受け口とは?受け口のタイプと子どもの矯正法・大人の矯正法

「生まれつき顎がしゃくれていて恥ずかしい」
「受け口を治すには手術するしかないの?」
受け口を気にされて治療法をお探しですか?
受け口は歯科矯正で治せるものと、骨を削る外科手術が必要なものがあります。
ここでは、どんな受け口がどんな治療で治せるのか、子どもと大人の治療の違いなどを詳しく説明しています。
最後まで読めば、治療にかかる費用相場や大体の日数なども分かります。ご自分やお子さんの受口が気になる方は、ぜひ読んでみてくださいね。
- 子どもの顎がしゃくれてるけど、治したほうがいい?
- 受け口の原因は?
- 受け口って治せるの?
- 受け口はどこで治せるの?
- おとなになってからでも受け口は治せる?
1.受け口の種類は2タイプ

受け口には2つのタイプがあります。
- 歯が原因の受け口
- 骨格が原因の受け口
歯が原因の場合は、従来よりも上の歯が内側に生えていたり、下の歯が外側に生えたりしているような状態です。通常は上の歯が外側ですが、受け口では反対になるので反対咬合とも呼ばれます。
骨格が原因の場合は、下顎の骨がずれている状態です。下顎は身長の成長に伴って大きくなるので、上顎より遅れて大きくなります。急激に身長が伸びた時期などがあると、下顎が急に大きくなることがあるのです。
では、それぞれのタイプの治療法を説明していきますね。
1-1. 歯が原因の受け口は矯正で治せる

歯の位置がずれて受け口になっている場合には、下記のような歯の矯正で治せます。矯正装置で時間をかけて歯をゆっくりと動かし、本来の歯の位置に整えていきます。
- ワイヤー矯正:歯にブラケットをつけワイヤーを通して行う
- マウスピース矯正:透明で着脱可能なマウスピースを24時間装着する
- 裏側矯正:歯の裏に行うワイヤー矯正
受け口以外にも乱杭歯などがある場合は、マウスピース矯正ができない場合もあります。

ワイヤー矯正はほとんどの症状に使えますが、最近は白や透明のものがあるので昔ほどは目立たないですよ。

白いワイヤー矯正って、矯正してるんだなっていうのは分かるけど、ごく自然な感じですよね〜。
1-2. 骨格が原因の受け口は外科手術が必要

下顎の骨が大きいなど骨格に原因がある場合は、余分な骨を切る手術を行います。受け口のまま生活をしていると歯並びも悪くなっていることが多いので、矯正治療と並行して行います。

もちろん、外科手術だけで改善するケースもありますよ。

そうなんですね。専門家に診てもらえばなりたい歯並びになれるから安心ですね〜。

そうですね。受け口の外科手術は、口腔外科や矯正歯科が併設された病院で行なえますよ。
2. 子どもの受け口の矯正は成長を利用して治療できる

子どもの受け口の場合は、顎の成長を利用して改善することが可能です。永久歯に生え変わる前の5〜6歳くらいまでなら、幼児専用のマウスピースを使い、口周りの筋肉や舌の位置をトレーニングすることで治せます。
6歳〜13歳くらいまでの生え変わり時期なら、まだ顎を拡大できます。床矯正という装置で上顎を拡大し、下顎とのバランスを整えて受口を改善するのです。
完全に永久歯に生え変わった15歳以上は、大人と同じ矯正方法で治します。
2-1. 治療法と費用・期間の目安

それぞれの治療法と費用相場・期間をまとめると、以下のようになります。
生え変わる前 (〜5、6歳位まで) | 生え変わり時期 (〜12、3歳位まで) | すべて永久歯 (14、5歳〜) | |
---|---|---|---|
治療方法 | 夜間だけつけるマウスピース(ムーンシールド) | 顎の拡大矯正(床矯正装置) | ワイヤー矯正、マウスピース矯正、裏側矯正 |
治療費相場 | 5万円程度 | 10万円程度 | 15〜70万円程度(装置によって異なります) |
治療期間 | 半年程度 | 半年〜 | 1〜2年程度 |

