歯科で行う歯周病予防「PMTC」とは?費用や流れをご紹介します

歯医者さんでは歯周病予防のための専門的なクリーニングを行ってくれますが、具体的にどんなことをしてくれるのだろう、費用はどのくらいだろうと疑問を持つ人も多いと思います。そこで、ここでは歯周病予防のクリーニング「PMTC」について詳しくご説明します。
- 歯医者さんで歯石除去をやってみたいと思っている。
- 歯医者さんで歯のクリーニングをはじめたいので詳細を知りたい。
- 歯科でやってくれるPMTCとはどんなものかと思っている。
- PMTCを受けたいけれどどのくらいの費用がかかるのか心配。
- PMTCは保険が適用されるのかどうかと思っている。
- 1回のPMTCにかかる時間はどのくらいなのか知りたい。
歯周病予防「PMTC」とは

PMTCとはProfessionalMechanical Tooth Cleaningの略で、プロの専門機器による歯の清掃という意味です。主に、歯医者さんに常駐する歯科衛生士が行います。PMTCはセルフケアでは落としきれない歯の表面の歯石除去や、歯ブラシが届きにくい部分の清掃を行ってくれるものです。ただし、詳細内容は各歯科医院によって異なります。
PMTCの流れ
ここでは具体的な流れについて説明していきます。
1.診察と染め出し

まずは歯垢が付着している部分を確認するために、専用の液体薬剤を歯に塗布します。液体は歯垢が付着している部分のみに残るので、この染め出しを行うと一目瞭然になります。
これ、染め出しって言うんですね。

はい。まずは磨き残しをあぶり出してその人のケアの癖を見ます。
2.口腔衛生指導

磨き残しをしやすい部分は人によって様々です。その人の磨き残ししやすい部分について、どのように歯を磨けばいいか指導を行ってくれます。歯科衛生士は食育なども視野に入れた歯科保健指導のプロであるため、歯磨き方法だけでなく食べ方や噛み方の指導をしてくれる場合もあります。
噛み方の癖を指導してもらえるのはありがたいですね。

そうですね。歯並びの改善にもなります。
3.歯石除去

スケーラーという器具を使って歯の表面にこびりついている歯石やバイオフィルムの除去を行います。スケーラーには手動で行う手用スケーラー、超音波スケーラー、空気圧を利用するエアスケーラーやロトソニックスケーラーなどの種類があります。
スケーラーでもいろんな種類があるんですね。

昔は手動のみでしたが今はいろいろありますね。どれを扱うかは歯医者さんによって異なります。
4.歯面清掃

歯面清掃は、いろいろな角度から歯の表面を清掃するものです。用いる機材も研磨剤、ブラシ、フロス、カップ、チップなど様々です。毎日の歯磨きでは落としきれない汚れを徹底的に除去してくれるので、歯周病の予防にとても効果的です。歯科医院によっては舌のクリーニングを行ってくれるところもあります。
へぇ〜、舌まで!

一度専門家に掃除してもらうと力加減が分かりますよ。
5.歯ぐきマッサージ

歯ぐきを、手袋をつけた手指で、専用ジェルなどを用いてマッサージをしてくれます。血行を促進して炎症を沈め、歯ぐきを引き締める効果があります。歯ぐきマッサージはとても気持ちよく、ウトウトしてしまう人もいるほどリラクゼーション効果が高いものです。
※歯ぐきのマッサージは取り入れていない歯科もあります。
気持ちよさそうだなぁ。やってみたいなぁ。

事前にその歯医者さんでやっているかどうか確認するといいですよね。
6.仕上げのフッ素コーティング

お口の中がきれいになったら、仕上げに歯の表面にフッ素コーティングを施します。フッ素を歯にコーティングすると、虫歯や歯周病の原因菌から守り、歯の表面にできた細かい傷などを修復する効果があります。
フッ素コーティングだけでもしてもらえるんですか?

はい。それだけを希望する方も多いです。
PMTCは保険が適用される?
歯を掃除するフルコースのようなPMTCですが、費用は保険が適用される場合とされない場合があります。
保険適用される場合

歯医者さんで行う施術は「治療」と「審美目的」があり、保険が適用されるのは「治療」です。PTMCの場合も歯周病治療の一環として行われる場合には保険が適用されます。
ただし、フッ素塗布などはトリートメントに分類されるため行われません。あくまでも最低限の掃除のみになるため、自費でクリーニングを希望する人もいます。
なるほど、徹底的にきれいにしたい場合は自費ということですね。

そうですね。どうせやるならきれいにしたいという人は多いです。
1回の自己負担額は1000円〜3000円程度ですが、治療という立場から複数回“通院”することが定められているので、合計金額が大きくなる場合もあります。
保険適用されない場合

歯周病ではない健康な人が保険を使ってPMTCの施術を受けることはできません。自費の場合はフッ素塗布や沈着した色素の除去など、受けられる範囲が広がります。ただし、取り扱う器具や薬剤などは歯科医院ごとの方針によるので、項目や費用設定は違います。
- 歯石や歯垢の除去
- 歯周病予防
- 虫歯予防
- 血行促進
- 歯や歯ぐきのホワイトニング
- 口臭予防
費用相場は3000円〜5000円程度ですが、歯科医院によっては1万円を超えるところもあります。
なるほど、保険適用の場合は1回ずつが安いけど複数回通う。自費の場合は少し高くても1回で終わるんですね。

その通りです。終わってみると結果的に保険適用よりも自費のほうが安かったということもあります。
う〜む、これは最初によく相談したほうが良さそうですね。
PMTCにかかる時間

PMTCにかかる時間は、一般的に1回30分から1時間程度です。全ての歯を多目的にきれいにするので時間がかかります。歯科医院によって設定されているコースやプランが異なるので、施術内容やかかる時間、料金が変わってきます。
自由診療だと1回で全部やってちゃうから時間がかかるんですね。

その通りです。気になるようならいくつかの歯科医院を調べるのがおすすめです。
PMTCを行う頻度

保険適用の場合は治療経過を見ながら行うので、複数回に分けて施術することになります。週に1回の通院でも、通算すると半年以上かかることもあります。
自費の場合は1回ですべての歯をきれいにするので回数や頻度の規定はありません。ただし、1回で落としきれない場合は数回に分けて行うこともあります。しかし、それも本人の希望に委ねられるため、本人が納得すれば1回でも完了できます。定期的に通っている人は、半年に1回というペースが多いようです。
定期的に通うとちょくちょくセルフケアの指導もしてもらえるなぁ。

定期的に通う人はセルフケアもしっかりやっている人が多いですね。
やっぱり!
歯医者さんのPMTCで歯周病をしっかり予防!
歯医者さんで行うPMTCは、歯周病を予防できるだけでなく歯磨き方法の矯正やマッサージなどお口に良いことがたくさんあります。この記事を読んで気になった人は、ぜひ一度施術を受けてみてはいかがでしょうか。
- PMTCはプロの専門機器による歯の清掃
- 歯科医院によっては歯ぐきマッサージも行っている
- 施術は大まかに染め出し、清掃、フッ素塗布という流れ
- 保険適用の場合は治療の一環とみなされる
- 自費の場合はトリートメントやホワイトニングもできる
- 保険適用の場合は複数回通う必要があるが1回の費用は安い
- 自費の場合は1回でも終了できるが費用は高めの設定