唾液を増やして虫歯予防!唾液が多いと虫歯にならない4つの理由

唾液を増やして虫歯予防!唾液が多いと虫歯にならない4つの理由

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柿木辰美先生
柿木 辰美 先生
専門:一般歯科
2013年 明海大学歯学部卒業。卒後は東京都内の歯科医院に常勤歯科医師として勤務。 現在は複数の歯科医院で非常勤歯科医師として、インプラントや歯内療法を軸に一般歯科診療を日々行なっている。

「唾液が少ない人は虫歯になりやすい」という話を聞いたことはありませんか?唾液は虫歯ととても深い関わりがあります。唾液はただの水分ではなく、とても優秀なお口のガードマンなのです。

今回は、唾液が多いと虫歯にならない理由唾液が少なくなる原因、唾液の増やし方などをご説明します。

INDEX
  1. 唾液量が多いと虫歯になりにくい4つの理由
    1. 理由 再石灰化作用
    2. 理由 pH中和作用
    3. 理由 自浄作用
    4. 理由 殺菌・抗菌作用
  2. 唾液量が少ない人はこんな人!
    1. ストレスが多い
    2. 口呼吸をしている
    3. 水分をあまり摂らない
    4. 薬の副作用で口が乾きやすい
    5. シェーグレン症候群や糖尿病にかかっている
  3. 唾液量を増やす簡単な5つの方法
    1. ガムを噛む
    2. よく噛んで食事する
    3. 適度に水分補給する
    4. 鼻呼吸をする
    5. リラックスする
  4. 虫歯予防だけではない重要な「唾液の働き」
  5. 唾液を増やして虫歯予防をしよう

唾液量が多いと虫歯になりにくい4つの理由

唾液量が多いと虫歯になりにくいのは、唾液の持つ働きに秘密があります。

理由1. 再石灰化作用

虫歯は食べ物に含まれる糖分を分解してを作り、歯の表面を溶かして(脱灰)穴を開けます。唾液に含まれるカルシウムは、溶かされた部分を修復して(再石灰化)元に戻す役割があります。

理由2. pH中和作用

口の中が酸性に傾くと、歯が溶けて虫歯になりやすくなります。食事の後の口の中は酸性に傾いていますが、唾液はややアルカリ性のため、口の中を中和して虫歯になりにくくする働きがあります。

理由3. 自浄作用

唾液の成分のほとんどは水分です。唾液の水分は、食べ物を食べた時に飲み込みやすくしたり、消化を助けたりする働きがあります。口内に残った食べカスの多くも、唾液の水分によって流れます。

理由4. 殺菌・抗菌作用

唾液にはリゾチームやラクトフェリンといった殺菌・抗菌物質が含まれています。これらの物質が虫歯や歯周病の原因菌を殺菌・抗菌してくれるおかげで、私たちの歯は病気から守られています。

唾液量が少ない人はこんな人!

唾液の持つ様々な働きが、日々虫歯などから守ってくれていますが、唾液の分泌量が少ないと唾液の持つ作用を十分に働かせることができません。分泌量が少ないのは、以下のような場合です。

ストレスが多い

ストレスを感じたり緊張状態が続くと、口の中が乾きます。唾液はリラックスしている時はサラサラした性質で量もたくさん分泌されますが、ストレスや緊張状態ではネバネバした唾液になり量も少なくなるからです。

日頃からストレスを感じることが多い人や、会議やプレゼンなどで緊張する場面が多い人は、唾液量が少なく虫歯にもなりやすいです。

口呼吸をしている

近年、何もしていない時に口を開けている人が多いことが問題になっていますが、口を開けている人は口呼吸をしている確率が高く、口で酸素の出し入れをしているため口の中が乾きやすいです。

その他、慢性鼻炎やアレルギー性鼻炎などの鼻の疾患がある人、歯並びが悪く舌が下がっている人なども口呼吸になりやすくなります。

水分をあまり摂らない

トイレが近くなるので水分をあまり摂らないという人がいます。たしかに水分を頻繁に、それも一度にゴクゴクと飲むとトイレに行きたくなってしまいますが、あまり飲まないのも体にはよくありません。

人間の体内の約60〜70%は水分で占められているため、水分が少なくなると体温調節がうまくいかなくなったり老廃物が外に出にくくったりし、むくみや肥満の原因にもなります。体内の水分が少ないと、当然口の中の唾液量も少なくなるので、虫歯にもなりやすくなります。

