おすすめの矯正器具、メリット・デメリットは?歯科医に聞く矯正Q&A

- 矯正をしてみたいけれど、どんな方法が自分に向いているのかわからない。
- 矯正装置がギラギラして目立つことに抵抗がある。目立たない矯正はないのか知りたい。
- モデルやタレントがやっているような周りに気づかれない矯正について知りたい。
- 矯正について疑問がある。トラブルの対処法や注意点も知りたい。
その中で「自分に向いているのは?」「メリットが大きいのは?」「こんなトラブルが起きたときは、どうすればいい?」といった疑問を抱えている人も少なくないでしょう。
ここでは、矯正器具の種類と、それぞれのメリット・デメリットのほか、矯正のギモンを歯医者さんに直接聞いてみた「矯正Q&A」を掲載しています。チェックしてみてくださいね。
矯正器具の種類を知りたい!

先生、矯正装置ってどんな種類があるんですか?ギラギラ目立つので正直言って苦手意識があります…。

目立たない矯正装置もありますよ。
あー、それ聞いたことあります!モデルさんがよくやっている矯正ですよね、ハリウッドスターとか…。興味ある~!

では矯正装置の種類を説明しますね。下記をご覧ください。
メタルブラケット

メタルブラケットのメリット
- 小さく薄く作れるので違和感が少ない。
- 多彩な症例に対応している。
- 他の矯正装置よりも安価。
メタルブラケットのデメリット
- 金属製なのでギラギラと目立ちやすい。
審美ブラケット

メタルブラケットと矯正のシステムは同じで、歯の表面につけます。
審美ブラケットのメリット
- カラーが透明や白なので、目立ちにくい。
- メタルブラケットと同様に、多彩な症例に対応。
審美ブラケットのデメリット
- メタルブラケットより少し強度が下がる。
- メタルブラケットより費用は5万円~10万円くらい若干高い。
セルフライゲーションブラケット

ワイヤーを完全に固定せず、遊びの部分を持たせることでブラケットとの摩擦を減らし、歯を動きやすくしています。
セルフライゲーションブラケットのメリット
- 歯が効率よくスピーディーに動きやすい。
- ワイヤーとブラケットの摩擦を軽減しているので痛みが出にくい。
- 他の装置よりも通院回数が少ない。
セルフライゲーションブラケットのデメリット
- 目立たない色のワイヤーは使えない。
- 矯正装置が大きめなので、口内で違和感を覚えることがある。
- メタルブラケットよりも費用は少し高額。
リンガルブラケット(裏側矯正)

また、ハーフリンガル矯正といって、上顎だけ裏側矯正にして、下側は表側矯正にする方法もあります。すべて裏側矯正にするよりも、費用を抑えられます。
特殊な矯正方法なので、以前は、表側矯正よりも時間がかかるといわれていました。
最近では、専門的に施術を行っている歯科医院も増えてきましたので、他の矯正治療とさほど変わらない時間で矯正できるようになってきています。
対応している歯科医院が限られますので、事前に確認しましょう。
リンガルブラケット(裏側矯正)のメリット
- 周囲の人に矯正していることが気づかれにくい。
- 矯正装置が目立たない。正面からは矯正装置がほぼ見えない。
リンガルブラケット(裏側矯正)のデメリット
- 舌側に装置をつけるので、慣れるまで違和感があることも。
- 表側矯正よりも、費用が高額になる。
マウスピース矯正装置

ワイヤーやブラケットは使わず、マウスピースタイプの矯正装置をつけて歯を動かしていく方法です。
マウスピース矯正装置のメリット
- 透明で薄いため、着けていても気づかれにくい。
- ブラケット矯正よりも口内の違和感が少ない。
- 食事や歯磨きの時、取り外せるので利便性が高い。
マウスピース矯正装置のデメリット
- 取り外しできるが、決められた装着時間を厳守しなければ効果がでない。
- 治療可能な症例が、ブラケット矯正よりも限られている。
矯正器具Q&A

はーい先生!矯正治療でわからないことがあるんですが、質問してもいいですか~?

それでは多く寄せられる「矯正治療のギモン」について、Q&A形式でお答えします。
<Q1>矯正器具は、どれくらいの期間つけるの?

矯正装置って、どれくらいの期間、つけるものですか?ずっと着けていないといけないんでしょうか?

矯正の治療期間は約1~3年です。基本的に装置はずっと着けています。マウスピースは取り外し可能ですが、食事と歯磨きの時以外は、ずっと装着します。
サボると治療期間が延びてしまうことも……
矯正治療は計画通りに進めていかなければ、きちんと効果が出せません。装置の調整のために通院が必要ですが、通院をサボったり、顎間ゴムをつけなかったり、計画に従わないでると治療が進みませんので気をつけましょう。
治療後も後戻り防止のためにリテーナーをつける
矯正治療が終わると矯正装置を取り外し、代わりにリテーナー(保定装置)をつけます。歯は、矯正後に元に戻ろうとする「後戻り」という習性があるため、定着するまで夜眠る時に装着することになります。サボると台無しになることがあるので要注意です。
<Q2>矯正器具が口の中で当たって痛いときは、どうする?

