矯正のゴムかけをサボるとどうなる?矯正で失敗しないために読む記事

矯正は矯正装置を入れているだけだと思ったら、輪ゴムのようなものを渡されて面食らっている人もいるかも知れません。でも、「やってもやらなくても同じだろう」と思ったら大間違い!矯正のゴムかけは矯正の出来を左右する大変重要なものなのです。
ゴムかけをする目的や重要性を知ると、意識が変わってモチベーションが保てますよ。ここではゴムかけの意味や効果、サボるとどうなるかなどについて、詳しくご説明します。
- 矯正治療でするゴムかけが面倒くさい
- ゴムかけが痛いけど、これって正解?
- 多少サボっても変わらないのでは?と思っている
- ゴムかけをする意味が分からない!
- ゴムかけって本当に効果あるの?
ゴムかけをサボるとどうなる?

ゴムかけをサボると、治療が進まず全体の治療期間が長引くことがあります。歯列矯正の目的は、歯並びをきれいにすることとかみ合わせを良くすることです。
矯正前半では矯正装置で歯が大きく動くのでやりがいを感じるのに対し、矯正後半のゴムかけでは歯の角度や向きを変えるだけなので、変化を感じにくいかもしれません。
ただ、この“ちょっと動かす“ことが仕上がりのクオリティに大きな変化をもたらすことは事実です。頑張って続ければ、最後にはきっと「続けてよかった!」と心から思えるでしょう。

接客業などで日中できない人は、担当医と装着時間を相談してくださいね。
次の項目からは、ゴムかけについて詳しくご紹介していきます。最後まで読み終われば、きっとモチベーションが上がって続けることができるでしょう。
ゴムかけをする理由
ゴムかけをする理由は、上下の歯のかみ合わせをすり合わせることです。
ゴムかけは治療の仕上がりに大きく影響します。ですので、サボりがちでやったりやらなかったりすると、矯正の効果が半減してしまいます。
ゴムかけはかみ合わせを整える

矯正装置で歯を動かすのは、歯並びやかみ合わせを整えるからじゃないんですか?

いいところに気が付きましたね!歯並びと噛み合わせは、また別のものなんです。
ワイヤー矯正やマウスピース矯正では、上下の歯を別々に動かします。ですので、上下それぞれの歯ならびがきれいに整っても、かみ合わせが合うかどうかはまた別の問題。上下の歯をしっかりとかみ合わせるのが、ゴムかけの役割なのです。ゴムかけは矯正の仕上げといってもいいくらい、重要なものです。
かみ合わせの改善で得られる効果

かみ合わせが整うと、具体的にはどんな効果があるんですか?

たくさんあるので紹介しますね。
- よく噛める
- 食べ物を美味しく食べられる
- 胃腸への負担が軽減する
- 天然歯が長持ちする
- 骨格が整い身体のバランスが整う
- 顔の歪みが解消する
- 小顔効果があることがある
- 慢性的な肩こりや頭痛が改善する
- 歯が磨きやすくなる
- 虫歯や歯周病の予防効果が上がる
- 口臭を予防できる
- 全身の健康につながる
わ〜、こんなにたくさん!

かみ合わせは歯だけでなく、身体全体の健康にも大きく影響するんですよ。
へぇ〜、知りませんでした〜。
矯正では歯並びをきれいにすることだけに注目が集まりがちですが、かみ合わせは消化活動や発音、骨格のバランスなどを左右し、機能面や審美面でも、とても重要です。
ゴムかけに使うゴムの種類は様々

使われるゴムは医療用のゴムで、天然ゴムでできています。歯を引っ張る力が必要なので、美容用や雑貨の一般的な輪ゴムでは代用することはできません。
あれってただの輪ゴムじゃないんですね。

エラスティックゴムといって、矯正装置の一種ですよ。
使うゴムは、状態に応じて太さや大きさを医師が選択します。硬めの太いゴムや柔らかめの細いゴム、プラスチック製のゴムなどがあり、出したい効果によってかける場所やゴムの種類を使い分けます。

ゴムかけ用の輪ゴムは種類によって直径が5mmから10mmまであります。
種類によってどんな違いがあるんですか?
- 太くて強いゴム→距離が短いときや大きな力をかけるとき
- 細くて柔らかいゴム→短い距離や弱い力をかけるとき
- プラスチック製のゴム→天然ゴムのアレルギーがあるとき
なるほどね〜。でも、どれを使ったらいいか分からないときは?

