食事で歯周病予防!毎日のごはん「簡単ひと工夫」で歯の健康を守れる

食事で歯周病予防!毎日のごはん「簡単ひと工夫」で歯の健康を守れる

この記事の監修医師一覧

杉田大先生
杉田 大 先生
所属:杉田歯科医院(千葉県船橋市)
専門:保存修復
2013年 東京歯科大学卒業。現在は杉田歯科医院での臨床のほか、株式会社DoctorbookでDental事業部のマネージャーを務める。

今日から食事で歯周病の予防をしてみませんか?やり方は簡単。毎日の食事に採り入れる食材の選び方を工夫するだけです。

歯周病は、生活習慣や食習慣を整え、健康な身体をつくることで予防できる病気です。
わたしたち人間の身体をつくるのは、食べ物や飲み物です。食べ方次第で、健康にもなれますし、逆に栄養が不足したり偏ったりすると体調不良につながります。
毎日のごはんで、歯周病を予防して歯の健康を守りましょう。

歯周病の予防と食生活の関係 「医食同源」とは?

薬は病気を治すために飲みますが、健康を支える食事も同じ。医療と食事の根源は本来一緒であるという東洋医学の考え方を、「医食同源」といいます。病気を食事で予防するという方法は、古来から大切にされてきました。
どんな食材が効果的なのかを知って、効率よく食材を使って、毎日の食事で歯周病の予防をはじめましょう。

歯周病の予防に役立つ栄養素

歯周病の予防のためには、健康な歯ぐきをつくり、免疫力を高め、歯周病菌を抑え歯周組織の生成に役立つ栄養素を摂ることが大切です。
それらのパワーをもつ食材には、どのようなものがあるのでしょうか?

繊維の多い野菜

歯周病の予防のためには、噛み応えがあって唾液をたくさん出せる食材がおすすめです。
唾液がたくさん出ると、お口の中で繁殖した歯周病菌が流されて減少します。

歯ぐきによい食品といえば、なんといっても野菜でしょう。野菜は繊維質が多いので、しっかり咀嚼する必要があり、自然とよく噛んで食べることになります。
繊維の多い野菜
野菜全般、キノコ類、油揚げ、高野豆腐、たくあん、漬物、さきイカ、モモ肉など

ビタミンACE(エース)

歯周病は、細菌が感染することによっておこる病気です。細菌に負けない身体をつくるために、免疫力を高めることが大切です。
免疫力をアップさせる食べ物といえば、ビタミンエース(A・C・E)を豊富に含む食材が挙げられます。

●ビタミンA(βカロテン)
菌の感染を防ぎ、お口の粘膜を強化します。

●ビタミンC
身体の老化を防ぎ、抗ストレス作用を発揮して免疫力を高めます。

●ビタミンE
身体を若々しく保ち、白血球の働きを強化して免疫力アップします。

ビタミンA(βカロテン)を含む食材
にんじん・ホウレン草・ピーマンなどの緑黄色野菜、鶏レバー、柑橘系の果物、スイカなど
MEMO
ビタミンA(βカロテン)は、油を一緒に摂取すると吸収されやすくなるので、ビタミンEが豊富なオリーブオイルで炒めたり、ドレッシングを掛けたりしてサラダにするとよいでしょう。
ビタミンCを含む食材
小松菜やホウレン草、ピーマン、ブロッコリー、トマト、にんじんなどの野菜、じゃがいも・さつまいもなどのイモ類、いちご・オレンジ・柿など
MEMO
ビタミンCは、水に溶けだしやすい性質がありますので、野菜をゆでたら、ゆでた汁ごと食べられるスープや鍋ものにすると、栄養を逃さず食べられます。
ビタミンEを含む食材
ナッツ類、うなぎ、かぼちゃ、アボカド、オリーブオイルなどの油、大豆製品

カルシウム、ビタミンD

カルシウムは歯を強くするイメージがありますが、たくさんカルシウムを摂れば強化されるというわけではありません。ただし積極的に摂取するほうが良いのは本当です。
というのも、カルシウムは日本人のほとんどが不足しがちな栄養素。日本の水はミネラルが少ない軟水であることが大きな原因といわれています。そのため、近年20年間にわたり、日本人は常にカルシウム不足であるという調査報告もあるほどです。
根本的に不足しがちなカルシウムですので、吸収率を高めるビタミンDも一緒に摂取すると、さらに効果的でしょう。
カルシウムを含む食材
カルシウムは、牛乳、チーズ、小魚、卵、高野豆腐、干しエビ、シジミ、しらす干し、イワシなどの魚介類、小松菜、チンゲン菜、切り干し大根など

カテキン(ポリフェノール)

緑茶に含まれるカテキンには、抗酸化作用・抗炎症作用があります。
日常的に緑茶を飲んでいる人の歯ぐきが健康なこともわかっています。飲物をお茶に替えるだけで、日常的に歯周病の予防ができるのなら、お手軽ですね。

歯ぐきの健康によい食材とは?