矯正器具が当たって痛いときは、どうしたらいいですか?口内炎ができる時もあるので困っています。

最初の頃は、お口の中に器具が入るので、違和感を覚える人も多いですが、徐々に慣れてきますよ。では、痛い時の対処法をお伝えしますね。
矯正用ワックスをつけて刺激を和らげる
どうしても口の中に当たって痛い時は、歯医者さんに連絡すれば対応してもらえます。応急処置をする時は、歯科医院やインターネット通販で購入できる矯正用ワックスで、矯正器具が当たる部分をカバーします。粘土のような使用感なので、適度な大きさにちぎって使用します。
熱で溶けやすい素材ですので、熱いものを食べる時は気をつけてください。
お口の中に入るものなので、最初は歯科医師に相談して、歯科医院で扱っているものを使用することをおすすめします。
口内炎ができたら市販薬を使ってもOK
口内炎ができると早めに手当てしましょう。歯科医院で塗り薬などを処方してくれますので、相談してください。口内炎に対応する市販薬もありますので、歯科医院に急いで行けない時は、応急処置として利用してもいいでしょう。
悪化を防ぐために、香辛料が多い刺激物を口にするのはやめて、歯磨きをしっかりと行い、お口の中を清潔に保ってください。
<Q3>矯正器具が外れてしまったら?

先生、矯正器具が外れてしまったら、どうすればいいですか?ブラケットが取れた時は驚きました…!

まずは、かかりつけの歯科医院に連絡して、どうすればいいか聞いてくださいね。
すぐに歯科医院に連絡を
矯正器具が外れてしまったら、ビックリするかもしれませんね。でも、ブラケットが治療中に外れるのは想定内なので慌てなくても大丈夫です。また付けなおせばいいだけなので、心配ありません。まずは、かかりつけの歯科医院に連絡をして、指示を受けましょう。もし担当の歯科医師が休みであっても、他のスタッフによる応急処置を受けられる場合もあります。
応急処置を自分でできるように、矯正用ワックスを出してくれる場合もありますので、相談してみましょう。
<Q4>矯正中は食事制限はありますか?

先生、矯正中は食事の制限なんかはあるんでしょうか?すごく気になります…!

硬いものやくっつきやすいものは避ける方がいいでしょう。食事制限、というほどではないですが、気を付けると矯正装置が壊れにくくなりますよ。
硬いものやくっつきやすい食べ物は避ける
矯正の初期段階でつける器具は、特にデリケートです。まだワイヤーが細くて比較的壊れやすいので、キャラメルやガムのようなくっつきやすいものや、せんべいやナッツのように硬いものを食べると破損の原因になります。細かい食べカスが矯正器具のすき間にひっかかってたまりやすいものは虫歯の原因になります。なるべく、そういったものは避けるようにしましょう。<Q5>矯正中のお口のケアは、どうすればいいですか?

先生、矯正器具をつけていたら、歯を磨きにくいですよね…?虫歯にならないか心配です~。

大事なところに気づきましたね。矯正中は虫歯リスクが高まります。いつも以上に、しっかりとした歯磨きが必要になります。
きちんとケアして清潔に保とう
矯正中は、矯正器具のすき間に汚れが溜まりやすいので、虫歯や歯周病になりやすいという問題があります。しっかりと歯磨きをして、お口を清潔に保ちましょう。ブラケット周りは丁寧に歯ブラシで磨く
ブラケットの周りやワイヤーと歯のすき間に歯垢が溜まり、そこから虫歯になりやすいため、1本1本、丁寧に磨く必要があります。ワンタフトブラシといって、毛先が丸い小さな束になっている歯ブラシを使うと、矯正器具のすき間を清掃しやすいのでおすすめです。
マウスピースやリテーナーは取り外して洗浄する
マウスピースやリテーナーは取り外しができます。歯だけではなく、矯正器具も毎日きれいに洗浄しましょう。自分に適した方法を選んでしっかりお手入れを!

先生、疑問が解消されたので、不安な気持ちが軽くなりました!矯正、続けていけそうです~。

矯正器具によってケア方法が違いますので、確認してしっかりとお手入れするようにしてくださいね。わからないことがあれば、いつでも歯科医院に相談するといいですよ。
は~い!
- 矯正装置は、目立たない、価格が安い、歯が動きやすいなど特徴が色々ある。
- メリットやライフスタイルに合わせて、自分に合った矯正装置を選べる。
- 目立たない矯正装置も多い。周りの人に気づかれずに矯正することも不可能ではない。