矯正の限界とは?どうしても出てしまう9つのリスクと対処法

矯正の限界とは?どうしても出てしまう9つのリスクと対処法
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「矯正治療で悩みをすべて解消したい!」と、過度な期待を持っていませんか?

歯列矯正を考えている人は、特にお口元のお悩みを抱えていることが多いでしょう。けれども、現在の歯列矯正では、すべての要望に応えられるとは限りません

ここでは、歯列矯正の限界やリスクについて解説します。事前に情報を幅広く把握した上で、歯列矯正を検討しましょう。

この記事がおすすめな人
    • 歯列矯正には限界があると聞いた。どんな限界があるのか具体的に知りたい。
    • 矯正治療のリスクとは、どんな内容なのか、事前に知っておきたい。
    • 矯正治療には痛みが出ることがあると聞いたが、本当なのか知りたい。
    • リスクや限界がある矯正治療を成功させるコツや注意点があれば知りたい。
INDEX
  1. 顔の見た目の悩みが解消されないリスク
  2. 矯正だけでは治療が難しいリスク
    1. 解剖学的な限界がある
    2. 骨格や顎の骨に問題がある場合(不正咬合)
    3. 歯と顎の骨がくっついてしまっている場合(骨性癒着)
  3. 歯と歯の間に隙間ができてしまうリスク
  4. 抜歯を免れないリスク
  5. 終わらせたい期限に仕上がらないリスク
  6. 元に戻ってしまうリスク
  7. 噛み合わせに違和感がでるリスク
  8. 矯正中の痛みがストレスになるリスク
  9. 矯正の限界やリスクを理解した上で治療を受けよう

顔の見た目の悩みが解消されないリスク

ネコさん

先生、矯正したら、悩みから解放される~!って期待してしまうんですけど、解消できないことともあるって本当ですか…?

大前先生

そうですね。本来はお口の健康のために噛み合わせを整えることが、歯列矯正の目的ですからね。

ネコさん

あぁ~、たしかに。歯列矯正は、美容整形とは違いますもんね…。

歯列矯正を検討される方は、口元の見た目に関するお悩みをお持ちのケースが多いでしょう。ところが、歯列矯正は噛み合わせのバランスを整えて歯の健康を取り戻すことが治療の目的です。

もちろん、見た目を改善することも含まれてはいますが、美容整形とは違うので、理想的な外見を追い求めることが第一の目的ではないことから、期待していたほどの効果が得られないこともあるのです。

歯並びや噛み合わせを改善できても、お顔全体のバランスとしては思い描いていた理想と離れてしまった、ということもあり得ます。

見た目の要望やお悩みが強い場合は、美容面を重視し、審美治療に力を入れている歯科医院を選ぶといいでしょう。

矯正だけでは治療が難しいリスク

ネコさん

矯正って、つまり限界があるってことですよね?

大前先生

そうですね。歯列矯正は歯を動かして歯並びを整える治療です。骨格そのものを変えるわけではないので、骨格に問題がある場合は解決が難しいのです。

ネコさん

骨かぁ!根本的な問題ですね~。そうなると、解決法はないのかな…。

大前先生

外科手術をした上で歯列矯正を行えば、改善できることがありますね。

ネコさん

外科手術ですか~!大掛りになるなぁ!

解剖学的な限界がある

歯並びをキレイに整えるためには、歯を動かせるスペースが必要です。特に現代の日本人の顎は狭い傾向ですので、歯列矯正には限界があります。

骨格や顎の骨に問題がある場合(不正咬合)

歯列矯正は、歯を動かしていく治療です。顎の骨格を変えることはできないので、重度の受け口や出っ歯のような治療では、外科手術を伴う治療が必要になるケースも。

顎変形症など、厚生労働省が定めた疾患による矯正治療であることが認められれば、健康保険が適用します。

歯と顎の骨がくっついてしまっている場合(骨性癒着)

歯は、歯槽骨というやわらかい骨の組織に埋まっています。歯を歯槽骨の中を動かすことによって、歯並びを整えます。

時に、歯と歯槽骨がくっついてしまっている状態…骨性癒着(アンキローシス)を起こしていることがあります。この状態であると、歯が動かないので矯正できません。事前のレントゲンなどの検査でもわからないケースも多く、多くの歯は問題なく動くのに1本の歯だけ癒着していることも。

こうした場合にも外科手術が必要となる場合があり、その際は口腔外科の専門医と連携して治療を行っていくことになります。

歯と歯の間に隙間ができてしまうリスク

大前先生

矯正した後で、歯の根元の方に隙間ができることがあります。三角形の黒い空間に見えることから「ブラックトライアングル」と呼ばれているんですよ。

ネコさん

え~!せっかく矯正したのに、そんなことになるの…!?

矯正すると、重なり合っていた歯やねじれていた歯がまっすぐになり、歯と歯の隙間が目立つことがあります。

治療の影響で歯ぐきが下がったというだけではなく、歯の重なりが無くなって元々の歯の形が露出してきた、矯正中に歯周病が進行した、という理由も考えられます。

健康上のリスクは特にありませんが、見た目が気になる場合はマウスピース矯正などで治療できます。早く治したいときはレジンで隙間を埋めたり、歯を削ってセラミッククラウンを被せたりする方法もあります。

抜歯を免れないリスク

ネコさん

先生、歯を抜きたくないんですけど、矯正って抜歯しないとできないんですか…?

