矯正のブラックトライアングルは治せる?6つの改善法と予防策を徹底解説

「矯正したらブラックトライアングルができてしまった…」というお悩みは、意外にも少なくありません。
ブラックトライアングルというのは、歯ぐきが下がり、歯と歯ぐきの間に隙間ができること。黒い三角形のように見えることから、ブラックトライアングルと呼ばれるようになりました。
ここでは、歯列矯正の後、ブラックトライアングルができてしまう理由と、その改善方法について解説します。
- 矯正でできるブラックトライアングルって、どんな状態のことを指すのか知りたい。
- ブラックトライアングルは治療できる?予防法があるのなら、それも知りたい。
- ブラックトライアングルは、健康上の問題はあるの?治す必要があるのか知りたい。
矯正でブラックトライアングルができる原因とは?

先生、矯正中にブラックトライアングルっていう隙間ができることがあるなんて初めて知りました…!黒いし、目立ちそう…!どうしてそんなことになるの?

矯正すると、これまで重なっていたり、ねじれていたりした歯がまっすぐ一列に並びます。それによって隠れていた隙間が露出してくることがあるんですよ。
あぁ~、重なっていたところが治ったから目立ち始めたってことですね。今まで見えていなかっただけかぁ…!ブラックホールみたーい!視線を集めるという意味で…。

??…あ、“ブラックホールに吸い込まれるように視線を集めるから”ですね。なるほど、なるほど。
…先生、冗談を解説されると恥ずかしいです…(笑)
ブラックトライアングルを改善する6つの方法


ブラックトライアングルは、加齢や歯周病で歯ぐきが下がった時にも起こる可能性があります。
矯正だけじゃないんですね。それは、治す方法ってないんですか~?隙間に食べ物が挟まりやすそうだし、気になる~。

そうなんです。隙間に汚れが溜まりやすくなるので、歯周病や虫歯のリスクが高まりますから、よく歯を磨いてくださいね。改善する方法については、下記にまとめましたのでご覧ください。
はーい!改善する方法があるなら良かった…!
歯の側面を削って寄せる(ディスキング)
隙間ができた歯の側面を削るディスキングを行って形を整え、寄せて隙間を埋めます。歯の大きさによっては対応が難しいこともあります。
セラミッククラウン・ラミネートベニアで形を整える
歯を削って形を整え、「セラミッククラウン」を着けて隙間を埋める方法もできます。ブラックトライアングルが気になるのは目立つ前歯だけであることがほとんどなので、歯の表面にセラミックのチップを張り付ける「ラミネートべニア」という方法も考えられます。
短期間で理想に近い形に整えることができますが、隙間が空いている歯も機能的には問題のない健康な歯です。その健康な歯を大きく削らなければならないというデメリットは見逃せません。
レジンで隙間を埋める(ダイレクトボンディング)
虫歯の治療でも使われるコンポットレジンという歯科用プラスチックで、隙間を埋めることができます。
比較的簡単で安価にできる治療ですが、セラミックと違い劣化しやすい素材なので、時間がたつとそこだけ変色してかえって目立つ場合があります。
また、虫歯治療の際に使用するレジンは保険適用であるケースが多いですが、矯正によるブラックトライアングルの治療は保険適用外になりますのでご注意ください。
ヒアルロン酸を注入して隙間を縮小する(歯冠乳頭を膨らます)
ヒアルロン酸ジェルを歯茎に注入し、歯と歯の間の歯肉を膨らませて隙間を埋める方法もあります。
ヒアルロン酸は、人間の体内を構成する成分でもあるため、注入しても特に問題はありません。歯科医院によっては、ヒアルロン酸注入法でお口周りのしわの改善といった施術を提供しているところもあります。
マウスピース矯正(3Dシュミレーション)
あらかじめ3Dシミュレーションを行った上で矯正治療を行うタイプのマウスピース矯正システムなら、ブラックトライアングルを予防しながら矯正を進められます。とはいえ実際に歯を動かしてみないことには、どうなるかわからない部分も多いため、必ず予防できるというわけではありません。
歯周病の治療をする
矯正中に歯周病にかかり、歯ぐきが下がってしまった時に、ブラックトライアングルが発生するリスクが高まります。逆に、歯周病の治療が進み、歯ぐきが引き締まったため、ブラックトライアングルが発生するケースもあります。
矯正のブラックトライアングルは予防できる?

ブラックトライアングルを予防する方法ってあるんですか…?起こってから治すのも大変そうなので、ならないようにするのが一番のような気がします…。

ブラックトライアングルは、歯をうごかしてみなければわからない側面がありますので必ずとはいえないのですが、リスクを下げる方法がありますので紹介しますね。
矯正中、歯周病予防ケアを徹底する
歯ぐきが下がる原因として、歯周病が大きいといわれています。矯正中に歯周病が進行しないよう、毎日の歯磨きはいつも以上、念入りに行うようにしてください。
特に矯正装置を常時つけたままのワイヤー矯正は、矯正装置の周辺に歯垢がたまりやすく、歯が悪くなりやすい条件がそろっています。
食後と寝る前の歯磨きはもちろん、定期的に歯科医院でクリーニングを受けるようにしてください。そうすれば、歯周病を発症するリスクを下げられます。
セルフライゲーションブラケットで矯正する
歯茎が下がる原因のひとつに、矯正の際に歯にかかる圧力が大きいことが挙げられます。それを緩和するのが、セルフライゲーションブラケットです。ワイヤー矯正の種類のひとつに、セルフライゲーションブラケットという装置を使ったタイプがあります。
このタイプの矯正装置なら、一般的なワイヤー矯正よりも歯ぐきが下がる原因になる歯への圧力が抑えられます。
詳しくは、担当の歯科医師の説明を受けましょう。
ブラックトライアングルは治すべき?

先生、ここまで話を聞いてきて、ふと思ったんですけど…ブラックトライアングルって治さなくても特に問題なかったりします…?

そうですね、ブラックトライアングルをそのままにしていても、特に健康上のデメリットはないといえます。
あー、やっぱりそうなんですね。

そうですね、虫歯や歯周病になりやすいというリスクを除いては特に問題がないので、治療に関してはよく考えて行うようにしてください。
歯並びや健康上の問題は基本的にない
ブラックトライアングルは、どうしてもできてしまう場合があるので、完全に予防することはできません。とはいえ、特に健康を害することもありませんので、そのまま治療せずにいる人も少なくありません。
食べかすが詰まりやすくなることも
問題点を挙げるとするならば、食べかすが詰まったり、歯垢がたまったりしやすいということ。
歯磨きを徹底すれば、歯周病や虫歯を予防できます。
発音しづらくなるリスクもある
ブラックトライアングルの大きさにもよりますが、隙間から空気が漏れて、発音しづらくなる時も。
あまりにも生活に支障がある場合は、どうすればいいか担当の歯科医師に相談してみてください。
矯正は事前にリスクやデメリットもしっかり理解しよう

健康に問題ないから安心だけど、黒い隙間は見た目が気になるから、なるべく避けたいですね~。

矯正ではどうしても生じてしまうリスクがありますので、事前に矯正のメリット・デメリットを把握して、矯正治療を受けるようにしてくださいね。
はい!わかりました~!
- ブラックトライアングルは、矯正治療ではどうしても起こるケースがある。
- ブラックトライアングルを治す方法や、できるだけ予防する方法もある。
- ブラックトライアングルは、見た目は気になるかもしれないが、健康上の問題はない。
- ブラックトライアングルは、虫歯や歯周病になりやすいため、歯磨きをしっかりと行う必要がある。