医師が適切なゴムを指示するので心配いりませんよ。
ゴムかけの種類とやり方

では、ゴムかけのやり方について、説明していきます。ゴムかけのやり方・種類・期間は、お口の状態や矯正の目標によって異なります。
2級ゴム
出っ歯や上顎前突を改善するときに使います。前歯を後ろに引くことが目的です。上の犬歯あたりと下の第一大臼歯(奥歯)あたりにゴムをかけて、前歯を後ろに引くイメージです。

上の歯列がだんだん後ろに引っ張られて、下の歯列が前に出てくるのでちょうどよいかみ合わせが出来上がります。
これはやらないとですね!
3級ゴム
受け口やしゃくれを改善する時に使います。下の歯を後ろに引くことが目的です。上の奥歯と下の犬歯あたりにゴムをかけて、下の歯を後ろに引いていきます。

2級ゴムとは反対の働きです。
上の奥歯と下の犬歯で…あ〜、なるほど!
垂直ゴム
上下の歯が噛み合っていない時に使います。上から下にまっすぐにかけて、縦に引っ張ります。

隙間を埋めるイメージです。
歯並びがきれいでも上下に隙間が空いちゃうこともあるんですね〜。
クロスゴム
上下のかみ合わせが左右にずれてしまっている時に使います。歯の側面同士が当たっているシザーズバイト、ハサミ状咬合と呼ばれる状態を改善します。
上下でクロスするなんて、ちょっと難しそうですね…。

慣れないうちは鏡を見ながら練習するのがおすすめですよ。
ゴムかけにかかる時間

ゴムかけの効果を十分に得るためには、1日12時間以上は必要といわれています。
というのも、ゴムを外すと動かした歯が徐々に後戻りしてしまうからです。12時間かけて動かした歯は、ゴムを外すと12時間後にほぼ最初に戻ってしまうとされています。
しっかりとしたかみ合わせにするには、ゴムかけの効果が確実に出る12時間以上の装着が必要なのです。人によっては食事や歯磨き以外の24時間すべてと指示される場合もあります。
そんなに長い時間必要なんだ〜。続けられるかな…。

大丈夫。矯正装置をつけ始めたときも、最初は違和感があったでしょう?しばらく続ければ慣れますよ。
ゴムかけが痛い場合の対処法

ゴムかけを始めると、最初のうちは痛みを感じることがあります。しかし、ここが我慢のしどころです。痛いからといって一旦はやめても、再開すればまた痛みだしてしまうからです。
1〜2週間程度つけ続けていると、痛みは自然と和らいでいきます。ただ、2〜3週間たっても痛みが変わらない場合やどうしても気になるときは、担当医に相談しましょう。

痛いのは歯が動いている証拠なんです。
矯正装置もそういいますよね。う〜ん、頑張ろう!
その他ゴムかけ中に大変だと思うこと

ゴムかけは自分でしなければならないので、色々と大変だと思う人も多いです。他の人がどんなことが大変だと思っているのか、調べてみました。
- 自分でゴムをつける必要がある
- ついうっかり忘れがち
- しゃべりにくいことがある
- 引っ張られた時痛みを感じることがある
- ゴムが外れてしまうことがある
- 食事中は外さなければならないのが面倒
わわ、大変そうですね〜。

最初は大変ですが、矯正後の仕上がり方に圧倒的な差が出るので、続けないと損ですよ。
そういわれたらやるしかないですね!
ゴムかけは矯正のクオリティを格段に高める!
ゴムかけはやる側からしたら、地味で面倒なものかもしれません。しかし、やり続けることが、結局は治療を計画通りの期間で終了できる近道です。
「矯正治療の仕上げの微調整は自分でやる!」くらいに意識を高く持って、最後は笑顔になれるようにがんばりましょう。
- サボると後戻りして治療が長引く
- ゴムかけのゴムは医療用のゴム。通常の輪ゴムを使うのはNG
- 力の入れ方や場所によって、使うゴムの種類が異なる
- ゴムかけは上下の歯のかみ合わせを調整する
- かみ合わせは全身のバランスや機能、審美性にも大きく影響する
- 2級ゴム、3級ゴムなど種類によって呼び方が違う
- ゴムかけは最低でも12時間以上続けないと効果を得られない
- 最初は痛みを感じることもあるが、1〜2週間で慣れる