最近歯茎が下がってきたかも?5つの原因と予防法・治療法

最近歯茎が下がってきたかも?5つの原因と予防法・治療法

この記事の監修医師一覧

杉田大先生
杉田 大 先生
所属:杉田歯科医院(千葉県船橋市)
専門:保存修復
2013年 東京歯科大学卒業。現在は杉田歯科医院での臨床のほか、株式会社DoctorbookでDental事業部のマネージャーを務める。

鏡や自分が写った写真を見てふと、「歯茎が下がってきたかも」「なんだか歯が大きい?」と思ったら、要注意です。

歯茎が下がるとなんだか老けて見え、人に与える印象も変わってしまいます。

今回は、歯茎下がりの原因をお伝えするとともに、予防法すでに下がってしまったときの治療法までをご紹介します。

歯茎下がりを今より深刻化させないためにも、ぜひお読みください。

歯茎が下がることによる弊害

デメリット

歯茎が下がっても特に気にしないから大丈夫、という人もいると思いますが、歯茎下がりは見た目だけでなく、以下のような弊害があります。

    • 年齢より老けて見える
    • 歯と歯の間に隙間ができ食べ物が挟まりやすくなる
    • 虫歯になりやすくなる
    • 歯茎が減退して歯がぐらつく
    • 知覚過敏になりやすい

歯茎が下がるということは、審美面だけでなく虫歯や知覚過敏、歯を失うなどの弊害に発展することが考えられます。歯茎は歯を支え、歯の根をガードしていますが、歯茎が減退すると隙間ができたり歯の根がむき出しになったりし、細菌も侵食しやすくなるのです。

歯茎が下がる原因とは?

注意

歯茎が下がるのには、様々な原因があります。

1.歯周病によるもの

歯周病とは、歯周辺の組織が炎症して溶けてしまう恐ろしい病気です。歯周病菌は、口内の歯垢を足がかりにして歯周ポケットに侵入します。歯周病菌は空気に弱いため、空気が入りにくい歯周ポケットの中でどんどん増殖して、歯肉だけでなく歯を支える顎の骨まで溶かしてしまうのです。

歯茎が下がるだけでも歯が大きく見えて老けた印象になりますが、顎の骨が溶けて歯を失えば、さらに老けたように見えます。また、歯周病菌は血液を通して全身にも入り込み、内臓疾患などを引き起こす要因にもあります。まさに、全身を老けさせてしまうと言っても過言ではありません。

2.間違った歯磨き

間違った歯磨きとは、主にブラッシングする際に力が強すぎて歯肉を傷つけてしまうことです。1日2回のブラッシングごとに歯肉を傷つけ続ければ、歯茎が毎日少しずつ減退していってしまいます。

3.歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりの癖を持つ人も、歯茎を傷つけ、減退させるので要注意です。歯ぎしりや食いしばりは就寝時に無意識に行っていることも多いので、もし同居人がいればチェックしてもらいましょう。

歯ぎしりや食いしばりの癖を持つ人は、歯の噛み合わせ面のエナメル質が削れて知覚過敏になっている場合も多いです。また、頬の内側にくっきりと線のような跡がある人も、食いしばりの癖がある可能性が高いです。

4.歯のかみ合わせが合っていない

歯の噛み合わせが合っていないと、余計な力が入って歯や歯茎に負担がかかりやすくなります。すると、歯を支える顎の骨にも自然と負担がかかり、歯茎が下がってしまう可能性があります。

5.加齢によるもの

歯ぎしりや食いしばりの癖や、歯の噛み合わせが悪くなくても、歳を重ねると全身の筋肉や骨が衰えるように、歯茎も衰えてきます。また、年齢が高くなるほど歯周病にかかる確率も高くなるため、余計に歯茎が下がりやすくなります。

歯茎下がりを予防する方法

歯茎下がりの予防に重要なのは、日頃から以下のたった2つのことに留意して過ごすことです。

正しいブラッシングをする

正しいブラッシングは、歯の表面だけでなく、歯と歯の隙間歯肉のブラッシングにもなります。また、歯ブラシは硬すぎると歯肉を傷つけやすく、歯と歯の間にも入りづらいので、硬すぎないものを選ぶことが重要です。