う〜ん、なんだか治療期間がはっきりしてなくて分かりづらいですね…。

取り外し可能な装置だと本人の頑張りが左右しますし、成長度合いも見ながらすることになるので、はっきり何年ですとは言い切れないんですよ。

へぇ〜、そうなんですねー。
3. 大人の受け口の治療法と費用・期間の目安

大人の受け口の場合、ある程度受け口の状態のまま生活していますね。そのため、ただ下顎が前に突き出ているだけでなく、歯並びが悪くなって左右にもずれていたり、顔が歪んでしまっていたりします。
そのような場合は、下顎を切る手術を行いつつ矯正もして歯並びを整える必要があります。
ワイヤー矯正 | 裏側矯正 | マウスピース矯正 | 下顎骨切り手術 | |
---|---|---|---|---|
治療費相場 | 60〜100万円程度 | 100〜150万円程度 | 80〜100万円程度 | 150〜300万円(自由診療の場合) |
治療期間 | 1〜3年程度 | 1〜3年程度 | 1〜3年程度 | 検査〜手術後の処置までで程度 |
ただし、顎変形症と診断された場合は保険が適用され、矯正も手術も3割負担等になります。また、治療費総額が10万円または所得の5%以上になった場合は、高額医療費制度や医療費控除が使えます。

高額医療費制度や医療費控除ってどうやって使うんですか?

過剰分を払い戻してもらったり税金分から引いてもらったりできるんですよ。詳しくは国税庁のホームページを見てみてくださいね。

分かりましたー!
4. 受け口を放置すると起こる8つのリスク

もしも受け口をそのままにしておくと、以下のようなリスクが起こる可能性があります。
- 下の歯が上の歯ぐきに食い込むことがある
- 歯がダメになり折れたり抜けたりすることがある
- 咀嚼しにくい
- 発音がしづらい
- 姿勢が悪くなる
- 顔の左右が歪む
- 顎関節症になる可能性が高い
- 肩こりや腰痛を引き起こす

うわっ〜。できれば子どものうちに治しておきたいですね〜。

そうなんです。大人になってからだと骨の成長が止まっているので、どうしても色んな悪影響が出ちゃいますね。
5. 受口を治療するなら矯正歯科が良い理由

受口を治療するには、一般歯科ではなく矯正専門の歯科がおすすめです。さらに、矯正専門といっても、矯正専門の医師が常駐しているかどうかがポイントになります。
一般歯科や矯正もしている一般歯科では、顎骨や頭部のレントゲンの設備がないため、できる範囲内の治療(歯の矯正)しか行ないません。しかし、矯正専門の医師が常駐しているような矯正専門歯科医院であれば、頭部のレントゲンが撮影でき、顎のズレや大きさが原因で、どんな治療が必要かを判断できます。

ということは、つまり…?

受け口の矯正歯科を選ぶときは、頭部のレントゲン(セファロ)の機械があるかどうかを事前に調べるといいですよ。

はーい!
6. 受け口は早めに専門家に治療してもらうのがおすすめ
受け口は、放置しておくと身体に様々な悪影響をもたらします。矯正しようと思ったときにするのが良いですが、医師選びは慎重にしましょう。医療界には標榜の自由というものがあり、経験がなくても「矯正専門医」と名乗ることができます。看板で判断するのではなく、矯正専門の医師がいるか、セファロを行っているかなどをポイントに探してみてくださいね。
- 歯が原因の受け口は矯正で治せる
- 骨が原因の受口は下顎の余分な骨を切る手術が必要
- 子どもの場合は成長を利用して受口を治していける
- 大人の場合は外科手術と矯正治療を並行する場合が多い
- 受口を放置すると全身の骨が歪み、顔の左右の歪みや姿勢の歪みにつながる