加齢と口臭は関係あり!60代におすすめの口臭予防対策

加齢と口臭は関係あり!60代におすすめの口臭予防対策

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鈴木志帆美先生
鈴木 志帆美 先生
専門:小児歯科・歯内療法
2015年 神奈川歯科大学卒業

口臭は、心理的に身近な人ほど気になるようです。日本歯科医師会が2016年に行った調査では、男女ともに「配偶者の口臭が気になる」が群を抜いており、男性が約60%、女性がなんと約85%となっています。また、男性は加齢とともに妻の口臭が気にならなくなる人が多いのに対し、女性は加齢に従って、夫の口臭が気になる人が多くなっているというのも特徴的です。

これからの人生も共に暮らす妻や夫に、無自覚に不快な思いをさせているのは、なんとも心苦しいもの。大切な友人にしても然りです。また、孫に口臭が原因で嫌われてしまっては悲しいですよね。

今回は、60代の口臭に焦点を当てます。ひょっとしたら自分も? と思ったら、ぜひお読みください。

加齢による口臭の原因

口臭は大なり小なり、誰にでもあるものです。しかし、加齢によって口臭が強くなる確率は高くなります。どのような原因があるか、具体的に説明していきます。

食事内容の変化

煮魚 さばの味噌煮

若い頃はこってりした肉中心の食生活だったという人も、年を重ねるとあっさりとした煮物や魚などを好む人が多くなります。それは味の好みが変化するということだけでなく、歯や歯ぐきが弱くなるので、自然と柔らかくて食べやすい物を食べるようになるという傾向もあるからです。

口臭は唾液量と大きく関係していて、唾液には口の中を清潔に保つための殺菌・抗菌物質が含まれています。通常は、唾液が口臭を抑制する働きを担っています。

唾液は咀嚼によって刺激されて出るため、歯ごたえがあるものやよく噛まないとならない食べ物は、自然と唾液が多く出ます。しかし、柔らかい食べ物はあまり噛まなくても飲み込めるため、唾液の量も少なくなってしまうのです。

唾液量が少ないと、口内を清潔にする働きも落ち、口臭の原因となる細菌が発生しやすくなります。つまり、柔らかいものばかりを食べるようになると、口臭の細菌が自ずと増えることになるのです。

口の中に人工物が増える

銀歯

人は年を経るごとに筋肉量や血管などの働きが低下していきますが、口内も同じで歯ぐきや歯が衰えていきます。そのため、年齢が高くなるほど歯の治療をする機会が多くなり、口の中に治療による金属などの人工物が増えていきます。

人工物はいつまでも入れた状態のままではなく、経年劣化によって表面に傷や凸凹がつくようになりますが、そういった傷や凸凹は細菌の住処となります。細菌の多くは、通常の歯みがきなどのケアによって取り除かれますが、小さな傷や凸凹に潜む細菌は、取り切ることができません。そのため、細菌が残り、口臭の原因となるのです。

歯周病になりやすい

歯周病は、35歳を過ぎたあたりから増える傾向にあることが分かっています。口臭の原因の多くは歯周病といわれており、50代では2人に1人が歯周病にかかっているという統計もあります。

口臭の原因のほとんどは硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドからなる揮発性硫化物ですが、中でもメチルメルカプタンの臭いはかなり強烈で、歯周病菌の臭いの元となっています。

内蔵の病気が原因

病気

口臭は、口内のトラブルだけではありません。内蔵の病気によっても発せられます。

口臭の原因となる内蔵の病気
    • 胃腸炎・十二指腸潰瘍・胃がんなど:卵が腐ったような臭い
    • 肝硬変・肝臓がんなど:アンモニア臭
    • 鼻炎・副鼻腔炎・扁桃腺など:ドブ臭
    • 糖尿病:甘酸っぱい匂い
    • トリメチルアミン尿症:魚臭

内蔵の病気と口臭については、こちらの記事で詳しく説明していますので、気になる方はぜひ読んでみてください。

加齢と口臭は関係あり!60代におすすめの口臭予防対策

免疫力の低下による菌の増殖

免疫力

60代になると、体のあちこちや内蔵に支障が出やすくなりますが、そのひとつには免疫力の低下が挙げられます。

免疫力は体を健康に保つ重要なもので、体に害を及ぼすものから守ってくれる力です。しかし、筋肉などと同じように、免疫力も加齢によって低下していきます。免疫力の低下は、口内細菌を除去する働きだけでなく、内蔵に潜む菌に対抗する力も弱くなり、病気自体の抵抗力も下がってしまうのです。

