妊娠中に歯の矯正はできる?矯正中に妊娠したら?そのリスクや注意点

普段は仕事が多忙だったり、人と接する機会が多かったりする方も妊娠中は家に居ることが増えるため、「矯正するのに、ちょうどよいタイミング!」というわけです。
また、歯列矯正には、ある程度の時間がかかりますので、矯正中に妊娠することもあります。
妊娠していても歯の矯正はできるのか、おなかの赤ちゃんには影響はないのか、心配になることも多いことでしょう。
ここでは、妊娠と歯科矯正の関係や、妊娠中に避けるべき治療について、お伝えします。
最後まで読んでいただければ、矯正と妊娠の不安や疑問を解消できますよ。
- 妊娠中に仕事を休む機会を利用して、歯科矯正したいと考えている。
- 歯科矯正中に赤ちゃんを授かった。矯正治療を続けても大丈夫?
- 妊娠中の矯正治療における注意点やリスクがあれば、知りたい。
- 妊娠中の矯正治療の際、おすすめのお口のケアの方法を知りたい。
矯正中に妊娠!矯正は続けられる…?

先生、矯正中に妊娠したら、どうなるんでしょうか?矯正を続けられますか?

結論からいうと、妊娠中も矯正治療できます。注意点がいくつかあるので、お伝えしますね。
注意点!?今から知っておければ安心ですね。どんなこと…?
歯列矯正は、ある程度まとまった期間がかかる治療です。部分矯正の場合は3カ月~1年、お口全体となると2~3年かかることもあります。
そのため、矯正中に妊娠することもありますし、逆にまとまった仕事の休みがとれるこの機会に、気になっていた歯列矯正を済ませたいと考える人も結構います。

ただし、歯医者さんに、妊娠していることは必ず伝えるようにしてください。そうしておけば、念入りに懸念材料を回避した治療法を選択・提案してもらえるので安心ですよ。
わかりましたー!受付で母子手帳をバーンって出しちゃいますね!…あっ、やりすぎですか?

ピンポン!正解です。ぜひ母子手帳を持って歯科医院へご来院ください。
は~い!母子手帳を忘れずに…っと(メモメモ)。
特に妊娠初期や後期は、体調の変化が大きい時期です。妊婦さんの状態によっては、赤ちゃんへの影響もないとはいえませんので、やむを得ず矯正を中断することもあります。
母子手帳を提出すれば、検診の結果や妊娠の経過について明確に伝えられます。少しでもリスクのある治療は回避するよう配慮が受けられますので、通院の際には持参するようにしてください。
妊娠中に避けたい治療内容とは?
先生、妊娠中に避けたい治療というと、どんなことですか?

レントゲン・麻酔・薬です。基本的には問題ないのですが、おなかの赤ちゃんの安全のために、できるだけ避けておきたい治療です。
それって歯医者さんにはつきものですよね?詳しく知りたいですー!
矯正治療中に妊娠がわかった場合は、産婦人科のドクターと歯科医師が連携して、治療を進めることもできます。双方のお医者さんとよく相談して治療を受けるようにしましょう。
1.レントゲン・CT撮影

ですが、「レントゲンは怖い!」と妊婦さん自身が不安に思うなら、避けておいたほうがいいでしょう。心配すること自体がストレスとなって、おなかの赤ちゃんによくない影響を与えかねないからです。
妊娠中は心身ともにデリケートになっている時期ですから、例え問題ないとされている治療であっても、慎重に進めるようにしてください。
レントゲンを撮影するのは、以下のタイミングです。
- 矯正を始める前…矯正の計画をたてるため。
- 矯正治療中…経過がうまくいっているか様子を診るため。
- 矯正治療の終了後…治療がきちんとできているか確認するため。
①の最初のレントゲン撮影を受けるのを避けたい場合は、妊娠・出産を終えてから矯正治療を始めることになります。矯正中に妊娠がわかったときは、急を要することではありませんので、②③の途中経過や仕上がりを確認するためのレントゲン撮影は避けておいたほうが良いでしょう。
2.局所麻酔

