予防できるでしょう。ただし、寝る前に飲んだら歯を磨くことを忘れないでください。

そのほかのおすすめ乳製品とは?

牛乳だけでなく、乳製品を摂る習慣をつけることも大切です。
チーズやヨーグルトを積極的に食べて、虫歯予防の効果を狙いましょう。

チーズの虫歯予防効果

食事の後にデザート感覚でチーズを食べると、虫歯予防の効果が期待できます。酸性に傾いたお口の環境を中和させることができるからです。
また、チーズに含まれたリン酸カルシウムが、酸性に傾いて溶け出した歯の表面を修復する再石灰化をサポートするため、歯の強化に一役買います。

ヨーグルト習慣で虫歯予防

ヨーグルトに含まれる乳酸菌が、虫歯や歯周病の予防に活躍します。
乳酸菌の中でも、最近注目されているのがロイテリ菌です。ロイテリ菌は、お口の中の善玉菌を増やし、悪玉菌である虫歯や歯周病の原因菌を減少させます。虫歯や歯周病になりにくいように、お口の環境を変えていきます。
「オハヨー乳業 ロイテリヨーグルト 110g×16個」

歯磨きが必須!歯を磨かなければ虫歯予防はできない

牛乳や乳製品が虫歯予防に効果的であることを説明してきましたが、牛乳にも乳糖という糖分が含まれています。牛乳や乳製品を摂ってそのまま寝てしまうと、お口の中に残った糖の成分から、虫歯が発生することになります。
虫歯予防のためにこれらの食品を摂っているというだけで安心せず、歯磨きはしっかりと続けるようにしましょう。
歯磨きのタイミングは、食事の後と寝る前に行うのが基本です。
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ナチュラル・ハーモニー
ナチュラル・ハーモニー
大手出版社出身、ディレクター・ライター歴15年以上。歯科ライティング実績は500件以上。都道府県主催テレワーク講座にも登壇。趣味は観劇と史跡巡り。柴犬好き。