【八重歯の矯正治療】八重歯は治した方が良い?そのメリットと治療法

「八重歯が可愛い」といわれて育ったけれど、「大人になって恥ずかしくなってきた」という人は少なくありません。
八重歯は口元で目立つため、「口を開けて笑ったり喋ったりしにくい」というお悩みもよく耳にします。
口内炎ができやすい、虫歯になりやすいなど、実はデメリットも多く、健康への影響も気になるところです。
ここでは、メリットが多い八重歯の治療と、どんな治療法があるのかについてお伝えします。



八重歯というのは、歯並びが乱れて、他の歯と重なっている歯のことを指します。かつては、前歯の隣に尖っている歯があったら「チャームポイントは八重歯」などと表現されていましたが、それは「犬歯」のことでした。
八重歯が犬歯に起こりやすいので、混同する人が増えて今に至っているのでしょう。
重なってデコボコした歯並びの原因になっている歯のことを叢生(そうせい)・乱杭歯(らんぐいば)といいます。八重歯もそのひとつです。
ここでは、通称となっている「尖っている犬歯」のことを「八重歯」と呼びます。



歯がすべて生えそろうと32本と決まっています。親知らずが生えない人も多いため、その分の個人差を含める永久歯の本数は28~32本です。
これらの歯がアーチ型の歯並びのラインにすべて治まり切れない場合、歯並びに乱れが生じ、八重歯が飛び出してしまいまうのです。
歯が並ぶスペースがなくなる理由は色々と考えられます。生まれつきの遺伝で顎の骨格が小さいことや、硬いものを噛まない食生活の影響で顎が小さく成長しやすいことなどが考えられます。
特に現代人の顎は昔より小さくなっている傾向にあり、すべての歯が正しい位置に並べないケースが増えています。
特に犬歯が八重歯になる傾向にあるのは、他の歯より後で生えてくるからです。犬歯が生えてくる頃には、他の歯でスペースがいっぱいになっていて、犬歯が正しい位置に生えることができないという状態に。そして、歯並びから飛び出して八重歯になるのです。






ここでは、八重歯を治療すると、どんなメリットがあるのか紹介します。
日本でも「鬼歯」と呼ばれることもあるので、八重歯が牙を連想させるのは世界共通ですね。
八重歯のように歯が重なっていたり飛び出したりしていると、そこに汚れが蓄積しやすくなります。矯正によって口臭を予防できます。
気を付けて歯磨きをしていても、歯ブラシが届きにくい、歯間ケア用のデンタルフロスなどが歯の形状に合わない、といった問題があります。八重歯の影響でキレイに歯垢を取り除くのが難しいケースは、矯正によって、その状態を改善できます。
口内炎の発生や、細菌感染しやすい口内環境の原因になりますので、予防のためにも八重歯の矯正は有効です。
それは、汚れが蓄積しやすい、歯ブラシが届きにくく磨きにくいことが原因です。しかも、さらに犬歯の八重歯は歯並びのなかでも非常に目立つ位置にあるため、口を開いた時に「歯が汚い」という印象の要因になりやすいのです。
他の歯を長持ちさせるためにも、八重歯の矯正は役立ちます。



八重歯の生え方によっては、抜歯をして治療を行います。
そう聞くと八重歯そのものを抜くものと誤解されがちですが、そうではありません。抜くのは、八重歯の奥の歯である小臼歯です。
奥の歯を抜いてスペースを作り、八重歯が正しい歯列に並べるように矯正で動かしていきます。
また、診断の結果、ほかの場所に虫歯が見つかった場合、その歯を抜歯してスペースを作ることもあります。

八重歯の生え方によっては、抜歯をせずに歯を動かすこともできます。
その場合はディスキングといって、歯の左右を少し削って歯の幅を小さくし、八重歯を動かすためのスペースを作ります。
歯を削るというと驚くかもしれませんが、削るのは歯の表面のエナメル質をほんのわずか。歯の負担にならない程度の、1㎜にも満たない少しの量です。

顎のスペースに歯が並びきれずに八重歯が飛び出してしまっている場合、顎を広げるための治療を行います。
顎のスペースを広げることができれば、抜歯をせずに矯正できます。
「できれば抜歯は避けたい」という歯医者さん、患者さんが多いので、最近はこの治療法を選択されるケースが増えています。
この治療が適応するかどうか、まずはお口の状態の診断を受けましょう。



八重歯と呼ばれる犬歯ですが、すべての永久歯の中でも最もといってよいほど重要な歯です。何らかの理由で犬歯を抜歯しなければならない場合は、慎重に検討しなければなりません。
よほどのことがないと、歯の矯正のために八重歯そのものを抜くことはしません。
歯の根が深く、顎の位置や噛み合わせの決め手のなる歯なので、これを失うと顔のバランスが崩れて顔がゆがむ恐れもあるのです。
安価な八重歯矯正では、八重歯そのものを抜いて差し歯にするといった治療が存在しますが、避けた方がよいでしょう。
八重歯の治療の際に、「犬歯を抜く」と歯医者さんから提案を受けたら、きちんと理由を聞きましょう。納得できない理由の場合は、歯科医院を変えた方がいいかもしれません。



