叢生(そうせい)・八重歯は矯正すべき?治療の疑問にお答えします

そのため、世代によってはせっかくの八重歯を矯正するなんてという考え方の人もいるかもしれませんね。
ここでは、八重歯を含む叢生(そうせい)は矯正すべきなのか、放置していた場合のリスクや、矯正治療の方法などをまとめています。参考にしてみてくださいね。
- 叢生って八重歯も含むの?矯正した方がいいのか気になっている人。
- 叢生は、どんな矯正方法で治せるのか知りたい人。
- 叢生の矯正治療は、抜歯が必要?できれば抜歯したくないという人。
叢生(そうせい)とは、どんな状態?

先生、叢生ってどんな状態ですか?八重歯も叢生なんですよね…?

叢生は、歯が前後に重なり合っていて、デコボコしている状態です。乱ぐい歯ともいうんですよ。犬歯の八重歯も叢生のひとつです。
日本人の不正な歯並びの中で、圧倒的に多い状態で、全体の44.3%を占めます(厚生労働省 平成23年歯科疾患実態調査より)。
2番目に多い上顎前突…いわゆる出っ歯は12.9%。3番目のすきっ歯は12.4%と大きく差をつけています。
叢生は治したほうがいいの?その理由は?

先生、叢生は矯正治療したほうがいいんでしょうか?八重歯がかわいいって言われて育ったので、ちょっぴり複雑だったりして…。

そうですね、日本では八重歯はチャームポイントとも、いわれていますね。では、叢生を治さない場合のリスクについてまとめましたので下記をご覧ください。
- 見た目がコンプレックスにつながる
- 前歯の凸凹がどんどんひどくなる
- 虫歯や歯周病になりやすい
- 食べ物を上手く噛めない
- 発音しにくい
- 身体の歪み、肩こりなどにつながる
- 顎関節症の原因になる
顔の骨格のバランスが崩れ、顔に歪みが生じたり、肩こりや顎関節症の慢性化につながったりすることも…。
また、歯が重なっている部分に歯垢がたまりやすく清掃しにくいので、虫歯や歯周病のリスクも高まります。
叢生になる原因は?

先生、叢生のように歯並びが悪くなってしまうのって、どうしてなんでしょうか?なぜ、まっすぐ生えないのかな…。

叢生に限らず、歯並びが悪くなるのは、歯がキレイに並ぶためのスペースが十分ではないからです。顎が小さいせいでアーチ型の歯列に歯がすべて入り切れずに推し出されてデコボコになるケースが多いですね。
え…、原因は顎が小さいから…?つまり小顔だからなんですね~!そっか、わたしの八重歯は小顔のせいだったんだ…!
また、乳歯から永久歯に生え変わるタイミングで、予定より早く乳歯が抜けてしまうことがあります。そうなると、そこにできたスペースに周りの歯が移動してきてしまい、永久歯が生えるときにはスペースがなくなっていた、なんていうことも。そうなると、後から生えてくる永久歯が歪んで生えてこざるを得ないのです。
叢生は矯正で治療できる!

先生、叢生のようなデコボコした歯並びは、矯正治療でキレイに治すことができるんでしょうか?外科手術をしなくちゃいけないですか…?ちょっと怖いなぁ…。

叢生の治療は、矯正で行うことができます。歯のデコボコや八重歯が問題なら、外科手術をしなくてもよいケースが多いでしょう。
そうなんですねー!少し安心…!それなら、矯正やってみようかな…先生、どんな矯正があるのか知りたいです!