身体機能の低下は口臭にも影響するため、健康管理をしっかりと行えば、口臭につながるリスクも低くなると言えます。

60代からの口臭予防対策

健康管理とともに、口臭予防は今日からしっかりと行いたいものです。ここからは、60代におすすめの口臭予防対策をご紹介します。

口腔ケアをする

寝る前の歯磨き

基本はやはり、口腔ケアです。朝晩や食事の後の歯みがきは、忘れずに行いましょう。特に起床時は、口内の唾液が少なくなっていて、口臭が一番きつくなっています。寝る前の歯みがきは丁寧に行い、朝起きてすぐも、歯みがきをするだけで、口臭はかなり改善されます。

歯と歯の間の隙間は歯みがきだけでは不十分なため、口臭の原因となる細菌が繁殖しやすくなります。デンタルフロスや歯間ブラシなどを併用すれば、さらに磨き残しをなくすことができるでしょう。

また、口腔ケアを使うのも方法です。以下のページで紹介している薬用成分が入ったアイテムなら、歯周病をケアしながら口臭を予防・抑制できますよ。

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生活習慣を見直す

食事

健康管理で重要なのは、食事・睡眠・運動です。栄養バランスの取れた食事と質の良い十分な睡眠、無理のない範囲の運動は、筋肉や血管、骨密度などを保つのに必要です。

アルコールやタバコも口臭の一因となります。アルコールは体内の水分を排出する働きがあるため、口の中を乾きやすくします。また、タバコは歯茎の血行を悪くするので歯周病になりやすくなってしまうのです。

また、ストレスも口臭の原因です。ストレス時には唾液量が少なくなり、口内細菌が増えてしまうからです。日頃からストレスはできるだけ溜めないようにし、溜まってしまったストレスは上手に発散しましょう。

上記の様々な生活習慣を見直すことで、口臭はかなり改善されます。

緑黄色野菜を摂る

生野菜

緑黄色野菜には、食物繊維やクロロフィルが含まれています。

腸内環境が悪いとガスが発生し、血流に混じってとなり口臭の原因となりますが、食物繊維腸内環境を整える働きがあります。腸内の菌のバランスが整えば、食物は正常に分解されてガスも発生しなくなります。

また、口内には常在菌が500個以上存在しており、通常はバランスが保たれていますが、口内環境が乱れると、口臭の原因となる悪玉菌が増えてしまうのです。クロロフィルは、口臭を抑制する働きがあるため、緑黄色野菜を摂ることは、口臭を予防することに繋がります。

緑黄色野菜の効果的な摂り方は、生野菜などで食べることです。生野菜は歯ごたえがあるので咀嚼の回数が増えて唾液量を増やす他、老化を遅らせる酵素も含まれています。

生野菜だと摂りにくい場合には、ジュースなどでも良いでしょう。

お茶を飲む

ほとんどのお茶には、フラボノイドと呼ばれる口臭抑制物質が入っています。食事中や食間などにお茶を飲むことで、自然に口臭を抑えることができます。

ただし、カフェインが含まれるものは飲みすぎると利尿作用が働いてしまうため、かえって口内が乾いて口臭の原因になってしまいます。

緑茶やウーロン茶、紅茶は一度に大量に飲まずに少量を頻繁に飲むようにしましょう。

水分補給でおすすめなのは、ほうじ茶や番茶、麦茶などのカフェインが入っていないお茶です。

歯医者さんに相談する

OKサインをつくる歯科医師

生活の中で色々と試してみても、どうしても口臭が改善されない場合には、歯医者さんに相談するのがおすすめです。口臭の原因は1つではないため、専門家に診てもらうのが一番です。

最近では口臭外来を設けている歯医者さんもあるので、口臭に詳しい歯医者さんを探してみるのも良いでしょう。

加齢による口臭のまとめ

加齢と口臭の関係は、以下のようなことが原因です。

    • 食事内容の変化
    • 口の中に人工物が増える
    • 歯周病になりやすい
    • 内蔵の病気
    • 免疫力の低下

口臭を改善するには、生活習慣の見直し緑黄色野菜を積極的に摂るなどがおすすめですが、どうしても改善しない場合には、歯医者さんに相談してみましょう。口臭を気にせずに、健やかに毎日を送りたいものですね。