開咬とは?前歯でものが噛み切れない歯並びの原因と治療法について

開咬とは?前歯でものが噛み切れない歯並びの原因と治療法について
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「前歯で麺類が噛み切れない」
「口を閉じていても空気が漏れる」
こんなお悩みをお持ちではありませんか?
奥歯が噛み合っているのに上下の前歯がくっつかないと、生活上で色々な不具合が出てきますね。開咬をそのまま放置しておくと、顔が歪んだり、体全体の骨格が歪んで肩こりや腰痛にも悩まされたりすることになります。

そこで、ここでは開咬の原因や治療法について、詳しく説明していきます。開咬はどうやって治せるのか悩んでいる人は、ぜひ最後までお読みくださいね。

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    • 奥歯を噛んだ時に前歯がくっつかない。これって開咬?
    • 大人になってから開咬になることってあるの?
    • 開咬の原因はやっぱり指しゃぶり?
    • 開咬はきれいに治せる?
    • 開咬の治療には奥歯の抜歯が必要?
INDEX
  1. 開咬とは
    1. 1-開咬の原因
    2. 1-複合的な開咬の症状
    3. 子どもの開咬の治療法
    4. 2- MTFとは
    5. 2- タングクリブとは
    6. 2- 歯列矯正の種類
  2. 大人の開咬の治療法
    1. 3- 歯列矯正
    2. 3- MTFで口腔筋機能をトレーニング
    3. 3- 骨格が原因の場合は外科的矯正手術が必要
  3. 開咬の治療費用や期間の目安
  4. 開咬を放置すると起こる6つのリスク
  5. 開咬の知識のある歯医者で改善しよう!

1.開咬とは

開咬とは上下の歯が離れていて、噛み合わせられない状態の咬み合わせのことです。奥歯以外の歯が離れているタイプ、前歯だけ離れているタイプ、側面の歯だけが離れているタイプなどがあります。

1-1.開咬の原因

開咬の原因は様々な要因が重なっていることが多く、実は治療が難しい歯並びです。

    • 幼い頃の指しゃぶり
    • 舌癖によるもの
    • 口呼吸によるもの
    • 舌小帯(舌の裏にある紐状の粘膜)が短い
    • 骨格によるもの
    • 成長過程の顎骨の変化によるもの
柿木先生

大きく先天的な原因と後天的な原因に分けられます。

患者さん

先天的な原因と後天的な原因が混ざっていることもあるんですか?

柿木先生

そのとおり。なので、治療法も一つだけではありません。

1-2.複合的な開咬の症状

さらに、ほとんどの開咬は複合的な症状が混ざっています。

    • 出っ歯で前歯も閉じない
    • 受け口で前歯も閉じない
    • 前歯が閉じず咬み合わせが上下非対称
    • すきっ歯で前歯が閉じない
患者さん

こんなにいろんなケースがあるんですね〜。

柿木先生

そうですね。たとえばほんの少ししか骨格に問題がなくでも、指しゃぶりなどの悪癖が重なることで骨格が歪んでしまうこともあるんです。

患者さん

へぇ〜、そういうことなんですねー。

2. 子どもの開咬の治療法

子どもの開咬の場合は、顎の成長を利用しながら矯正して隙間を閉じていくことが可能です。

子どもの開咬の治療法
    • MTFで舌癖を改善
    • タングクリブで舌癖を矯正
    • 必要なら歯列矯正も

一つずつ、詳しく説明していきますね。

2-1. MTFとは

MTFとは舌・唇・頬などの筋肉をトレーニングすることです。舌の癖などがある人に対して正常な舌の位置や使い方に修正していきます。

患者さん

これも歯医者さんでやってるんですか?

柿木先生

MTFを取り入れている歯医者さんでやっていますよ。

2-2. タングクリブとは

タングクリブとは、床矯正の装置に舌が出ないよう柵を追加したものです。MTFで改善しない場合は、物理的なもので舌の癖を意識してもらい治します。

柿木先生

歯のない赤ちゃんは、つばを飲み込む時に上下の歯茎の間に舌を挟むんですが、歯が生えてからもこの癖が抜けない場合があるんです。

ネコさん

へぇ〜、知りませんでしたー

2-3. 歯列矯正の種類

歯並びに問題がある場合は、タングクリブやMTFで舌の位置や癖を改善しながら歯列矯正をして隙間を埋めていきます。子どもの歯列矯正には、以下のような種類があります。

    • 床矯正
    • ワイヤー矯正
    • マウスピース矯正
患者さん

この3つはどんな違いがあるんですか?