はい、では叢生の矯正治療の方法を下記にまとめましたので、ご覧ください。
ワイヤー矯正
一般的に歯列矯正と聞いてイメージする金属製の矯正器具を取り付けて行う治療です。歯の表面に、ブラケットを接着剤でとりつけて、そこに金属製のワイヤーを通し、歯を動かしていきます。目立たない裏側矯正もできる
周りの人に気づかれないで矯正を進めたい、という場合は、歯の裏側にブラケットとワイヤーを取り付ける裏側矯正もできます。舌側に装置をつけるので慣れるまで少し違和感はありますが、矯正装置が目立たないというストレスの軽減が得られることのほうがメリットが大きいといえるでしょう。
マウスピース矯正
目立たない透明のマウスピースで行う矯正です。マウスピース矯正は、基本的に軽度の治療に向いているので、矯正のスピードにこだわる人は、ワイヤー矯正と組み合わせる場合もあります。床矯正
顎の大きさを広げて、歯がすべて歯列に並ぶようにスペースを確保する矯正方法です。主に成長期のお子さん向けの治療ですが、場合によっては大人が行うこともあります。
部分矯正
歯並びがデコボコになっている叢生では、なかなか部分矯正が適用するケースは少ないといえます。ただし、何らかの事情で、急いで一部分だけ治したいときは部分矯正を行うこともあります。後戻りしやすい、適用する歯並びが少ないなどリスクもありますので、歯医者さんとよく相談して行ってください。
叢生(そうせい)矯正治療は抜歯が必要なこともある?

叢生の矯正治療って、抜歯することもあるんですか…?

そうですね、お口の状態によっては抜歯することもあります。歯をキレイに並べるスペースがない場合は、抜歯をして空間をつくることもあります。
八重歯になっているから仕方ないですね。残念だけど抜いちゃってください…!

抜くのは、八重歯になっている犬歯ではないですよ。
えっ、違うの…!?

上下の噛み合わせに関わりの深い歯はなるべく抜かない方がよいんです。犬歯はとても重要な歯なので、犬歯が飛び出していたとしても抜くのは別の歯です。
抜歯するのは主に「小臼歯」
抜歯するのは、前から4番目~5番目の小臼歯が選ばれることが多いです。上下に2本ずつ、合計4本あります。お口の状態が目的に合えば、親知らずを抜いたり、虫歯や銀歯などの優先順位の低い歯を抜いたりすることもあります。
抜いてはいけない歯がある!
八重歯になっている犬歯が歯並びから飛び出ていて邪魔だからといって、抜いてしまうことは基本的にありません。犬歯は、根が長く丈夫な歯のため、上下の顎の噛み合わせに重要な役割を担っているのです。デコボコになっていても犬歯や前歯そのものを抜くことは、あまりありません。別の歯を抜いて、キレイな歯並びになるよう並べていきます。
デコボコ具合が軽度なら非抜歯でも矯正できる!
叢生で歯並びがデコボコでも、それが軽度で大きく歯を動かす必要がなければ、歯は抜かずに矯正を行います。抜歯するか、非抜歯になるか、お口の状態を診断した上で決まりますが、もし、できるだけ歯を抜きたくないといった希望があるなら歯医者さんに相談してみてください。検討してもらえる場合もあります。
ただし、無理をして非抜歯で矯正を進めると、治療の進みが遅かったり、矯正できてもすぐ元に戻ってしまったりすることがあります。歯を残すメリット・デメリットを担当医とよく相談して決めましょう。
幼少期から始めれば歯を抜かなくて済む確率が高い
乳歯が残っている時期から矯正を始めれば、抜歯せずに矯正できる可能性が高くなります。歯がすべてきれいに並ぶように、顎の成長を促す矯正方法を行うことができるからです。治療期間は長くなる傾向にありますが、健康な歯の本数を減らさずに残せるのは、お子さんの将来の健康にとってプラスになるでしょう。
叢生が気になったら早めに矯正専門医に相談しよう

先生、叢生はやっぱり矯正した方がいいんですね~。

デコボコの歯並びは、たくさんのリスクを抱えていますので、できるだけ早めに歯科医に相談するようにしてくださいね。
そうします~!
- 叢生は、八重歯を含むデコボコの歯並びのこと。放置しているとリスクが多い。
- 早く矯正できる特殊なワイヤー矯正や、目立たない矯正など、矯正の方法は色々。
- 抜歯が必要なケースもあるが、軽度のデコボコなら非抜歯でも矯正できる。
- 乳歯が残っているうちから叢生の矯正を考えれば、抜歯せずにする可能性が高い。