ガムを嚙むだけで歯周病を予防できるって本当?効果的な噛み方を紹介

ガムを嚙むだけで歯周病を予防できるって本当?効果的な噛み方を紹介

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柿木辰美先生
柿木 辰美 先生
専門:一般歯科
2013年 明海大学歯学部卒業。卒後は東京都内の歯科医院に常勤歯科医師として勤務。 現在は複数の歯科医院で非常勤歯科医師として、インプラントや歯内療法を軸に一般歯科診療を日々行なっている。

TVCMなどの影響もあって、ガムの中でも、特にキシリトールが配合されたガムが歯に良い効果がありそうなイメージは、広く知られていますね。ガムを嚙むだけで歯周病が予防できるなら、とてもお手軽です。

「本当にガムで歯周病が予防できるの?」という疑問をもっている人もいるかもしれませんが、正しく噛めば、予防効果は期待できます
今回は、ガムで歯周病を予防できる理由と効果的な噛み方について紹介します。

INDEX
  1. 歯周病予防にガムが効果的な理由
    1. 唾液パワーがアップ!
    2. 歯ぐきの血行がよくなる
    3. 殺菌作用が高まる
  2. 歯周病予防に効果的なガムの選び方
    1. キシリトールの正体って何?
    2. キシリトールって安全なの?
    3. キシリトールが予防効果を高める理由
    4. キシリトール50%以上のガムを選ぼう
    5. 歯科医院専売のガムならキシリトール100%
  3. いつガムを噛む?歯周病予防に適したタイミングや量は?
    1. 食後30分以内に噛もう
    2. 歯磨きの前にガムを噛もう
    3. 1回1粒~4粒の摂取がおすすめ
    4. キシリトールガムの食べ過ぎに注意
  4. もちろん基本は毎日のデンタルケア

歯周病予防にガムが効果的な理由

歯周病の予防は、プラーク(歯垢)のコントロールが基本です。歯周病の原因となる菌は、プラークが温床となって増殖するため、お口の中のプラークを除去するケアを行う必要があります。

ガムを嚙む行為は、プラークコントロールに役立つたくさんの効果が得られるのです。詳しく見ていきましょう。

唾液パワーがアップ!

ガムを嚙むと唾液腺が刺激され、質の良い唾液がたっぷりと分泌されます。お口の環境を良好に保つためには、唾液のパワーが欠かせません。
唾液が減ると、むし歯や歯周病リスクが高まります。お口が乾燥すると菌が活発に働きやすい環境になってしまうため、お口の中を清潔に保つためには唾液をたくさん出すことが大切です。

口呼吸がクセになっている人にとっても、ガムを嚙んでいると口呼吸を抑制することができますので、お口の乾燥防止になります。

歯ぐきの血行がよくなる

ガムを嚙むと、歯ぐきが運動している状態になって歯ぐきの血行がよくなり、血流が改善されます。
身体が温まると免疫細胞が活発化しますので、歯周病菌の感染・発症の予防につながります。

殺菌作用が高まる

唾液の99.5%は水分ですが、残りの0.5%に含まれる酵素や電解質が重要です。
唾液には細菌に感染・発症するのを防ぐ殺菌・抗菌作用があり、不要なものを洗い流す洗浄作用も発揮します。菌が歯を溶かすために作りだした酸を中和するためにも役立ちます。お口の中を清潔に保つためには、唾液パワーが欠かせないのです。

歯周病予防に効果的なガムの選び方

ガムが歯周病予防に良いことが解ったら、さっそく毎日の習慣に採り入れたいところです。
そうなると今度は「どんなガムでもいいの?」という疑問が出てくると思います。お察しの通り、ガムを使って歯周病を予防したい場合は、ガムの選び方も重要ポイントになります。
おすすめは、キシリトールが配合された、シュガーレスのガムです。

キシリトールの正体って何?

キシリトールは耳にすることが多い成分ですが、いったい何のことでしょうか?
キシリトールの正体は、白樺や樫の木などに含まれる天然成分を原料とした作られた自然由来の甘味料。最初は椛の木から発見された成分で、いちご、ラズベリー、なす、ほうれんそう、カリフラワー、レタスといったおなじみの野菜やくだものにも含まれています。とはいえ、植物中に存在するキシリトールは微量ですので、食材から予防効果をもたらすほどのキシリトール量を摂取するのは困難といえるでしょう。

キシリトールって安全なの?