柿木先生

簡単に、違いやメリットなどをまとめてみましょうね。

以下の表は、小学校低学年から中学年までの第1期の矯正を想定した数字です。

床矯正ワイヤー矯正マウスピース矯正
治療法プレートを上顎に当て、ネジで締めて隙間を閉じていくワイヤーの力でゆっくり歯を動かし隙間を閉じていく何度かマウスピースを交換し、隙間を閉じていく
メリットワイヤーで歯にかけるので、自分で取り外しできる。計画通りの歯列にしやすい見た目が分からない・着脱できる
デメリットワイヤー矯正ほどではないが、見た目が目立つ見た目が目立つ・いつもより歯磨きを丁寧に行う必要がある・歯が動く時に痛みが出る自分で装着時間を守らなければならない・締め付けるような痛みが出ることがある

3. 大人の開咬の治療法

大人の開咬は成長を利用しての矯正ができないので、抜歯や骨を削るような手術が必要となることがあります。

    • 歯列矯正
    • MTFで舌癖を改善
    • 必要なら外科的矯正手術も

3-1. 歯列矯正

大人の開咬で歯列矯正をする場合は、以下のような方法があります。

ワイヤー矯正裏側矯正マウスピース矯正
治療法ワイヤーの力でゆっくり歯を動かし隙間を閉じていく歯の裏側にブラケットやワイヤーを装着するワイヤー矯正何度かマウスピースを交換し、隙間を閉じていく
メリット計画通りの歯列にしやすい見た目が分からない。見た目が分からない・着脱できる
デメリット見た目が目立つ・いつもより歯磨きを丁寧に行う必要がある・歯が動く時に痛みが出る発生しづらい・舌が傷つくというリスクがある自分で装着時間を守らなければならない・締め付けるような痛みが出ることがある
患者さん

大人の矯正のほうが長引きそうですね。

柿木先生

癖の年月も長いですし、歯が子どもより動きにくいですからね。

3-2. MTFで口腔筋機能をトレーニング

子どもの開咬の矯正と同じように、口周りの筋肉のトレーニングを行って、正しい舌の位置や使い方に改善していく方法です。

患者さん

ところでMTFの費用はどれくらいなんですか?

柿木先生

だいたい1回につき3000〜5000円前後くらいですよ。月に1回くらいのペースで受けます。

患者さん

どのくらいの期間がかかるかは、個人差があるんですよね?

柿木先生

そのとおり。半年の人もいれば2年以上かかる人もいます。

3-3. 骨格が原因の場合は外科的矯正手術が必要

上顎が通常より出ているなど骨格が原因の場合は、骨を削る外科的矯正手術が必要になります。手術ができるのは、口腔外科矯正専門歯科、矯正歯科が入っている総合病院です。

患者さん

一般の歯医者さんじゃできないんですね。

柿木先生

外科用の設備が必要なので、一般歯科ではできないんですよ。

4. 開咬の治療費用や期間の目安

費用や期間は主治医への確認が必要ですが、ある程度の目安が分かると、法外に安かったり高かったりする治療を選ばずに済みます。

患者さん

あんまり安い治療費は、トラブルが起きそうで心配です。

柿木先生

そうですね。内訳などをしっかりと説明してくれる歯医者さんを選んでくださいね。

◎子どもの開咬

治療費治療期間
軽度30万円〜45万円程度1年〜1年半程度
重度45万円〜50万円程度1年〜2年半程度

大人の開咬

治療費治療期間
軽度50万円〜100万円程度1年〜1年半程度
重度70万円〜100万円以上1年半〜2年半程度

※治療費や治療期間は、使用する装置や並行して治療する症状によって異なります。また、顎変形症などの先天的な骨格が原因の場合は保険が適用されます。担当医師にしっかりと確認しましょう。

5. 開咬を放置すると起こる6つのリスク

特に困らないからこのままでいい、と思ったら大きな間違いです。開咬を放置しておくと、以下のようなリスクがあります。

    • ものを噛み切れない
    • 消化不良を起こす
    • 骨格や歯並びが悪くなる
    • 咬み合わせが悪くなる
    • 口から細菌やウイルスが入りやすい
    • 虫歯や歯周病の治療が困難になる
患者さん

たしか、咬み合わせが悪くなると全身の骨が歪むんじゃなかったですか?

柿木先生

そのとおり。慢性の肩こりや頭痛、腰痛の原因にもなりますよ。

6. 開咬の知識のある歯医者で改善しよう!

開咬は矯正の中でも特に難しい治療です。開咬は矯正専門の歯医者さんで受診するのがおすすめです。選び方のポイントは、以下の6点です。

    • セファロ(頭蓋レントゲン)をしている
    • 専門知識のある認定医や専門医がいる
    • 治療費用や転医した時の返金などを詳しく説明する
    • 治療契約書や同意書について詳しく説明する
    • 常勤の矯正歯科医がいる
    • 地域から良い評判を得ている

この他、複数のクリニックを回って説明を聞くのも重要です。良い歯医者さんでしっかりと開咬を治しましょう。

記事の重要ポイントをチェック!
    • 開咬の原因は、大きく骨格や悪癖の2種類
    • 子どもの開咬は顎の成長を利用しながら矯正できる
    • 大人の矯正は抜歯や外科手術を伴うことがある
    • 矯正と並行してMTFを行い、舌癖などを改善する
    • 出っ歯などの複合症状は矯正で並行して改善する