歯周病菌が認知症の原因物質を10倍に!?歯周病と認知症の危険な関係

歯周病菌が認知症の原因物質を10倍に!?歯周病と認知症の危険な関係
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歯の感染症「歯周病」。放っておくと、認知症の発症リスクが高くなることをご存知でしょうか?

歯と認知症の関係についての研究は、各機関でさかんに行われていますが、近年、認知症の発症に歯周病が深いかかわりがあるという論文が発表されました。

「歯周病になると、認知症になりやすい」ということは、つまり「歯周病を予防すると、認知症の予防にもつながる」ということ。

そこで今回は、歯周病に詳しい歯科医に、「歯周病と認知症の怖い関係」について、そして「歯周病を予防するための正しい歯のケア法」についてお話しを聞きました。

この記事がおすすめな人
    • 将来、認知症になりたくないと思っている方。
    • 歯周病だと認知症になるリスクが高いと聞いたが本当?
    • 歯周病が認知症につながる原因や理由を知りたい。
    • 歯周病の予防は認知症の予防にもつながる?
    • 歯周病の正しい予防法について、歯科医に聞きたい方。
INDEX
  1. 歯周病を放置すると認知症が進行する?
  2. アルツハイマー型認知症と歯周病の怖ろしい関係
    1. 歯周病菌が原因物質アミロイドβ(ベータ)を10倍に
  3. 認知症を防ぐために歯周病の予防を!
    1. 予防ケアの基本は、毎日の歯磨き
    2. 1日1回以上、歯間ケアアイテムを使用
    3. 歯垢がたまりやすい場所を意識して磨く
    4. 睡眠前の歯磨きを大事にする
  4. 食生活、生活習慣の見直しを!
  5. 歯科での定期メンテナンスで認知症を予防!

歯周病を放置すると認知症が進行する?

パンダ

「歯周病が悪化すると、認知症になりやすい」というネットニュースを見たのですが、本当ですか?

牧田先生

そうですね。ここ数十年で、歯周病と認知症の関係について、さまざまな研究が進んでいますよ。

パンダ

うーん、そうなんですねー。でも、歯周病って歯の病気でしょう?どうして認知症と関係あるんですかね?

牧田先生

近頃では認知症の患者さんの脳から歯周病菌が検出されたことから、「認知症の治療法の確立につながるのでは?」と注目が集まっていますね。

パンダ

脳から歯周病菌!?えーっ、どういうことなんでしょう?

牧田先生

では、歯周病と認知症の関係について、現状で明らかになっていることを解説しましょう。

「歯を失って、義歯を使わなければ、認知症のリスクが1.9倍になる」。

2012年、厚生労働省の研究班が65歳以上の健康な高齢者4425名を4年間にわたった追跡調査を行い、明らかになったデータです。

歯がほとんどなく、入れ歯・ブリッジ・インプラントなどの義歯を使用して噛む機能を補っていなければ、認知症の発症リスクが跳ね上がるのですが、逆に義歯を使えば認知症の発症リスクを4倍抑制できることもわかってきました。

それから10年近く、各所で歯と認知症の関係について、さまざまな研究が行われてきましたが、そのなかで九州大学の研究チームの研究で、歯周病菌が認知症の発生リスクを高めることが報告されました。

アルツハイマー型認知症と歯周病の怖ろしい関係

牧田先生

認知症には色々なタイプがあるのですが、そのうちのほぼ半数が「アルツハイマー型認知症」です。聞いたことがあるのでは?

パンダ

あー、はい。アルツハイマーって聞いたことがありますね。

牧田先生

アルツハイマー型認知症には、歯周病が関係している可能性があるという論文が発表されています。

パンダ

歯周病が?どうしてですか?

歯周病菌が原因物質アミロイドβ(ベータ)を10倍に

牧田先生

まず、アルツハイマー型認知症を引き起こす原因物質は、タンパク質の一種である「アミロイドβ」なのですが…

パンダ

認知症の原因が、アミロイドβというタンパク質なんですねー?

牧田先生

はい。その認知症の原因物質アミロイドβですが、歯周病菌によって歯肉で10倍にも増加することがわかりました。

パンダ

えーっ?10倍にも…!?

牧田先生

その原因物質が血管に入り込み、やがて脳内へ蓄積されて記憶障害を引き起こし、認知症を発症させると考えられます。

パンダ

うーん、なんとしても歯周病を予防しなければいけませんねー!

