もしも矯正で失敗したら?よくある失敗例と失敗を未然に防ぐ方法

「矯正が終わったのになんだか前と変わらない、むしろ前より悪化している」「ずっと矯正しているけれど、良くなっている気がしない」それはもしかしたら、矯正が失敗しているのかもしれません。
しかし、矯正中は歯並びを整えるために、意図的に一時的に悪くすることもあり、素人判断は危険です。ここではよくある失敗例と、失敗を未然に防ぐ方法をお伝えします。もしかして自分の矯正は失敗なのでは…と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 矯正で、失敗したのではないかと不安に思っている。
- 矯正ではどんな失敗があるのかを詳しく知りたい。
- 矯正で失敗したくない!どうしたら失敗しないか方法があれば知りたい。
矯正で失敗した7つの主な例

- 矯正した箇所が後戻りしてしまった
- 口が閉じない
- 長く治療しているのに改善が見られない
- 顎や頭に痛みを感じるようになった
- 歯周病が悪化した
- 歯に別の問題が生じた
- 治療に疑問があり不信感が出てきた
なにこれ、怖い怖い〜!

詳しく説明していきましょうね。
1.矯正した箇所が後戻りしてしまった
後戻りとは、治療したはずの箇所が、治療前の状態に戻ってしまうことです。歯はどうしても元の状態に戻ろうとするので、後戻りしないようにします。それが、保定期間です。
もしかして、保定期間が長いのってそのためですか?

その通り。治療と同じくらいの期間はじっくりと保定する必要があるんです。
じゃあ保定をさぼると…

はい。元に戻ってしまいますね。
2.口が閉じない

矯正して歯並びはきれいに整ったのに、口が閉じないことがあります。口を閉じた時に上下の歯の中央が開いている(オープンバイト)場合や、上下の歯が出っ張っていて唇が閉じない(上下顎前突)場合です。
原因としては、オープンバイトは保定期間中のゴムかけをしっかりと行わないことが考えられます。上下顎前突は、最初の診断ミスという場合があります。抜歯をせずに無理に矯正を行った結果、歯のスペースが足りなくなってしまったケースです。
ゴムかけってなんですか?

輪ゴム状のゴムをブラケットの突起にかけて微調整するものです。
そんな工程もあるんですね〜。
3.長く治療しているのに改善が見られない
長いこと治療しているのに、一向に改善が見られないと、本当に良くなっているのだろうか…と心配ですよね。矯正治療には通常2〜3年かかります。しかし、通常以上の時間がかかっているのに改善を感じられない場合は、一度お医者さんに説明を求めてみると良いかもしれません。
そんなことあるんですか?

う〜ん、治療中に予期せぬことが起こったりすることもありますからねぇ。
4.顎や頭に痛みを感じるようになった

歯の矯正をした後に、顎の痛みや頭痛を感じるようになった場合、顎関節の不調和が起きている可能性があります。矯正治療をしたことで咬み合わせが不安定になり、顎関節に負担がかかって痛みが生じるケースです。

痛みを我慢してそのままにしておくと、顎関節症になる恐れがあります。
痛みを感じたら即お医者さんに相談ですね!
5.歯周病が悪化した
矯正装置をつけていると、どうしても歯ブラシが届きにくい場所が出てきます。口内に磨き残しがあると、歯垢が発生してそこから歯周病に発展することがあります。歯周病がある人は、本来なら治療をしてから矯正を行いますが、途中で歯周病になってしまった場合は、矯正治療を中断して歯周病を治してから再開します。
歯周病があるとどうして矯正できないんですか?

歯周病菌が歯を支える骨を溶かしたり歯肉が腫れたりするからです。
痛そう…
6.歯に別の問題が生じた
よくある問題は、歯根吸収です。歯根吸収とは、歯の根の組織が吸収されて短くなってしまうことです。矯正治療は歯に力をかけて動かすため、どうしても歯の根に負担がかかります。持続的に力を加えると、歯根吸収のリスクも避けられません。もし歯の根が少なくなった場合は、計画通りに歯を動かすことは難しくなります。
また、歯ぐきの奥が痛む場合は、フェネストレーションになっている可能性があります。
7.治療に疑問があり不信感が出てきた

治療計画にはなかった抜歯や削ったりする治療があると、治療自体に不安や疑問が生じ、さらには不信感につながることがあります。医師に不信感を持っていると、安心して治療を続けることは難しくなります。疑問や不安が出てきたら、その都度医師に質問してみましょう。
でも、素人が口挟むのは悪いような気がするんですよね〜。

