矯正後のリテーナーは一生しないといけないの?リテーナーの装着期間

リテーナーは矯正治療後に使う保定装置です。しかし、意外にもリテーナーの装着期間がよく分からないという人が多く、1年という人もいれば一生必要と思っている人もいます。
矯正後のリテーナーの正しい装着期間はどれくらいなのでしょうか。歯科医監修の元、リテーナーの装着期間についてまとめてみました。
- リテーナーは一生つけなければならないと聞いたことがある
- リテーナーの本当の役割ってなに?
- 歯科医からリテーナーについてあまり説明されなかったけど大丈夫?
- リテーナーはいつまで装着すればいいの?
- リテーナーな1日何時間くらい装着すればいいの?
リテーナーを装着する期間

リテーナーを装着する期間は、矯正前の歯並びの悪さや矯正期間などによって異なりますが、だいたい1年〜3年といわれています。
矯正装置が外れた後も、一定期間は定期的に通院して戻り具合などをチェックします(保定期間)。この保定期間の通院時に、医師からリテーナーの装着期間や1日の装着時間などが指示されるでしょう。
通院は最初の頃は1ヶ月に1回のペースですが、徐々に2〜3ヶ月に1回、半年に1回と間が空いていきます。
だんだん減らしていけるんですね。

そのとおり。ただ、取り外しできる分忘れがちになるので、指示どおりにつけてくださいね。
1日にリテーナーを装着する時間
1日にリテーナーを装着する時間は、矯正装置を外した直後から時間経過に従って、徐々に減らしていきます。
1年〜1年半くらいは24時間が望ましい

矯正装置を外した直後から1年半くらいは、食事以外の時間、つまりほぼ24時間つけているのが望ましいです。
食事はなんでも食べていいんですか?

硬すぎるものなどは控えたほうがいいですが、その他は好きなものを食べられますよ^^
安定してきたら夜間のみ

時間の経過とともに安定してくるので、医師の指示にしたがって徐々に時間を減らしていきます。1日24時間だったのが半日、10時間、就寝時のみという具合です。
装着する日も毎日から2〜3日に一度など間隔を空けていきます。
寝る時だけつけるようになると楽ですね。

そうですね。日中は何もつけない状態になるので、矯正した喜びがより感じられるという人も多いです。
終了するタイミング

歯は随時動くものなので、一生リテーナーを使い続ければ後戻りは防げますが、それはとても面倒ですよね。医師からはっきりとした終了時期の指示がない場合、だいたいリテーナーが破損するのを機に辞める人が多いようです。
これで終わりですって言われないこともあるんですか?

本当は言うのがいいんですが^^;
だいたい2〜3年で終了ですが、なかには定期的な通院が終わっても2〜3年つけ続けるのを推奨する医師もいます。
リテーナーの種類
リテーナーにはいくつかの種類があります。自分では取り外せない固定タイプもありますが、ここではよく選択される着脱式タイプをご紹介します。どの種類を使うかは、ライフスタイルやお口の状態によって、歯科医師とよく相談して決めましょう。
マウスピース型

歯や歯ぐき全体を覆う透明のマウスピースタイプのリテーナーです。「ソフトリテーナー」「クリアリテーナー」などとも呼ばれます。全体が薄いプラスチック樹脂でできているので金属を使用しません。強度があまりないため、慎重に取り扱いましょう。
- 自分で着脱できる
- 透明のシリコンでできている
- 上下の歯が直接触れ合わない
- 装着していることが人から分かりにくい
- 発音を妨げない
人から気づかれにくいのはいいですね。

そうですね。接客業などの人はこちらを選択することが多いです。
床タイプ

「ベッグタイプリテーナー」「ホーレータイプリテーナー」と呼ばれるもので、金属のワイヤーにプラスチックの床(プレート)がついているタイプです。歯の表側をワイヤーで包み、裏側からプラスチックのプレートが歯列を抑えます。熱湯でお手入れすると変形や破損する恐れがあるので気をつけましょう。
- 自分で着脱できる
- 透明のプラスチックにワイヤーがついている
- 上下の歯が直接触れ合う
- 口を開けるとワイヤーが見える
- 発音しにくいことがある
- 強い衝撃を与えると変形する恐れがある

どちらのタイプも、歯みがき時に一緒にすると習慣化できますよ。
それ、いいですね!やっぱりずっと口に入れてるものだから、清潔にしたいですよね。
リテーナーを利用する際の5つの注意点
リテーナーを利用する際は、以下のことに注意しましょう。
1.食事中はリテーナーを外す

食事中は、リテーナーを外します。装着したまま食事をすると、リテーナーが変形したり、破損して口内を傷つけたりする恐れがあります。外にいるときは食事前に洗面所や化粧室などに行って外すと良いでしょう。食後は口内をきれいにしてから再び装着します。
口内をきれいにっていうのは、歯みがきとかでいいんですか?

はい。歯みがきや洗口液など一般的なケアで大丈夫です。
2.リテーナーをつけたままガムを噛まない

リテーナーをつけたままガムを噛んだ場合、ガムがリテーナーにくっついて取れなくなってしまうことがあります。
とくに床タイプのリテーナーは、無理に剥がそうとすると金属部分が歪んでしまう可能性があるので、ガムは控えるようにしましょう。
保定期間中はガムを噛まないって決めたほうがよさそうですね。

そうですね。ついうっかりということもないですね。
3.リテーナーはこまめに掃除する

お口の中に長時間入れているリテーナーは、細菌が繁殖しやすくなります。専用の洗浄剤や柔らかめの歯ブラシなどでこまめに清潔にしましょう。掃除を怠ると虫歯や歯周病の原因になります。
掃除をするタイミングは、歯みがき時がおすすめです。お手入れの方法は種類によって異なるので、歯科医院で確認してください。

床タイプの場合は、市販の部分入れ歯洗浄剤でもOKです。
なるほど。それはいいことを聞きました〜!
4.ケースに入れて保護する

使用の間隔が空いてくると、口に入れていない時間が多くなります。リテーナーは矯正装置よりも繊細で壊れやすいので、使っていないときは破損などを防ぐために保護ケースに入れておきましょう。

衛生的にもおすすめです。
そのままバッグなんかに入れないように気をつけます^^;
5.破損したリテーナーを使わない

破損したリテーナーはかみ合わせと合わなくなっているので、つけても理想の歯並びにはなりません。特に床タイプの場合はお口の中を傷つけてしまう可能性も考えられるため、破損したリテーナーは使わないようにしましょう。
リテーナーが少しでも壊れてしまったら、できるだけ早く歯科医院に持っていきましょう。少しの破損なら修理できますが、大きく破損してしまった場合には作り直す必要があります。

壊れた時点で保定できなくなるので、すぐに連絡を入れてくださいね。
そうですよね。後戻りするなんてイヤです。
リテーナーはしっかり使用して後戻りを防ごう!
リテーナーは矯正治療のおまけのように考えている人も多いですが、実は矯正の仕上げをするのにとても重要なものです。せっかく長い時間がんばって矯正した歯列を元に戻さないために、しっかりと使いましょう。
- リテーナーは1〜3年程度の期間使う
- 最初の1年半くらいは食事以外ほぼ1日装着する
- 安定してきたら徐々に装着する間隔が空いていき最終的には寝ているときだけつける
- リテーナーには着脱式だとマウスピースと床タイプの種類がある
- 食事中はリテーナーを外す
- リテーナーをつけているときはガムを噛まない
- リテーナーは歯みがき時に掃除する
- リテーナーは保護ケースに入れて保管する
- 破損したリテーナーは使わない