キシリトールは、多くの世界的な公的機関で、その安全性の高さを認められています。
FAO(世界食料農業機関)・WHO(世界保健機関)・合同食品添加物専門家委員会(JECFA)などによって安全な食品添加物と承認されており、世界各国で歯への予防効果がある成分として使用を推奨されています。

キシリトールが予防効果を高める理由

歯は、糖をエサとする菌が作る酸によって溶かされます。キシリトールがお口の中に入ってくると、菌が糖と勘違いして採り入れるのですが、キシリトールは菌の養分にはならないので増殖することができずに死滅します。それを繰り返すことにより、菌がどんどん減少していきます。
キシリトールは、菌に歯を溶かす酸を作らせない優れた甘味料なのです。

また、歯は3度の食事のたびに表面のエナメル質の成分が溶け出す仕組み。同時に、お口の中の唾液に含まれるミネラルと結合し、「再石灰化」と呼ばれる修復を繰り返します。
その際にも、キシリトールが活躍します。キシリトールには、歯の再石灰化を促進する作用があるため、唾液中のリン酸やカルシウムと結合して歯を強化します。
つまり3度の食事のたびにキシリトールを摂れば、その都度、歯の強化を図れるというわけです。キシリトールガムを摂取する習慣をつければ、日常的に予防効果を期待できるのです。

キシリトール50%以上のガムを選ぼう

キシリトールが配合されたガムは、たくさん市販されていますが、選び方が重要です。
含有甘味料のうち50%以上がキシリトールであることがポイント。これよりも含有量が低い場合、予防効果を期待するのは難しいといえます。
一般のショップで購入できるキシリトールガムは、それほど含有率が高くないことが多いので、成分表を注意してチェックするようにしましょう。
市販のガムの中でも特定健康用食品表示があるものは、キシリトール50%以上であることが多いといえます。特定健康用食品表示は、むし歯予防を目的としていますが、むし歯の予防も歯周病の予防も、基本はプラークコントロールを目的としていますので問題ありません。

歯科医院専売のガムならキシリトール100%

市販されているガムにもキシリトールが甘味料の50%以上を占めるものはありますが、歯科医院専売のキシリトールガムならキシリトール100%。品質的にも安心です。
購入を希望される方は、かかりつけの歯科医院の窓口でたずねてみましょう。
中には、インターネットの通信販売でも購入できるものもあります。

いつガムを噛む?歯周病予防に適したタイミングや量は?

キシリトール配合のガムを、いつ、どれくらい噛めば効果的といえるのでしょう?ガムの適切な噛み方をお伝えします。

食後30分以内に噛もう

ガムを嚙むタイミングは、食事が終わったら、できるだけ早い方がよいでしょう。少なくても食後30分以内には噛むようにしましょう。なるべく食後に時間を空けないで早く噛みましょう。

ガムを嚙むと唾液が出ますが、すぐに飲み込まず、口の中にためておくようにしてください。そうすることにより唾液中のキシリトールがお口全体に行き渡り、予防作用が高まります。

また、ガムの味がなくなってもすぐに捨ててしまわないで、噛み続けることがポイントです。味のないガムを嚙み続けることで、唾液を増やす効果が高まります。約20分は噛み続けることを目標にしましょう。

歯磨きの前にガムを噛もう

歯を磨く前にガムを噛むのもおすすめです。プラークが歯の表面からはがれやすくなりますので、歯ブラシでブラッシングすると、スムーズにプラークを取り除けます。
目的はあくまでプラークの除去です。ガムを嚙んだだけではプラークはなくなりません
ガムを嚙んでお口がすっきりしたと感じても、必ず歯磨きを行うようにしてください。

1回1粒~4粒の摂取がおすすめ

キシリトールは、1日5g摂ることで予防効果が期待できます。
市販されているガムは、キシリトールが甘味料の50%配合されていますので、1回2粒を1日7回、つまり1日14粒が推奨されています。
1回約5分以上は噛むようにしてください。
歯科専売のキシリトール100%配合のガムの場合は、1日4粒で、予防に十分な量を摂取できます。

1回の摂取量(目安)1日の摂取量
市販のキシリトールガム(配合率50%)1回2~4粒粒1日14粒
歯科専売のキシリトールガム(配合率100%)1回1~2粒1日4粒

キシリトールガムの食べ過ぎに注意

キシリトールは、大量に量摂取すると下痢になりやすいので注意が必要です。決められた適量を摂取するようにしてください。
歯周病は、ストレスや過労も悪化の原因になります。ガムを嚙むことでリラックス効果も得られますので、何事も過剰にやりすぎないこと。ストレスを溜めないように心がけてください。

もちろん基本は毎日のデンタルケア

歯周病の予防のために、最も大切なのは毎日の歯磨きです。ガムが予防効果を得られるからといっても、あくまで補助的な役割です。
ガムを嚙むだけではお口の中の汚れや細菌を落とすことができないので、ガムを嚙んでプラークを除去しやすいお口の環境を整え、毎日の丁寧な歯磨きでお口の衛生状態を維持しましょう。