そんなことありませんよ。勇気を出して質問してみてください。
矯正で失敗する原因

矯正で失敗する主な原因は、コミュニケーション不足です。
治療計画を立てる際には、患者さんにどういった流れで行い、そのためにはどのような装置を使用するかなどをわかりやすく説明する必要があります。この段階で、患者さんがよく理解しないまま治療に入ってしまうと、後から不安や不信感につながってしまうのです。
確かに思ってたのと違うことされたらあれ?って思うかも。
また、難しい歯並びの場合には、計画通りに歯が動かないケースも稀にあります。その場合には治療計画を変更しなければなりませんが、その際にもきちんとした説明しなければ、安心して治療を受けることができないでしょう。
歯が動かないケースもある
矯正しても、稀に歯が動かないケースがあります。それは、骨と歯が一体化している場合です。歯は厳密には骨と密着しておらず、微妙に浮いている状態です。だからこそ歯を動かして矯正することができるのですが、骨と歯がくっついてしまっている場合は歯だけを動かすことはできません。
そういう場合はもう諦めるしかないんですか?

状態によりますが、1歯だけでしたらその歯に合わせて治療計画を変更することもあります。
治療中や治療後のケアも重要

矯正中や治療後のケアも、矯正にとってはとても大切です。口の中の清潔を保てないと歯周病などにかかり、歯の土台が変化してしまうからです。治療中は歯間ブラシやデンタルフロスなどを併用して磨き残しをなくし、治療後もセルフケアをしっかりと行いましょう。
あと、「保定期間をしっかりやる」ですね!

そうそう。それ重要ですよ〜。
失敗したと感じたときに取るべき行動

もし、明らかに失敗だと感じた場合には、次の行動を取ることをおすすめします。
日本臨床矯正歯科医会に相談する
なんだか連絡しづらいんですけど〜。

大丈夫。相談窓口がありますよ。
日本臨床矯正歯科医師会では、「矯正歯科何でも相談」という相談窓口を設けています。公式サイトからフォームに記入し、送信する形です。電話での相談や緊急性のある相談は受け付けていないので注意しましょう。
別の医療機関で再治療する
もしも別の医療機関で再治療を希望する場合は、セカンドオピニオンを利用するのがおすすめです。ただ、不信感を抱いているような場合はセカンドオピニオンも言い出しにくいと思います。その場合は、日本臨床矯正歯科医師会のサイトに掲載されている「認定医・臨床指導医名簿」から、お近くの矯正歯科専門医を探してみましょう。
認定と指導医ってどう違うんですか?

どちらも一定の基準を満たした矯正治療のスペシャリストです。症例数や診療の年数の違いなどが挙げられるでしょう。
失敗を未然に防ぐための対策

失敗を未然に防ぐ方法として、以下の2つのことを提案します。
歯科医選びを慎重に行う
矯正治療は歯科医の技量によって左右されるため、歯科医選びはとても重要です。難しいケースを何度も経験したり、たくさんの症例数がある歯科医なら、安心して任せることができるでしょう。以下の記事では、東京のおすすめの医師を載せています。
公開中記事の投稿IDを指定してください。
また手前味噌のようになってしまいますが、全国のおすすめの医師は、弊社サービスDoctorbookでもお探しいただけます。
ぜひご活用ください。
不安ならセカンドオピニオンを利用する
治療計画を説明された時点で、セカンドオピニオンを利用するのもおすすめです。セカンドオニオンとは、担当医以外に治療計画について意見を聞くことができるシステムです。他の医師の意見を聞けば、より安心して矯正治療に専念することができるでしょう。
治療を始める前のタイミングってとこがミソね。
矯正で失敗した時のまとめ
矯正治療は治療期間が長いので、計画通りにいかないこともあります。治療途中や治療後に失敗かもしれないと感じたら、すぐに行動して不安を取り除きましょう。

安心して治療することが、治療成功にもつながります。
- 矯正の失敗例の多くは説明された計画と違う、痛みが生じるなど
- 失敗の原因は主にコミュニケーション不足
- 失敗と感じたら日本臨床矯正歯科医師会に相談する
- 再治療も視野に入れる
- 失敗を予防するには医師選びを慎重にする
- セカンドオピニオンを利用する