歯周病は薬で治る?短期間で歯茎の炎症が消える「歯周内科治療」とは

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歯周病は、薬で治せるのでしょうか?

ドラックストアや薬局で、「歯周病に効く!」という見出しがついて販売されている歯磨き粉やペーストを見かけます。そのような市販の薬はともかくとして、歯科で処方される薬ならどうでしょう?

結論からいいますと、薬だけで歯周病を治すことはできません。

ただし、薬を使った歯周病内科治療はありますし、有効です。そう聞くと、ますます疑問が出てくるかもしれませんね。

今回は、薬を使った歯周病の治療法について解説します。

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    • 歯茎から血が出る、しみる。歯周病かもしれない。
    • 歯医者が苦手だから、薬で歯周病を治したい。
    • 歯周病を薬でサクッと治す方法があれば知りたい。
    • 歯周内科治療では、薬を飲んで歯周病を治すって本当?
    • 薬で治す歯周内科治療なら、治療期間が短いって本当?
INDEX
  1. 歯周病は「薬だけ」では治らない!
  2. 飲み薬を併用した歯周内科治療とは?
  3. 薬で治す歯周内科治療のメリット
    1. 外科手術を行わない
    2. 治療の痛みがない
    3. 短期間で治療が終わる
  4. 薬で治す歯周内科治療の流れ
    1. 検査、顕微鏡で細菌のチェック
    2. 細菌を除去する内服薬を飲む
    3. 歯周病の基本治療を行う
      1. 歯石除去(SRP)
      2. PMTC
      3. 定期検診、歯磨き指導
  5. 歯周内科治療は飲み薬を併用する治療法

歯周病は「薬だけ」では治らない!

冷たいものがしみたり、歯茎から血がでたり、「歯周病」にかかるとやっかいです。

歯磨きしなければいけないのに、それさえもままなりません。

だからといって放置していると、どんどん進行し、最終的に歯が抜け落ちてしまうことも。さらに、歯周病菌が歯茎の炎症から血管に入り込み、全身を巡ると、命にかかわる重篤な病気を発症する危険もあるのです。

パンダ

歯周病に効く薬ってないのかなぁ…?先生、歯周病って飲み薬なんかでサクッと治せないもんですかね?

柿木先生

残念ながら、歯周病は薬だけで治すのは無理ですね。

パンダ

うーん、どうしてですか?

柿木先生

歯周病の原因になる、歯石を取り除けないからです。歯石が残っている限り、歯周病の原因になる細菌が繁殖しますので、そのまま進行し続けます。

パンダ

ううーん、歯石ですかー。あれはガチガチに硬いから、歯医者で歯石とりをしてもらわないと取れないですよね。

柿木先生

そうなんです。ただし、歯科でプロフェッショナルケアを受けて歯石を除去しつつ薬で治療していく「歯周病内科治療」という方法がありますよ。

パンダ

えっ、そうなんですか?詳しく知りたいですね。

飲み薬を併用した歯周内科治療とは?

進行した歯周病は、歯磨きや飲み薬だけで治すことはできません。

歯周内科治療というのは、口内で感染を起こしている細菌などの種類を特定し、それらを除菌できる内服薬を飲んで治していく治療法です。

歯科での歯石とり、歯磨きなどの基本歯周治療と併用して行うことで、改善が期待できます。

柿木先生

進行してしまった歯周病の治療は、歯茎を切開して歯石を取り出して薬剤を投与する外科的治療が欠かせませんでした。21世紀に入り、歯科医療の進歩により歯周内科治療が可能になりました。

