矯正中にすきっ歯になったけどこれって失敗?矯正中のよくあるお悩み

歯並びを良くするために矯正しているのに、矯正中にすきっ歯になってしまったら不安ですね。しかし、こういったケースは実はよくあります。ここでは、矯正中にすきっ歯になってしまった場合の原因や対処法をご紹介します。この記事を読み終わる頃には、きっと不安が解消するでしょう。
- 矯正中に前歯に隙間ができてきた
- 矯正したらすきっ歯になった!
- まだ矯正中だけどすきっ歯は途中経過なの?
- これまで順調に歯が動いていたのに隙間ができたら動かなくなった
- 裏側矯正で前歯の隙間が目立ってイヤだ
1.矯正中にすきっ歯になってしまった場合
矯正中にすきっ歯になってしまっても、その多くは計画的なものといえます。歯を動かす途中で歯列を整えるために、必要な過程である場合です。
1-1.矯正後には隙間は閉じます

矯正の途中で歯と歯の間に隙間が空いてすきっ歯になってしまっても、それは一時的なものです。矯正後には隙間が閉じてきれいな歯並びになるので心配ありません。もし心配なら、治療の折にでも隙間について担当医に聞いてみると良いでしょう。

治療中に不安などがあれば、気軽に質問してくださいね。不安を抱えたままではストレスになってしまうので。
へぇ〜、なんか治療を否定するみたいな気がしてたけど、聞いてもいいんですね。
1-2.歯根が動くスピードは遅い

最初はダイナミックに歯が動きますが、治療の後半に入るとなかなか歯が動かなくて隙間が閉じないといった現象がみられることがあります。治療の前半では主に傾斜した歯を起こしますが、後半では歯根を平行に動かす段階に入るためです。歯根の移動には時間がかかるので、動きが遅くなったと感じます。

傾斜が治ると目に見えて効果が出るので嬉しくなりますが、歯根移動の時はたった1ミリの隙間がなかなか埋まらないので、歯が動かなくなったと不安になる人が多いです。
へぇ〜。でも、それも想定内なんですよね?

そうそう。矯正は傾斜と歯根移動が交互に起こるんですが、後半では歯根移動がメインになります。歯の根っこの移動だけだと動きが地味に感じるんですよね。

特に、抜歯した場合にはそう感じる人が多いです。
計画通りって分かれば安心ですね〜。
1-3.気になる場合は仮歯を入れてもらう

一般的なブラケット矯正の場合は、歯の表面にブラケットとワイヤーがついているので隙間は目立ちません。しかし、裏側矯正やマウスピース矯正をしていると隙間が目立ちやすくなります。気になる人は、仮歯を入れてもらいましょう。
希望すれば入れてもらえるんですか?

中には最初から治療に組み込んでいる歯医者さんもありますよ。これも気軽に相談してみてくださいね。
へぇ〜、けっこう柔軟なんですね〜。

提案すると余計なお金を払わされると言われるために、自分からは提案しない歯医者さんもいます。ですので患者さんの方から色々と相談してみてくださいね。
2.治療後にすきっ歯になってしまった理由
上記で紹介したのは、治療中に想定内で起こるすきっ歯でしたが、中には治療後に隙間が空いてしまうということもあります。この場合に考えられる原因は以下の5つです。
- 舌癖で前歯を押している
- 歯茎が盛り上がり、隙間ができた
- 抜歯で空けたスペースが埋まりきらない
- リテーナーを指示通りに行わなかった
- 治療の時間が足りなかった
2-1.舌癖で前歯を押している

出っ歯を矯正していた人に多く見られるのが、舌で前歯を押してしまう癖です。せっかく矯正した歯並びも、舌の癖が残っていると常に前歯に弱い力が加わって後戻りしてしまうことがあります。

舌の位置が戻りきっていないパターンです。
それってどうすればいいんですか?

MFTという口周りのトレーニングをすれば、舌を正しい位置にすることができますよ。MFTは矯正歯科で受けることができます。
へぇ〜。矯正中に並行して受けることもできるんですか?