噛み応えがある」「血流に良い」というのが、歯ぐきによい食品の条件です。
例えば、食物繊維を豊富に含むもの、ビタミンが豊富なものを選びましょう。
具体的には、ダイコンやブロッコリーなどの野菜全般、ゴボウやレンコンなどの根菜類、ナッツ、煎り豆などが歯応えがある食べ物としておすすめです。
MEMO
ダイコンやきゅうり、にんじんを野菜スティックにして、ポリポリかじりながら食べられるようにします。楽しく食べられておいしい、歯に良いメニューになります。お子さんのおやつにもいいですね。

免疫力を高める食べ物

歯周病菌に負けないために、免疫力の強化に効果的な食べ物は、肉・魚・牛乳・乳製品・緑黄色野菜・単色野菜・果物・穀類・芋類・油脂など。
「えっ?ほとんどの食材が当てはまるのでは?」と思うかもしれませんが、その通りです。
免疫力を強化するためには、ひとつの食品に偏らず、まんべんなく、栄養バランスよく食べ物を摂取することが大切です。

栄養素というものは、それぞれが助け合って効果を発揮する仕組みになっているのです。単品で食べても効果が発揮できない場合があります。
少量の穀類・肉・魚・卵・豆、たっぷりの野菜という栄養バランスが整った食事メニューが、免疫力を高めるのです。

歯周病菌を抑える食べ物

歯周病菌の増殖を抑えるのは、乳酸菌が入った食材です。乳酸菌には、歯周病菌の発育を阻止したり、減少させたりするパワーがあります。毎日摂る習慣をつけたいものです。
乳酸菌の種類によっても、除菌や抑制など、それぞれ得られる効果がありますので、目的に合わせて選ぶとよいでしょう。
歯周病予防に乳酸菌が効く!?その理由&おすすめ乳酸菌アイテム紹介

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歯周組織の生成に必要な食べ物

歯周組織をつくるのは、コラーゲンです。コラーゲンは、タンパク質、ビタミンC、鉄分などによって生成されるので、これらの食品を積極的に摂るとよいでしょう。
タンパク質を含む食材
納豆、豆腐、味噌、きなこ、チーズ、ヨーグルト、生ハム、鶏ささみ、しらす干し、卵など
ビタミンCを含む食材
ブロッコリー、サツマイモ、ピーマン、レモン、いちごなど

歯ぐきの健康を損ねる食材とは?

それでは、歯周病予防の大敵となる、歯ぐきの健康に悪い影響を与え、歯の健康を害する食材を知っておきましょう。
それには、免疫力を抑える食べ物、歯周病菌を増殖する食べ物が挙げられます。

免疫力を抑える食べ物

免疫力を低下させる食べ物は、加工食品・インスタント食品です。
カップラーメンや冷凍食品は便利ですし、ジャンクフードが無性に食べたくなる時がありますが、加工食品・インスタント麺などに含まれる「リン酸」は、カルシウムの吸収を妨げます。
リンは食品にも普通に含まれる成分ですので、この上、加工食品などから大量に摂取すると過剰摂取になり、カルシウムの吸収に大きな影響がでます。
もともとカルシウムが不足しやすい環境のうえに、食生活まで加工食品に偏っていると、カルシウム不足が加速します。

歯周病菌を増殖する食べ物

歯周病は菌が繁殖することで発症する病気。歯周病菌の増殖を加速させる食べ物は避けた方がよいでしょう。
歯周病菌の温床となるのは、歯垢です。歯垢をつくりやすい食品が、歯周病菌を増殖させる食べ物です。
しっとりねっとりしていて歯に食べかすが残りやすいパンやビスケットなどの炭水化物や、飴など長時間お口の中に入っている食べ物が、歯垢をつくりやすいといえます。

歯周病によくない生活習慣・食習慣について

ダラダラとお菓子や飲物を口にし続けるといった食習慣が、歯周病菌を繁殖させる原因になります。食事やおやつの時間はきちんときめておき、食べ終わったらお口をゆすいだり、歯を磨いたりといったケアをするようにしましょう。
ストレス過剰や睡眠不足、喫煙などの生活習慣の乱れも大敵です。歯周病を予防するためには免疫力を低下させないことが大切です。

食事の後は、口腔内細菌の活動性が高まるので歯磨きを

食事をすると、お口の中の細菌が栄養源を得て活発に動き始めます。歯周病菌が活発化する期間をできるだけ減らすために、食事をしたらなるべく早めに歯磨きをすることをおすすめします。
歯磨きの目的は、歯垢を除去することです。お口の中をさっぱりさわやかにするだけでなく、食べカスや歯垢をしっかりととりのぞくように、丁寧なブラッシングを心がけてください。