パンダ

ほーう、手術をしなければいけないのは負担が大きいから、薬を使った治療ができるようになってよかったですねー。

薬で治す歯周内科治療のメリット

進行した歯周病でも薬で治療できる歯周病内科治療。その治療法のメリットをチェックしてみましょう。

外科手術を行わない

かつては歯茎を切開する外科手術を行い、歯と歯茎の境い目である歯周ポケットの奥底に蓄積した歯石を取り除く治療が必要でした。

歯周病が進行すると、歯肉などの歯の周辺組織が溶かされているので、再生を促進するための薬剤を投与し、再び傷口を閉じるといった手術を行わなければなりませんでした。

柿木先生

ところが歯科医療の進歩により、外科手術なしでも進行した歯周病の治療が可能になったのです。

パンダ

手術の負担がないのは、大きなメリットですね。

治療の痛みがない

 風邪薬とほぼ変わらない薬を飲むだけ。手術をしたり、歯茎を切開したりという処置がないので、治療の痛みはありません。

除菌を行うため薬剤を浸透させてから歯石除去を行うため、これまでのように歯石とりがしみる、といった問題も起こりにくいことがわかっています。

短期間で治療が終わる

手術を伴う外科歯周治療でしたら、治療跡が治るまで時間がかかりました。

すべての治療に2~3年ほとかかるのが通常だったのですが、内科的治療では数カ月で改善が見られます。

もちろん症状によって個人差がありますし、前歯のように歯肉の破壊が早く進行する部分では、失われた部分をカバーする審美治療を併用するケースもあります。

薬で治す歯周内科治療の流れ

パンダ

ほーう、薬で治せるようになって、治療期間が短くなったんですね。

柿木先生

そうですね。かつてのクリーニングや歯磨きの強化で経過観察する方法や、外科手術を伴う治療法でしたら、傷口の治癒にも時間がかかりましたので、どうしても2~3年は必要でした。

パンダ

それはすごい。そうなると、治療の流れが気になりますね。

柿木先生

では、歯周内科治療の進め方をお伝えします。

検査、顕微鏡で細菌のチェック

まずは、検査を行います。

口内や歯茎の状態を診察し、次に口内で感染を起こしている細菌などの種類を特定します。

高倍率の「位相差顕微鏡」という、光の効果で微生物を生きたまま観察することができる機器を使い、細菌・真菌・原虫の種類を見極めることで、除菌に効果的な薬剤を選定します。

細菌を除去する内服薬を飲む

感染源となっている細菌の除菌に効く薬を服用します。

この薬で、歯周病の進行のみならず、歯茎の炎症などから血管へ歯周病の原因菌が侵入して全身を巡る「歯原性菌血症」を予防します。

同時に、歯磨きの指導を受け、毎日行うことで口内の真菌(カビ)を減少させます。

歯周病の基本治療を行う

歯の表面についたネバネバした歯垢や、歯と歯茎の境い目に蓄積したカチカチの歯石を取り除きます。

これまではプロの手技をもってしても、歯茎の底のほうに溜まった歯石には手が届きませんでした。

ところが、口内の歯周病菌に作用する薬剤が登場したことによって、お口の隅々まで薬が浸透し、歯茎を切開しなくてもガンコな歯石を除去できるようになりました。

歯石除去(SRP)

スケーラーという先がとがった器具を使って歯石を除去します。

軽度~中程度の歯周病であれば、定期的な歯石除去と歯磨きの徹底で治療できます。

PMTC

PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)は、歯科で行われる専門家による歯のクリーニングのことです。

毎日の歯磨きでは落とせない歯石、磨き残した歯垢を専用の機器を使って取り除きます。

フッ素入りの研磨剤を使って磨き上げるので、仕上がりはツルツル。歯垢がつきにくい状態になるので、予防にもおすすめです。

定期検診、歯磨き指導

上でお伝えしてきた歯科でのお手入れを、口内の状態によって1カ月ごと~3カ月ごと、状態がよくなると半年に一度くらいの頻度で定期的に行います。

口内の状態、磨き残しやすい場所を知って、効果的な歯磨きの方法について指導を受けます。

歯周内科治療は飲み薬を併用する治療法

パンダ

なるほど。歯周病は薬だけでは治らないけど、を使った治療法はあると……そういうことですね?

柿木先生

その通りです。薬で、口内に感染した歯周病菌をすべて除菌することによって、炎症がなくなる、歯茎が健康なピンク色になる、口臭が改善するなどの効果に期待できます。

パンダ

それは快適でしょうね。早く治療が終わるのも嬉しいですね。

柿木先生

そうですね。これまでの歯周病治療では、細菌をすべて取り切ることが難しいことから経過観察しながら改善を図っていく必要がありましたから長期間かかりましたからね。

パンダ

歯周病内科治療、ぜひやってみたいですね。

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記事の重要ポイントをチェック!
    • 歯周病は、薬だけで治すことはできない。
    • 薬を併用して治す歯周病内科治療なら効果が期待できる。
    • 薬を使う歯周病内科治療は、治療期間が短期間である。
    • 歯周病内科治療が成功すると、歯周病菌を全て除菌できる。
    • 歯周病内科治療が成功すると、健康リスクが大幅に軽減。。