口呼吸で出っ歯や受け口になることも!その他のリスクと5つの対策

近年、口呼吸の子どもが多いことが問題となっています。しかし、口呼吸は口の中が乾くだけでなく、出っ歯や受け口など矯正対象となる問題に発展することは、あまり知られていません。ここでは、口呼吸が及ぼすリスクや、口呼吸への対策などを説明します。もし、ご自分やお子さんが口呼吸の場合には、要注意です。
- 口呼吸で出っ歯になると聞いたけれど、それって本当?と思っている。
- 口呼吸は受け口の原因になるかどうか不安を持っている。
- 口呼吸だとどんな弊害が起こるのだろうかと心配だ。
- 子どもが口呼吸だけど、治したほうがいいのかどうかと悩んでいる。
- 子どもの口呼吸を治す方法を知りたい!
口呼吸と歯並びの関係

口呼吸は歯並びと深い関係があります。出っ歯や受け口は、口呼吸が原因になっているケースがあるからです。口の機能は、舌、歯並び、口腔内の粘膜などが複合的に作用しあっています。
口呼吸が原因で出っ歯になる
口呼吸と出っ歯って結びつきませんけど…。

それは舌や頬とのバランスに関係があるんですよ。
舌は通常、口内の上顎の部分に収まっています。お口の機能や咬み合わせは、舌の圧力と頬の内側の圧力、唇の力などによって、バランスが取られているのです。
しかし、口呼吸の癖があると舌が下がってしまい、それらのバランスが崩れて歯並びも乱れてしまいます。具体的には、常に口を開いた状態では下顎が舌の圧力に押されて、徐々に下がっていきます。そのまま成長してしまうと、下顎が過剰に発達して出っ歯になってしまうのです。
口呼吸が原因で受け口になる
口呼吸が原因で、受け口になることもあります。常に口を開けていて舌が下がると、呼吸もしづらくなります。呼吸をするには、下顎を突き出して気道を確保しなければなりません。

実際に下顎を突き出してみるとわかりますよ。
ほんとだ!喉の奥が開いた!
歯並びが原因で口呼吸になることもある
反対に、歯並びが原因で口呼吸になることもあります。元々歯並びが良い人でも、長年口呼吸をすることによって下顎の形が変わってしまい、結果的に出っ歯や受け口、その他の不正咬合になってしまうのです。
難しい言葉が出てきましたよ。

不正咬合とは、咬み合わせが正しくない歯並びの総称です。
口呼吸が及ぼすその他の弊害

口呼吸は、歯並び以外にも以下のようなたくさんの弊害があります。
- 虫歯や歯周病になりやすくなる
- 口臭がきつくなる
- 色々な病気にかかりやすくなる
- 睡眠不足になりやすくなる
- 学習意欲に影響が出ることがある
- 食べ物を上手に食べることができない
- 姿勢が悪くなる
常に口を開けていると、酸素だけでなく空気中の細菌やウイルスも体内に取り込んでしまいます。また、口内が乾くと唾液の抗菌作用が働かなくなって、虫歯や歯周病にもかかりやすいので注意が必要です。唾液の減少は、口臭にもつながります。空気中の細菌やウイルスを吸い込んでしまうということは、全身の免疫力が下がって色々な病気になりやすくなります。
また、舌が下がることで、睡眠時無呼吸症候群などにもなりやすいです。そこまでにならなくても、空気の通りが悪くなれば睡眠の質が下がり、疲れが十分に取れなくなって昼間の活動にも影響が出ます。日中ぼんやりしたり、勉強や作業にも集中できなくなるでしょう。同時に、口呼吸をしていると咀嚼がうまくできなくなり、くちゃくちゃ食べや消化不良も起こりやすくなります。
さらに、下顎が下がることで猫背になり、結果的に姿勢が悪くなる原因にもなります。
こんなにたくさん!育児中のママは必見ね。

口の筋肉が弱くなると、視力にも影響があることが分かってるんですよ。
いいことなにもな〜い!
口呼吸を治すことができる5つの対策

様々な弊害をもたらす口呼吸ですが、歯医者さんの力や自力で改善することが可能です。
それ、知りた〜い!
- 歯列矯正をする
- 口腔筋機能訓練を受ける
- 鼻呼吸テープを使用する
- 自分で口のトレーニングをする
- 耳鼻科に相談する
歯列矯正をする
歯並びが悪い人は、歯並びを治すと自然に口呼吸が治ることが多いです。特に子どもの場合は成長段階で矯正をすれば、その後の咬み合わせなども早期に改善できます。また、子どもの矯正は顎の成長を利用するので、抜歯をしなくても済む場合がほとんどです。また、歯並びは容姿にも関係があるので、矯正後は積極的な性格に変わることも多いです。
歯が整ったら前向きになれそうですね。

全体的にはつらつとする子が多いんですよ。
口腔筋機能訓練を受ける
口腔筋機能訓練とは、矯正歯科で行うお口の周りの筋肉トレーニングです。ほとんどの矯正歯科では矯正とともに口腔筋機能訓練をしています。口周りの筋肉は、矯正にも影響があるからです。
筋肉も歯に関係があるんですね〜。意外!

筋肉が強くなれば、口を閉じやすくなります。
鼻呼吸テープを使用する
鼻呼吸テープは歯医者さんで販売していますが、ドラッグストアなどで手に入れることもできます。鼻呼吸テープとは、就寝時にテープで口を塞いで、自然と鼻呼吸にするものです。万が一、鼻詰まりなどで苦しくなっても、ちょっと力を入れて口を開けば、自然と剥がれるようになっているので安心してください。

起床時の口の乾きや口臭も軽減されますよ。
一石三鳥ですね。
自宅でお口のトレーニングをする

自宅でもできるんですか?

はい、簡単ですよ。
あいうべ体操
- 「あー」口を大きく開く
- 「いー」口を大きく横に広げる
- 「うー」口を前に強く突き出す
- 「べー」舌を突き出して下に伸ばす
1日30セットが目安です。
風船を膨らます
ゴム風船を口でふくらませると、頬やお口周りの筋肉を使うので、自然とトレーニングができます。コツは、できるだけ空気を吹き続けること。ただし、酸欠にならないよう注意してください。風船は100円ショップなどで購入できます。
耳鼻科に相談する

口呼吸の原因が鼻詰まりやアレルギーなどの場合は、耳鼻科に相談しましょう。小さな子どもに多い「咽頭扁桃の肥大」は、歯並びにも影響するので早めの受診が望ましいです。
鼻詰まりって意外と辛いんですよね〜。

耳鼻科で治療を受けつつ、歯科医院で矯正治療や口呼吸の改善を行うといいですよ。
口呼吸は早めに治そう!
口呼吸は歯並びに大きな影響を及ぼします。特に成長過程にある子どもの場合には、その後の姿勢や睡眠の質、学習機能にまで関係します。口呼吸に気づいたら、早めの対処が重要です。
口呼吸って、ただ息だけの問題じゃないんですね。

そうですね。全身の健康に関係があるので、早いうちに改善しましょう。
- 口呼吸は出っ歯や受け口の原因になる
- 歯並びの悪さが口呼吸の原因になることもある
- 口呼吸は全身の健康や生活習慣にも悪影響を及ぼす
- 歯科でできる改善方法は、口腔筋機能訓練や矯正治療
- 自宅でできる改善方法は、あいうべ体操や風船をふくらませること