はい。舌癖がある人はMFTを提案されることも多いですが、話がないようなら自分から相談してみてください。治療後にすきっ歯になってしまった場合も、もちろん相談してみてくださいね。
2-2.歯茎が盛り上がり、隙間ができた

矯正治療が進むにつれて、歯茎が盛り上がってしまうようなお口もあります。歯茎がそのまま角化すると、隙間が閉じるのを邪魔してしまうことがあるので、歯茎の盛り上がりが大きく、さらに硬くなってしまった場合には、歯肉を切って取り除く必要があるでしょう。
歯茎を切って取り除くって、手術ですか?

はい。でも、ごく小さな手術なので心配いりませんよ。
2-3.抜歯で空けたスペースが埋まりきらない

歯並びの悪さは顎の骨に対して歯が並ぶスペースが足りないことが多いです。そのため抜歯をしてスペースを確保するのですが、矯正治療では抜歯でできたスペースを埋めるように計画します。しかし、歯茎や骨の性質は人それぞれ。歯の移動が計画通りにいかずに隙間が残ってしまうケースもあります。
え。これってつまり失敗じゃ…。

もしも隙間が残ってしまっても、そのままにすることはありません。ほとんどの場合、何らかの対応をしてくれるでしょう。
ホッ。それ聞いて安心しました〜。
2-4.リテーナーを指示通りに行わなかった

矯正には、歯を動かす期間と、それを記憶・安定させる保定期間があります。保定期間にはリテーナーという簡易的な装置を自分で着脱しますが、指示通りの時間を守らないと矯正した歯が安定せずに後戻りしてしまうことがあります。
へぇ〜、保定期間も大切なんですね〜。

矯正期間と同じくらい大切ですよ。装置が外れても終わりと考えないで、しっかり守ってくださいね。
2-5.治療の時間が足りなかった

矯正期間が決められている場合など、限られた時間内に急いで治療をした場合には、多少強引な方法をとらなければならないこともあります。そういったケースでは、傾斜だけで歯根までしっかりと移動できずに隙間が空いてしまうことがあります。

強制的にワイヤーで強い力をかけて、抜歯部分を傾斜移動で閉じるケースなどです。
へぇ〜。結婚式とか特別な写真を撮るような時ですかね〜?

そうですね。仕方なくのことなので、事前にこうなる可能性を説明されると思います。
ですよね。
矯正後にすきっ歯になった時の対処法
矯正後にすきっ歯になってしまった場合は、以下のような対処がおすすめです。すきっ歯になった理由を聞く

まずは、すきっ歯になってしまった理由を担当医に聞いてみましょう。誠意あるほとんどの歯科医師は、親切・丁寧に説明をしてくれるはずです。
こういった状況になることを踏まえ、矯正治療を受ける際には何でも気軽に質問に答えてくれるような、信頼できる歯科医院を選ぶことが重要となります。

歯科医師は、つい専門用語を使ってしまうことがあるので、分からなければ何でも聞いてくださいね。
なんか、知らないのは恥ずかしいような気がしちゃうけど、思い切って質問したほうがいいんですね。

そのとおり。恥ずかしいことなんてないですよ。
セカンドオピニオンを利用する

納得のいく説明や、隙間を埋めるための対応をしてもらえなかった場合は、セカンドオピニオンを利用することもできます。

セカンドオピニオンは、紹介してもらうこともできますし、自分で探すことも可能です。
矯正中のすきっ歯になったらまずは説明を求めよう
矯正中にできたすきっ歯は意図的や一時的なものであるが分かっていれば、安心して治療を受け続けられますね。重要なのは、矯正治療を受ける前の”矯正歯科医院選び”です。MFTを行っているところや、見た目の悪さが気になるようであれば裏側矯正やマウスピース矯正などの相談にも応じてくれるようなところなら安心ですよ。
- 矯正中にできた隙間は一時的なものが多い
- 治療後半は歯根移動なので動きが遅く感じるが想定内である
- すきっ歯が気になる場合は仮歯を入れることを相談してみる
- 治療後にすきっ歯になってしまった場合は担当医に説明を求める
- 然るべき対応がなされない場合はセカンドオピニオンを利用しても