薬の副作用で口が乾きやすい

病気を治す薬の中には、「口渇」という副作用があるものがあります。高血圧薬睡眠薬、抗不安薬、抗ヒスタミン薬、鎮痛剤、ステロイド剤などです。

あまりにも口の乾きがひどい場合は、医師に相談して薬を変えてもらう必要があります。

シェーグレン症候群や糖尿病にかかっている

シェーグレン症候群とは難病のひとつで、涙腺や唾液腺が慢性的に炎症して涙や唾液が少なくなる病気です。

また、糖尿病も高血糖による脱水症状が起こるため、口が乾きやすくなる特徴があります。

唾液量を増やす簡単な5つの方法

虫歯を予防するには歯磨きなどのケアも大切ですが、唾液にはせっかく虫歯予防に良い働きがたくさんあるので、日頃から唾液量を増やすのが得策です。

1.ガムを噛む

顎の近くには唾液腺があるため、ガムを噛むと唾液腺が刺激されて唾液の量が多くなります。ガムはキシリトール配合のものがおすすめですが、キシリトールは摂りすぎるとお腹がゆるくなるため、1日3〜5粒ほどが目安です。

2.よく噛んで食事する

よく、「白米は50回噛んでから飲み込みなさい」と言いますが、よく噛んで食べることは唾液の量を増やすだけでなく、食べ物を消化しやすくするためにも重要です。

最近ではあまり噛まなくてもすぐに飲み込める柔らかい食べ物や料理が多いですが、食事の際は噛みごたえが楽しめる料理を選ぶのがおすすめです。

また、デザートや間食などもよく噛んで食べるフルーツやおせんべいなどが良いでしょう。

虫歯を予防する食事法|歯に良い5つの食材と食品の見分け方・食べ方

3.適度に水分補給する

水分の大切さは先ほど説明したとおりですが、口の中を潤して唾液を循環させやすくするのもおすすめです。

ただし、一度に大量の水分を摂る必要はなく、一口含む程度を頻繁に飲みます。また、糖分が入った飲料を頻繁に口に含むのはかえって虫歯になりやすくなるため、甘くないお茶や水などが良いでしょう。

4.鼻呼吸をする

口呼吸が癖になっている人は、口呼吸をやめて鼻呼吸にしましょう。口呼吸は口の中が乾くだけでなく、空気中に浮遊する雑菌やウイルスなども一緒に体内に取り込んでしまうため、健康にもよくありません。

また、眠っている間に口呼吸をしていると、睡眠不足になるだけでなく睡眠時無呼吸症候群になる恐れがあります。睡眠時の口呼吸を改善するには市販の鼻呼吸テープを使用したり、鼻の病気を治す、歯並びを治すなどの方法があります。

5.リラックスする

緊張ばかりしていると、ストレスがたまり唾液量が減少します。意識してストレスを発散したり、リラックスしたりすることは、虫歯予防だけでなく心身の健康にもつながります。

緑が多い公園を散歩する、ドライブをする、釣りをする、カラオケで歌うなど、自分なりのストレス発散法を見つけましょう。なかなか時間が取れない人は、夜寝る前に10分間ストレッチをするのもおすすめです。

虫歯予防だけではない重要な「唾液の働き」

これまで唾液の虫歯予防への効果をお伝えしてきましたが、唾液には他にもこんな働きがあります。

    • 老化防止
    • 心的ストレスを緩和する
    • ガンを抑制する
    • 肥満防止になる

唾液腺ホルモンは骨や筋肉を丈夫にする働きがあり、老化防止に役立ちます。また、唾液は脳細胞を活性化させ、精神的なストレスを解消する作用があります。唾液に含まれるペルオキシダーゼは、発ガン性物質の毒性を抑制する働きがあります。さらに、唾液は打肥満防止にも一役買っています。唾液に含まれるアミラーゼ酵素により血糖値が早く高まるため、満腹感が得られるからです。

唾液は虫歯予防だけでなく、体の様々なところで活躍するとても優れたものなのです。

唾液を増やして虫歯予防をしよう

唾液には、虫歯予防のための以下の働きがあります。

    • 再石灰化
    • pH中和作用
    • 自浄作用
    • 殺菌・抗菌作用

唾液が多ければ虫歯にもなりにくいですが、唾液が少ないと上記の機能が十分に働かなくなり、虫歯になりやすくなります。虫歯になりやすい人は、ストレスが多い人、口呼吸をしている人、水分をあまり摂らない人、口が乾きやすい副作用の薬を飲んでいる人、シェーグレン症候群や糖尿病の人などです。

今回ご紹介した唾液を増やす方法は、いずれも今すぐできるものばかりなので、ぜひ試してみてください。今スマホやパソコンを見ている人も、ちょっと伸びをしてリラックスするだけで、自然に唾液を増やすことができますよ。