正しいブラッシングのコツ
    • 歯ブラシは鉛筆持ちで軽い力で持つ
    • ゴシゴシとやらず、1本ずつ細かくこする
    • 歯の表面は、歯に対して垂直(90°)に当てる
    • 歯と歯茎の間は、境目に対して斜め45°に当てる
    • 口を水でゆすぐのは1回に留める

「鉛筆持ち」とは、人差し指と親指で歯ブラシの柄をつまむようにして持つことです。また、「細かくこする」は、こするというより振動を与えるように、震わす程度に毛先を動かします。

ブラッシングが終わったあとに水で口をゆすぐと思いますが、その際は1回で十分です。何度も水で口をゆすぐと、せっかく歯磨き粉に含まれているフッ素がすべて流れ出てしまうためです。もし口の中に食べカスが残っている感じがする時は、ブラッシングの前に軽く含みうがいをするのがおすすめです。

唾液量を増やす

殺菌

唾液はただの水分と思いがちですが、唾液には様々な働きがあります。

唾液の主な働き
    • 口内の食べカスを流し口内に留まるのを防ぐ
    • 唾液に含まれる抗菌・殺菌物質で細菌を除去する
    • 唾液に含まれる酵素で消化を助ける
    • 体外からの異物の侵入を防ぐ

歯茎が下がる大きな原因の一つに歯周病がありますが、唾液は口内細菌を殺菌する成分によって、歯周病や虫歯から口内を守ってくれています。

しかし、唾液量が減少すると、自浄作用が働かなくなり歯周病や虫歯になりやすくなってしまうのです。唾液量を増やすことは、細菌を増殖させないことにつながるため、歯茎下がりの予防にも繋がります。

唾液を増やす具体的な方法としては、唾液腺のマッサージ、よく噛んで食べる、歯ごたえの良いものを食べる、こまめに水分補給をするなどがあります。

歯周病(歯槽膿漏)に効果があるうがい薬の選び方とおすすめ5選

下がってしまった歯茎への対策

歯茎がすでに下がってしまっても、諦めることはありません。保険外になりますが、歯肉を再生する治療法があります。歯茎を再生すれば、審美面を取り戻せるほか歯周組織を長期的に安定させることが可能です。

1.他の組織から移植する方法

他の組織から移植する方法には2つあります。ひとつは結合組織移植術(CTG)で、もう一つは遊離歯肉移植(FGG)です。結合組織とは歯肉内部の細胞が結合する組織の部分で、遊離歯肉とは歯に近く動く部分のことで、組織を覆っている外側の膜(上皮)を含みます。

CTGとFGGの違いは、結合組織のみ(1層)を移植するか、結合性組織と上皮性組織(2層)を移植するかの違いです。

CTGは上顎から採取した組織を、歯茎が下がった部分に移植して改善する方法で、歯茎の厚みなどを確保できます。虫歯や知覚過敏の予防にもつながり、歯列矯正で下がってしまった歯肉も回復させることが可能です。

一方のFGGは、コラーゲンを多く含む結合組織にプラスして上皮を含んだ角化歯肉も採取して、歯肉が足りない部分に移植します。インプラントの周辺組織を安定することに用いることが多いですが、審美面はCTGより劣ります。

2.GTR法

GTR法は、スウェーデンで開発された歯肉再生法で、人工膜(メンブレン)を歯茎に移植する方法です。メンブレンは血液を吸収して、歯周組織を回復できます。

3.エムドゲイン療法

エムドゲイン療法は、再生したい歯肉部分にゲル状の薬を注入・注入する方法です。ゲル状の薬を注入・塗布することで、歯周組織の再生を促進します。エムドゲイン療法のみで再生させる場合もありますが、自分の骨や血液、膜を採取して再生・回復させる方法と併用する場合が多いです

歯茎下がりは日頃のケアが大切!

歯茎下がりは、強すぎるブラッシング歯ぎしり、歯の噛み合わせの悪さ、歯周病など様々な原因で起こってしまいます。歯茎が下がると審美面だけでなく、虫歯や歯周病などにもかかりやすくなることから、日頃からケアをすることが重要です。

正しいブラッシングを行い唾液量を増やして、歯茎下がりを予防しましょう。