矯正装置が歯茎に食い込んで痛い!これって正常?対処法は?

矯正をはじめてする人にとって、その痛みが当たり前のものなのか、それとも緊急事態なのかよくわからないことがありますね。矯正装置が歯茎に食い込んで痛い場合もそうです。
矯正中には想定内の痛みとそうでないものとがあり、もしそうでない場合の痛みを放置しておくと、トラブルのもとになるので危険です。この記事では、歯茎に装置が食い込むという現象について、詳しくご紹介します。自分の場合はどうなのかを判断する材料としてお使いください。
- 矯正装置が歯茎に食い込んでるけど、こういうものなの?と思っている
- 歯茎に食い込んだブラケットが痛い
- 矯正装置のワイヤーが歯茎に食い込んでいる
- 矯正のゴムかけが歯茎に食い込んで腫れている
パターン別の対応

まずは、矯正装置がどのように歯茎に食い込んでいるのかを明確にしましょう。だいたいは、以下の3つのパターンに分かれます。
- リンガルアーチのリングが歯茎に食い込んだ場合
- ブラケットやワイヤーが食い込んだ場合
- ゴムかけのゴムが歯茎に食い込んだ場合
矯正装置といっても色々ありますよね〜。

そうなんです。どの装置がどのように食い込んでいるのか、まずは確認しておく必要があります。
リンガルアーチのリングが歯茎に食い込んだ場合

リンガルアーチを用いる矯正治療では、バンドとよばれる金属の輪を歯茎の内側に入れるようにして装着します。通常は多少食い込んでいても痛みを感じません。痛みを感じる場合で多いのが、金属を取り外すタイミングです。歯と歯茎の境目はプラークが溜まりやすいので、数ヶ月に一度は外してメンテナンスする必要があります。このときに、痛いと訴える人が多いです。
痛みが出るタイミングと位置をしっかり伝える
着脱の際に痛みが大きければ、歯科医師に伝えましょう。痛みがイヤで通院しなくなってしまうと、矯正治療が続かなくなってしまいます。それでは治療計画が崩れて医師も困ってしまうので、痛くない対処法を考えてくれるでしょう。

どのタイミングで痛いのか、我慢できないくらい痛いなどをきちんと伝えることが重要です。
なるほど〜。特に子どもの場合は具体的に言えないから、保護者がサポートしてあげるといいですね。
ブラケットやワイヤーが食い込んだ場合

歯が矯正によって動いてきた際に、奥歯のブラケットからワイヤーが外れて粘膜に食い込むことがあります。その場合は医師に連絡してすぐに対応してもらいましょう。細いワイヤーなどの場合は、「爪切りなどでワイヤーを切ってください」と指示されることもあります。
ワイヤーを切る・ワックスでカバーする
ブラケットが唇の裏や頬などに当たって痛みがある場合は、歯科医院で歯科専用ワックスがもらえます。ワックスをまるめてブラケットと粘膜の間にはさみましょう。ブラケットにかぶせるようにワックスをつけると効果的です。
また、メインのワイヤーをブラケットにつなぐ結紮線(けっさつせん)の端っこが出ている場合は、ワイヤーの下に押し込んでください。
ブラケットとワイヤーの装置は色々なパターンが考えられるんですね。

ワックスは口内炎などを防いでくれるので、ぜひ活用してくださいね。
ゴムかけのゴムが歯茎に食い込む

ゴムかけも矯正装置と同じで、つけはじめの頃は痛みを感じます。ゴムかけのゴムは矯正装置と同じくらいに引っ張る力があるからです。
痛みが続くようなら医師に相談
だいたい3日〜5日くらいすると痛みは徐々になくなっていきますが、中にはゴムの力が強すぎる場合もあります。そういった場合には強さを調整して装着期間を伸ばすなどの対処をしてくれるでしょう。
我慢して継続した結果、顎関節症になってしまう人もいますので、あまりにも痛みが続く場合は無理をせずに歯科医師に相談してください。
顎関節症になるのは怖いわ〜。

まれにですけどね。顎が小さい人はなりやすいので、注意が必要です。
自己判断はNG

装着装置が歯茎に食い込んで痛い場合は、それが正しいのか正しくないのかを、まずは歯科医師に確認しましょう。医師は状態を見て、装置を調整したり、ワックスを使用して痛みを緩和する方法を教えるなどの対処をしてくれます。
自己判断しないってことですね〜。

そうですね。自分で「こういうもの」と思わないで、まずは医師に聞いてみてくださいね。
放置しておくとこんなリスクが!
矯正装置が歯茎に食い込んでいる痛みを放置ておくと、以下のような可能性があります。
口内炎になる

ブラケットやワイヤーなどの人工物が柔らかい粘膜に当たり続けると、炎症を起こして口内炎などになるリスクがあります。

歯が動く痛みに加えて口内炎の痛みが増えてしまうので、早めに医師に相談してください。
痛みが増えるなんてイヤです〜。
装置が壊れる

もし、装置がずれていて痛みが生じている場合、そのままにしておくと計算外の力が加わって装置が壊れてしまう可能性があります。
へぇ〜、そんなこともあるんですか?

まれにずれてしまうこともあります。その場合は矯正もうまくいきませんし、お口の中を怪我する可能性があるのですぐに連絡してください。
改善されない場合はセカンドオピニオンを利用する

矯正装置が歯茎に食い込んで痛みが生じていることを、担当医に告げて調整してもらっても改善されないような場合には、セカンドオピニオンを利用するのもおすすめです。
セカンドオピニオンは、今受けている治療をほかの医師に第三者の立場から確認してもらえるという制度です。セカンドオピオンによって同じ結果が出れば、安心して現在の治療を受け続けることができます。
でも〜、信用してないようでちょっと言いづらいです…。

ほとんどの医師はセカンドオピニオンに協力してくれると思いますよ。他の医師に変えるためではなく、患者さんの安心のための制度なので。
痛みや疑問が生じたらまずは担当医に聞いてみよう
矯正治療は長期間に渡って行うものです。途中で痛みなど苦しいことがあると、不安や疑問などが出てくるのは当然です。もしも矯正装置が歯茎に食い込んで痛いというような場合には、無理せずに医師に相談しましょう。チェックの結果、調整が必要と分かればただちに調整してくれます。また、着脱時に痛ければ緩和する対策を考えてくれるでしょう。
- 矯正装置に歯茎が食い込むポイントは矯正装置によって異なる
- リンガルアーチのバンドが食い込むのは着脱時
- ワイヤーやブラケットが当たる場合はワイヤーを切る・ワックスを使用する
- ゴムかけの痛みははじめだけ。痛みが続く場合は医師に相談する
- 誤ったまま装着し続けると口内炎や装置が壊れる可能性がある