大前先生

必ずしも抜歯が必要というわけではないですが、非抜歯矯正にこだわりすぎて無理な治療をすると、徐々に出っ歯や受け口になっていくことがあるんですよ。

ネコさん

えっ、何それ怖い…!無理はしちゃだめですね~!

歯並びがガタガタになってしまう多くの原因は、歯がキレイに並ぶためのスペースが無いからです。特に現代の日本人は、歯そのものは大きいのに顎が小さいため、歯が並びきれず飛び出してしまうのです。

小児矯正では、成長を利用して顎のスペースを確保できるように促すことができます。大人の場合は成長が終わっているのでそれが難しいため、抜歯してスペースを確保することがあります。

抜歯せずに治療を進めると、行き場のなくなった歯が前へ前へ突き出してくることになり、年齢とともに出っ歯や受け口になっていた、というトラブルにつながりやすいのです。

終わらせたい期限に仕上がらないリスク

大前先生

「このくらいの時期までに終わらせたい」というご希望があったとしても、歯が計画通りに動くとは限りません。明確な治療期間がわかりにくいのも矯正の限界といえますね。

ネコさん

歯は言うことを聞いてくれませんもんね~。

矯正の平均的な治療期間は、約2年程度です。しかしながら、「いつ終わる」という正確な治療期間は、経験豊富な矯正の専門医でも予測が難しいといえます。

一人ひとり、歯が動くスピードは異なりますし、お口のコンディションにもよります。ゴムかけなどご自身で行う矯正の工程をサボらずにできるかによっても、仕上がりが違ってきます。

早く終わらせるためのコツは、歯科医師の説明をしっかり聞いて治療や通院をサボらず、決められた通りに真面目に取り組むことに尽きます。

元に戻ってしまうリスク

大前先生

特にリスクが高いのが、矯正後、元に戻ってしまう「後戻り」です。後戻りしないように、矯正治療が済んだら、保定装置(リテーナー)をつけます。

ネコさん

元に戻るなんてこともあるんですね~、怖っ!どうしてそんなことになるの?予防できますか…?

大前先生

リテーナーをサボってしまうと後戻りしやすいですね。夜寝るときだけで良いものが多いので、そこまで負担はないはずです。せっかくの矯正が台無しになってしまわないように、ぜひがんばってくださいね。

ネコさん

わぁ、矯正が終わったと思って、気を抜いてしまうところでした…!聞いておいてよかった…!

歯は、矯正してもしなくても、常に動いているものです。特に矯正した歯は、リテーナーをつけてしっかり保定しなければ、元に戻ろうとします。

歯列には、もともと奥歯から前歯に押される力の流れがあるため、何もしていなくても年齢とともに「出っ歯になってきた」「前歯がデコボコになってきた」と感じることがあります。

同じ歯でばかり噛む、舌で前歯を押す、といった同じ癖を長年続けているだけでも歯並びが乱れることがありますので、気を付けましょう。

噛み合わせに違和感がでるリスク

大前先生

矯正の途中の段階で、噛み合わせがおかしい…と感じることも多いですよ。矯正が失敗したかのように感じてしまうこともあるようですね。

ネコさん

あぁ、慣れないと、そう思っちゃうかもしれないですね~。

矯正をしている途中の段階や、矯正が終わって歯並びが整った後でも、お口の中で慣れない違和感があるので、「矯正が失敗したのでは…」と不安に駆られることも少なくありません。

実際は上手くいっているとしても、慣れるまでは違和感があるものです。特に治療段階では、途中であるが故にストレスを感じることもあるでしょう。どうしても耐えられない時は、担当の歯科医師に相談しましょう。

矯正中の痛みがストレスになるリスク

ネコさん

先生、気になっていたことがあるんですけど…。矯正治療って痛いんですか?

大前先生

そうですね。矯正器具で緩やかに圧力をかけて歯を動かしていきますので、その際にはどうしても痛みが出ますね。

ネコさん

やっぱり~!

大前先生

徐々に慣れてきますが、それまでは鎮痛剤などを活用しながら乗り切りましょう。

最初は気になる歯が動く時の痛みにも、時間がたつとだんだん慣れてきます。痛みが気になる方は、矯正の痛みがでにくいといわれる方法を選ぶことも検討しましょう。

ワイヤーを固定しない「セルフライゲーションブラケット」や「マウスピース矯正」といった方法があります。

矯正の限界やリスクを理解した上で治療を受けよう

大前先生

矯正治療には、こうした限界がありますので、事前に把握してから治療を検討するようにしてください。

ネコさん

理想通りにいかない可能性もあるっていうことですもんね。

大前先生

そうですね。完全に解決できない問題もあります。担当の歯科医師とコミュニケーションをとって、しっかりと説明を聞いてから治療を受けるようにしてくださいね。

ネコさん

はい~!こわだりすぎず、あまり気負わないで続けられればいいな~!

記事のポイントをチェック
    • 矯正治療は、美容整形とは違う。骨格に問題がある時は、悩みを改善できないことがある。
    • 重度の出っ歯や受け口などは、外科手術と矯正治療を組み合わせた治療で改善できることもある。
    • 矯正治療は、理想通りにいかないもの当たり前のことなので、リスクも把握した上で行おう。
    • 歯列矯正を成功させるために、歯科医師としっかりコミュニケーションを取って、計画通りに進めよう。