八重歯の矯正治療をすると、見た目にも、健康面でも、たくさんのメリットがあります。
とはいえ、八重歯そのものを抜くのはハイリスク。八重歯がきれいに並ぶようにスペースをつくる方法や、すでに虫歯に侵されているなど優先順位の低い歯を選んで抜歯する方法が取られます。
歯科医院のホームページで確認する、歯科医師に納得できるまで質問するなど、八重歯の治療方法が安全であるかしっかりと見極めて、それから治療を受けるようにしてください。
八重歯は口元で目立つため、「口を開けて笑ったり喋ったりしにくい」というお悩みもよく耳にします。
口内炎ができやすい、虫歯になりやすいなど、実はデメリットも多く、健康への影響も気になるところです。
ここでは、メリットが多い八重歯の治療と、どんな治療法があるのかについてお伝えします。
この記事がおすすめな人
- 八重歯がチャームポイントと思っていたけど、最近気になり出した。
- 八重歯を治して歯並びをきれいにしたい。
- 八重歯の矯正方法について知りたい。
- 八重歯を矯正すると、どんなメリットがあるのか知りたい。
INDEX
”八重歯”は誤解されている?

ネコさん
先生、八重歯って前歯の横にある尖った歯のことじゃないんですか?

宮田先生
違います。よく誤解されているのですが、それは犬歯です。
ネコさん
え~!びっくり。犬歯と八重歯って違うんですね…!
八重歯が犬歯に起こりやすいので、混同する人が増えて今に至っているのでしょう。
重なってデコボコした歯並びの原因になっている歯のことを叢生(そうせい)・乱杭歯(らんぐいば)といいます。八重歯もそのひとつです。
ここでは、通称となっている「尖っている犬歯」のことを「八重歯」と呼びます。
どうして八重歯になるの?

ネコさん
先生、八重歯になる原因って何なんですか?

宮田先生
顎の大きさが足りないからです。顎の骨格に、すべての歯が並ぶことができるスペースがないため、歯並びから飛び出してしまったと考えられます。
ネコさん
ハッ…!わたしの八重歯って、もしかして小顔だから…⁉
これらの歯がアーチ型の歯並びのラインにすべて治まり切れない場合、歯並びに乱れが生じ、八重歯が飛び出してしまいまうのです。
歯が並ぶスペースがなくなる理由は色々と考えられます。生まれつきの遺伝で顎の骨格が小さいことや、硬いものを噛まない食生活の影響で顎が小さく成長しやすいことなどが考えられます。
特に現代人の顎は昔より小さくなっている傾向にあり、すべての歯が正しい位置に並べないケースが増えています。
特に犬歯が八重歯になる傾向にあるのは、他の歯より後で生えてくるからです。犬歯が生えてくる頃には、他の歯でスペースがいっぱいになっていて、犬歯が正しい位置に生えることができないという状態に。そして、歯並びから飛び出して八重歯になるのです。
八重歯を治療すると得られるメリット

ネコさん
八重歯が可愛いって言われることもあるけど、治したほうがいいんですか?

