1日5分、マウスピースで除菌するだけ!虫歯になりにくくする虫歯予防

1日5分、マウスピースで除菌するだけ!虫歯になりにくくする虫歯予防

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鈴木志帆美先生
鈴木 志帆美 先生
専門:小児歯科・歯内療法
2015年 神奈川歯科大学卒業
「毎日きちんと歯磨きをしているのに、何度も虫歯が再発してしまう」と、お悩みではありませんか?

いちど虫歯になった歯は再発しやすいので、より丁寧に歯磨きなどのケアをする必要があります。
それでも、おじいちゃんになっても入れ歯知らずの虫歯になりにくい体質のひとは居ますし、逆に、他の人よりも簡単に虫歯が発生してしまう、虫歯になりやすい体質のひとはいます。
私たち人間の体内には常駐している細菌がいます。健康のために役立つ細菌もたくさんありますが、お口の中に虫歯菌が多く存在するひとは、虫歯になりやすいといえるでしょう。

そんなお悩みを持っているひとにおすすめなのが、マウスピースを着けて除菌する「3DS治療」です。

3DS治療(除菌療法)とは?

3DS治療とは、3DS「デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム(Dental Drug Delivery System)」の頭文字を取った略称です。
虫歯の予防や、これ以上、虫歯が進行するのを食い止めるために、お口の中の除菌を目的に進める治療です。

まずは歯科医院で、それぞれのお口に合ったマウスピースを作製し、薬剤を入れるトレーとして歯に装着します。
マウスピースや薬剤は一式、自宅へ持ち帰って、毎日規定の時間、歯に装着して除菌を行います。

除菌で虫歯の再発防止・進行抑制

ネバネバした歯垢には、ほんの1mlの中にも数億個もの細菌が存在しています。
そのなかで、ミュータンス菌ラクトバチルス菌が、主に虫歯を発生させる細菌です。ミュータンス菌やラクトバチルス菌などの虫歯の原因菌がたくさん存在すればするほど、虫歯になりやすいといえます。
一度、虫歯になったということは、お口の中に虫歯の原因菌が多く存在するということです。虫歯を治療したとしても、虫歯菌があることには変わりはありません。
そのため、お口の中に糖が入ってきて歯を溶かす酸を作り出せる環境になると、またすぐに虫歯が発生・進行します。

虫歯になりやすいひとは、お口の中でそんな悪循環が常態化してしまっているのです。虫歯を再発させないためには、口内環境を改善しなければなりません。
そのためにも、虫歯菌を根本から除菌する3DS治療は、有効なのです。

初期の虫歯なら削らずに治せることも

3DS治療は、治療といっても除菌をおこなうことが目的です。除菌することで、これ以上の虫歯の悪化を防ぐことはできますが、すでに虫歯になってしまった歯を治すことはできません。
虫歯になってしまった歯の治療は、適切な方法で進めなくてはなりません。

ただ、虫歯になりかけている状態の初期虫歯なら、除菌して口内環境を改善することで治せる場合があります。
除菌することで歯の再石灰化という修復作用が正常に働くようになり、歯の表面のエナメル質を強化することができるからです。

虫歯が進行していたら治療が必要

虫歯のレベルが初期段階ではなく、既に進行してしまっている場合は、歯の再石灰化では修復できません。削る、詰めるといった従来の虫歯治療を行う必要があります。

口内環境が改善して歯を大切にできる

3DS治療で除菌すると、口内環境が改善します。虫歯菌を減らせることができるので、これまで虫歯の再発を繰り返して、そのたびに歯を削ったり、抜いたりしていたという人も、そんな状況から抜け出せます。
もちろん、同時に生活環境を改善し、歯磨きを徹底する必要はあります。個人差はあるとはいえ、1年くらい治療を頑張れば、虫歯になりにくいお口の環境を手に入れられるでしょう。
天然歯を大切にできるので、高齢になっても自分の歯でしっかり噛んで食べる楽しみを味わえる幸せが続きます。