歯の噛む機能を失うと、脳への刺激が低下され、記憶障害につながります。そこから認知症を発症する原因になることが、さまざまな研究で明らかになってきています。

さらに、歯を失う原因のひとつ「歯周病」が、アルツハイマー型認知症の発症を促進する原因になっていることも、各所の研究の結果、解ってきました。

認知症になってしまう未来を回避するためには、歯周病を予防し、たとえ義歯を使ってでも歯の噛む機能を維持していく必要があるのです。

認知症を防ぐために歯周病の予防を!

パンダ

認知症になりたくないなら、まずは、歯周病にならないように注意しなければいけませんねー。

牧田先生

その通りです。歯の噛む機能と、歯周病にならない健康な口内環境を維持しましょう。

パンダ

うーん、そのためにはどうすればいいですかねー?あんまり歯の健康に自信がある方じゃないので不安ですー。

牧田先生

予防ケアの基本は、毎日の歯磨きですよ。歯磨きをしっかり続けていくことが大切です。

パンダ

うーん、歯磨きかぁ…。毎日磨いているけれど、不思議なことに虫歯ができたりするんですよね…。

牧田先生

もしかすると、磨き残しがあるかもしれませんね。では、歯磨きの基本をおさらいしてみましょう。

予防ケアの基本は、毎日の歯磨き

歯周病予防の基本は、歯磨きを毎日しっかり続けることです。

晩ご飯を食べたあと、疲れてしまい、うっかりそのまま寝てしまっていませんか?

「ちゃんと磨いているつもりなのに、虫歯ができてしまう」とお悩みの方は、そんな歯磨き不足が積み重なって、口内環境を悪化させている恐れがあります。

1日1回以上、歯間ケアアイテムを使用

歯磨きの道具は何を使っていますか?

もし、歯ブラシ1本だけでなら、歯磨き不足の可能性があります。毎日1回以上は、デンタルフロスや歯間ブラシなど、歯間清掃具をプラスした丁寧な歯磨きを行いましょう。

歯垢がたまりやすい場所を意識して磨く

歯周病や虫歯のの原因となる細菌は、歯についた歯垢を温床にして繁殖します。

歯垢は、いわば細菌のかたまり。歯垢をしっかり取り除かなければ、歯周病の予防はできません。

歯垢が溜まりやすい場所を意識して、ただ歯ブラシを動かすだけでなく、「歯垢を取り除く」という目的を持って磨きましょう。

「歯垢が溜まりやすい場所」を意識して磨こう!
    • 歯と歯の隙間
    • 歯と歯茎の境い目
    • 奥歯の噛む面
    • 治療した歯の、被せ物や詰め物との境い目
    • 歯並びがデコボコしたところや、矯正器具との隙間

睡眠前の歯磨きを大事にする

歯周病菌や虫歯菌がもっとも活発になるのは、就寝中です。寝ている間は口内が乾燥し、唾液の殺菌作用が弱まるため、口内環境が悪化しやすいのです。

毎食後の歯磨きも大事ですが、1日でもっとも重要なのは就寝前の歯磨きです。念入りに磨き、お口の中をさっぱりさせてから寝るようにしましょう。

食生活、生活習慣の見直しを!

栄養不足、睡眠不足など、不健康な生活は免疫力を落とし、感染症のリスクを高めます。

歯周病や虫歯も感染症の一種。毎日の食事や生活習慣を見直し、健康的な暮らしを心がけましょう。

歯科での定期メンテナンスで認知症を予防!

パンダ

歯磨きにもコツがあるんですねー。さっそくデンタルフロスを買いますー。

牧田先生

歯磨きグッズは歯科の窓口でも取り扱っていますので、お声掛けくださいね。

パンダ

はい!

牧田先生

それから、歯磨きだけでは全ての汚れを落としきれませんので、定期的な歯科検診も利用しましょう。プロのクリーニングで、歯ブラシが届かない部分にたまった汚れをキレイに落とせます。歯垢がつきにくくなるので、継続することで歯周病リスクがグッと下がります。

パンダ

プロのクリーニングですかー。効果ありそう!時々歯医者さんに歯を診てもらえると安心ですね。認知症になりたくないから、さっそく行こうと思います!

記事の重要ポイントをチェック!
    • 歯周病を放置していると、認知症の発症リスクが高まる。
    • 歯周病菌がアルツハイマー型認知症の原因物質を増やす。
    • 歯周病の予防が、アルツハイマー型認知症の予防になる。
    • 正しい歯磨きのやり方をマスターして歯周病を予防しよう。
    • 歯科で定期的にクリーニングを受けて口内環境を健やかに。