とはいえ、麻酔の中には血圧を上昇させる作用や、子宮の収縮させる作用があるものもあります。歯医者さんが安全対策をして治療計画を立てているとはいえ、どうしても緊急の治療以外であれば、麻酔を使う治療は避けるべきでしょう。ほぼ安全といわれるものでも、100%安全とはいえないからです。おなかの赤ちゃんに関わることですから、万全を期した選択をするに越したことはありません。
3.抗生剤・鎮痛剤

妊娠中の薬は、できるだけ避けるほうがよいでしょう。もちろん歯科医院でもなるべく処方しない方向で治療を進めますが、服用しない方が妊婦さんの身体に悪影響を及ぼすこともあるので、絶対にないとはいえません。その場合は、妊婦さんが飲んではいけない薬は避けて安全性の高い薬が処方されますが、リスクの高い時期や体質などによっても影響が変わります。
そういった問題が発生する場合もありますので、妊娠期の矯正については、今このタイミングで行う必要があるのか、歯科や産婦人科のドクターと相談して進めるようにしてください。
妊娠中の歯列矯正で注意すべきこと
妊娠中の歯科矯正で注意することって、何でしょうか?

お口の中が虫歯や歯肉炎になりやすい環境になるので、いつも以上に丁寧に歯磨きをしてください。
いつも以上に!?そんなに歯が悪くなりやすいんですか…?

実は、女性ホルモンが多い環境で増えやすい細菌があるんですよ。だから、いつも以上にお口のケアを心がけることが大切です。
- ホルモンバランスの影響で、歯肉炎や虫歯になりやすい。
- つわりの影響で、歯みがきしにくい。
- 間食が増えて、お口の衛生状態が悪くなる。
つわりの影響で歯のブラッシングがおっくうになり、お口のケアがおろそかになることもあるので、いつも以上に気をつける必要があります。
また、一度のたくさんの量を食べられなくなるため、間食が増えて、ダラダラとお口の中に食べ物や飲み物が入っている状態にもなりがちです。
口内環境を清潔に保つことが、妊娠中の矯正治療の課題です。
また、矯正器具をつけている状態がつらい場合は、我慢せずに歯医者さんに相談して一時的な中断を検討することも必要です。
つわりの時期が過ぎてから矯正治療を再開できますので、焦らずに無理のないペースで治療に取り組むようにしましょう。
妊娠中のお口おケア

妊娠中って、想像以上にお口のケアが大変そう…!

そんなに不安にならなくても大丈夫ですよ。おすすめのお口のケア方法を紹介しますね。『ガムを嚙む方法』もありますよ。
えっ!ガムを食べてもいいんですか?ぜひ、知りたいです~!
1.ヘッドの小さい歯ブラシを使う

ワイヤーやブラケットなど矯正器具のすき間にも毛先が入りやすいので、歯磨きの効果がグンと上がります。
2.キシリトールガムを食べる

3.歯科医院でクリーニングを受ける

妊娠中でも歯医者さんと相談して無理なく矯正できる!

妊娠中でも、注意して進めれば矯正治療はできるんですね!

そうですね。でも、体調やホルモンバランスの変化が激しい時期ですから、歯科と産婦人科の両方のドクターと相談して、無理なく進めるようにしてくださいね。
はい!無理をしないことが肝心ですね。調子に乗って突っ走らないように気をつけまーす!
ただし、おなかの赤ちゃんに影響がゼロとはいえないレントゲン・麻酔・投薬といった治療もあります。
緊急性がない限り、少しでもリスクがある治療は避けながら、無理のないペースで矯正治療を進めるのがおすすめです。
- 基本的に、妊娠中に矯正治療を行っても問題はない。
- レントゲン、麻酔、薬については、胎児への影響がゼロではないので注意。
- 妊娠中はホルモンバランスが崩れて口内環境が悪化しやすい。お口のケアが重要。
- 歯科・産婦人科の両方と相談しながら、無理のないペースで治療すること。