3DS治療(除菌療法)での虫歯予防の進め方

それでは、具体的な3DS3DS治療(除菌療法)の進め方の一例を説明します。
3DS治療は保険診療の適用外ですので、法律上、他の治療と一緒に進めることができません。
もし虫歯があれば、先に虫歯の治療を終わらせてから3DS治療を始めることになります。

①カウンセリング

まずは、カウンセリングです。歯科医師から、3DS治療についての説明を受けます。
患者さんのお口の状態に対して、3DS治療がどのような効果を発揮するか、治療の必要性やメリットなどについて話します。
そして、患者さん自身が3DS治療を受けるかどうかの判断をします。

②唾液検査(サリバテスト)

唾液の検査を行います。
ここでは、カリエスリスクを評価する検査を行います。虫歯になりやすいとお悩みの場合、どの虫歯菌がどれくらい存在するかがわかるので、自分がどれくらい虫歯になりやすいのかを知ることができます。

③PMTC(専門家によるクリーニング)

PMTCとは、専門家が行う歯のクリーニングのことです。プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニングの頭文字を取った略称です。
歯科医院にあるクリーニング専用機器や器具を駆使し、フッ化物が配合された研磨剤を用いて、セルフケアでは落とせない歯石や歯垢をキレイに取り除きます。国家資格をもった歯科衛生士が行います。
歯の表面を磨き上げるので、仕上がりはツルツルになります。
このPMTCというクリーニングを行うだけでも、かなりの細菌を除去できます。これだけでお口の環境が改善できる人もいます。

④マウスピース製作

3DS治療に用いるマウスピースを作製します。歯列にぴったりはめるマウスピースを作るので、歯の表面に効率よく薬液の効果が発揮されます。

⑤2回目のPMTC+3DS治療

PMTCを繰り返し、細菌を取り除くクリーニングを行います。
出来上がったマウスピースに薬液を入れて歯に装着し、虫歯菌を殺菌します。1回の装着時間は、5分間です。

⑥ホームケア

自宅にマウスピースと薬液など、必要なアイテムを一式持ち帰り、自分でケアを行います。
就寝前、歯を磨いた後で、マウスピースに殺菌作用のある薬液を入れて歯に装着します。1回5分間×1週間、継続して行います。

⑦3回目のPMTC+3DS治療

1週間、ホームケアで除菌を続けた後、改めて歯科医院で歯のクリーニングと3DS治療を行います。

⑧効果の判定

約2カ月後、唾液検査を行って除菌効果を判定します。
効果が目標値に達していない場合は、再度、3DS治療を行います。繰り返し3DS治療を継続し、目標のレベルまで除菌を進めます。

矯正のマウスピースを活用した虫歯予防

3DS治療のほかにも、矯正治療用のマウスピースを活用した虫歯予防を行うケースもあります。
マウスピース矯正のシステムによっては、少しすき間が生じるものがあります。そのすき間を利用し、フッ素ジェルを塗ってマウスピースを装着します。
矯正しながら虫歯予防ができる、一石二鳥の方法です。

虫歯予防の基本は歯磨き

3DS治療で虫歯の原因菌を除菌できたとしても、その後で歯磨きをさぼってしまうと逆戻りです。お口の環境が改善できたら、維持しつづけるために歯磨きの習慣を継続しましょう。
食事の後と就寝前、1日4回の歯磨きを行い、1日1回以上は、歯間ケアのためにデンタルフロスや歯間ブラシを採り入れたじっくり歯磨きを実施するのが理想です。
フッ素が配合されたペーストを使った仕上げ磨きも、虫歯予防に効果が期待できます。

また、よく噛んで良質の唾液をたっぷりだせるように、野菜中心の栄養バランスが取れた食生活を心がけることも虫歯予防には重要なことです。
ストレスを溜めずに免疫力を高め、虫歯菌に負けない健やかな心身でいることも大切ですので、リフレッシュしながら毎日を楽しんで過ごすようにしましょう。