宮田先生
そうですね、八重歯がチャームポイントといわれるのは日本だけかもしれませんね。
ネコさん
えー!八重歯が可愛いって育てられたのに…。地味にショックです…

宮田先生
八重歯を治療すると、メリットがたくさんあるんですよ。
ネコさん
メリット…早くメリットが知りたいです…!
八重歯を治療するメリットは多い?
子どもの頃はかわいいと思っていた八重歯ですが、「大人になって気になり始めた」という人は、たくさんいます。それだけ生活の上で不便やデメリットを感じている人が増えるということでしょう。ここでは、八重歯を治療すると、どんなメリットがあるのか紹介します。
1.見た目がキレイになる
八重歯を矯正すると歯並びがキレイに整いますので、見た目の印象がアップし、自信が出るので、快活に笑ったり喋ったりできるようになることは、何より毎日の生活にプラスになることでしょう。八重歯は、日本ではチャームポイントといわれることもありますが、欧米ではあまり評判がよくありません。ドラキュラのイメージが強いからです。欧米では、そのため歯列矯正する人が多いといわれています。日本でも「鬼歯」と呼ばれることもあるので、八重歯が牙を連想させるのは世界共通ですね。
2.口臭を予防できる
口臭を気にして常にケアしている人も多いと思いますが、八重歯の人は、そうでない人よりも口臭がきつくなるリスクが高いといえます。八重歯のように歯が重なっていたり飛び出したりしていると、そこに汚れが蓄積しやすくなります。矯正によって口臭を予防できます。
3.虫歯や歯周病を予防できる
口臭と同様に、汚れがたまりやすいと虫歯や歯周病のリスクも高まります。気を付けて歯磨きをしていても、歯ブラシが届きにくい、歯間ケア用のデンタルフロスなどが歯の形状に合わない、といった問題があります。八重歯の影響でキレイに歯垢を取り除くのが難しいケースは、矯正によって、その状態を改善できます。
4.口内炎を予防できる
先が尖った状態になっている犬歯の八重歯は、生え方によってはお口の中を傷つけやすいというデメリットを抱えています。口を閉じにくいため口内が乾きやすくなったり、唇を噛みやすくなったりするリスクも高まります。口内炎の発生や、細菌感染しやすい口内環境の原因になりますので、予防のためにも八重歯の矯正は有効です。
5.黄ばみを予防できる
歯は、個人差はあるものの加齢とともに黄ばんでいく傾向にあるものですが、なかでも特に犬歯が黄ばみやすいということをご存知でしょうか?それは、汚れが蓄積しやすい、歯ブラシが届きにくく磨きにくいことが原因です。しかも、さらに犬歯の八重歯は歯並びのなかでも非常に目立つ位置にあるため、口を開いた時に「歯が汚い」という印象の要因になりやすいのです。
6.周りの歯が長持ちする
八重歯は、歯並びから飛び出しているせいで噛み合わせる力に貢献できていない場合があります。その分、ほかの歯に負担がかかってしまうのです。他の歯を長持ちさせるためにも、八重歯の矯正は役立ちます。
八重歯を治療する方法
ネコさん
先生、早く八重歯を矯正したくなってきました~!どんな治療方法があるのか知りたいです。

宮田先生
八重歯の矯正には大きくわけて3つの方法があります。
ネコさん
わたしに合う方法はどれかな~?
抜歯して歯の本数を減らす

そう聞くと八重歯そのものを抜くものと誤解されがちですが、そうではありません。抜くのは、八重歯の奥の歯である小臼歯です。
奥の歯を抜いてスペースを作り、八重歯が正しい歯列に並べるように矯正で動かしていきます。
また、診断の結果、ほかの場所に虫歯が見つかった場合、その歯を抜歯してスペースを作ることもあります。
歯の幅を小さくする

その場合はディスキングといって、歯の左右を少し削って歯の幅を小さくし、八重歯を動かすためのスペースを作ります。
歯を削るというと驚くかもしれませんが、削るのは歯の表面のエナメル質をほんのわずか。歯の負担にならない程度の、1㎜にも満たない少しの量です。
顎のスペースを拡げる

顎のスペースを広げることができれば、抜歯をせずに矯正できます。
「できれば抜歯は避けたい」という歯医者さん、患者さんが多いので、最近はこの治療法を選択されるケースが増えています。
この治療が適応するかどうか、まずはお口の状態の診断を受けましょう。
八重歯を抜いてしまうのはハイリスク!

ネコさん
先生、抜歯する場合、八重歯そのものを抜くのかと思っていました。違うんですねー!

宮田先生
美容目的で、八重歯を抜いて差し歯にするといった治療が流行っているようですね。適切な医療行為とはいえないため、あまりおすすめできません。
ネコさん
安くできそうと思って飛びつくところだったけど、やっぱり危険なんですねー。危ない危ない、気をつけなくちゃ。
よほどのことがないと、歯の矯正のために八重歯そのものを抜くことはしません。
歯の根が深く、顎の位置や噛み合わせの決め手のなる歯なので、これを失うと顔のバランスが崩れて顔がゆがむ恐れもあるのです。
安価な八重歯矯正では、八重歯そのものを抜いて差し歯にするといった治療が存在しますが、避けた方がよいでしょう。
八重歯の治療の際に、「犬歯を抜く」と歯医者さんから提案を受けたら、きちんと理由を聞きましょう。納得できない理由の場合は、歯科医院を変えた方がいいかもしれません。
八重歯を治療して歯並び美人になろう!

ネコさん
八重歯を治したら、想像していた以上にいいことがたくさんあるんですね~!

宮田先生
見た目がきれいになるのはもちろんですが、歯並びがよくなりますので、健康効果にも大いに期待できますよ。
ネコさん
わ~!良いこと尽くし!
とはいえ、八重歯そのものを抜くのはハイリスク。八重歯がきれいに並ぶようにスペースをつくる方法や、すでに虫歯に侵されているなど優先順位の低い歯を選んで抜歯する方法が取られます。
歯科医院のホームページで確認する、歯科医師に納得できるまで質問するなど、八重歯の治療方法が安全であるかしっかりと見極めて、それから治療を受けるようにしてください。
記事のポイントをチェック
- 八重歯の矯正治療には、たくさんのメリットがある。
- 八重歯を治療すると、見た目がよくなる上に歯の健康を保てる。
- 一般的に八重歯と思われている歯は、歯並びから飛び出した犬歯。
- 八重歯の治療を行う場合、犬歯は重要な歯なので抜かないのが基本。