矯正した歯並びが元に戻ってしまった!?どうする?後戻りの原因は?

歯列矯正したところが元に戻ってくることを「後戻り」といいます。
矯正治療から時間が経って「徐々に元に戻ってきた」というのは、意外かもしれませんが、それほど珍しい悩みではありません。
「せっかく矯正したのに元に戻るなんて意味がないのでは?」と思うかもしれませんが、きちんと対処すれば後戻りは防ぐことができます。
まずは、後戻りを感じた時どうすればいいか、次に後戻りの原因についてお伝えしていきたいと思います。
この記事を最後まで読んで、矯正の後戻りを防ぐために役立ててくださいね。
- 歯列矯正をしたはずの友達の歯並びがガタガタになっていて驚いた。
- せっかく矯正したのに、以前の状態に戻る「後戻り」をしている。
- 矯正した歯並びが後戻りしていると気付いた時、どうすればいい?
- 矯正した歯並びが後戻りする原因は何?どうすれば防止できる?
- 後戻りしたら、どこに相談する?矯正を受けた歯科に相談してもいい?
せっかく矯正したのに後戻りしてしまった!どうする?

なんだか最近、矯正したところが元に戻ってきたみたい…どうして…?わたしこれから、どうしたらいいの~!?

後戻りの主な原因は「リテーナー」での保定不足であることが多いですね。ほかにもさまざまな原因が考えられます。まずは「後戻り」を感じ時、どうすればいいか、お伝えします。
後戻りを食い止める
後戻りにも時間がかかりますので、わずかに後戻りを感じた早期の時点で食い止めることが大切です。
歯並びがまた乱れてきたと感じた時、「これくらいだったら、そんなに分からないかな…?」と自己判断して放置しないで、早めに対処しましょう。
少しでもズレや乱れが出てきたら、時間の経過とともにさらに悪化する可能性が高くなります。
また、ご自身が鏡を見てわかる範囲だけでなく、噛み合わせなど全体的なバランスに不具合がでていることがありますので要注意です。

状況を悪化させてしまわないように、早めに後戻りを食い止めましょう。
なるべく早く再治療する
わずかな後戻りを感じたら、なるべく早く再治療をすることが大切です。
歯列からわずかにズレたり飛び出したりしている歯があると、隣合った歯に偏った力を掛けます。
時間の経過とともにどんどん前へ押されていき、いつのまにか出っ歯になってしまうという事態にもなりかねません。

後戻りを感じた時点で、早めに再治療などの手段を講じることをおすすめします。
どうして後戻りするの?原因は?

でも、後戻りの原因って何なの~?せっかく矯正したのに戻ってしまうなんて、すごいショック~!

後戻りの原因の多くは、リテーナーを決められた時間通りつけていなかったことですね。
えっ…そうなんですね~。

そのほかにも下記のような原因が考えられますよ。
リテーナーの使用が足りない
後戻りの原因で最も多いのが、リテーナーをきちんと装着しなかったケースです。
リテーナーとは、矯正治療が終わった後、歯並びが安定するまで装着する「保定装置」のことです。
歯並びが正しい位置へ移動すると矯正治療が終わるのですが、まだ移動した位置に固まっていない状態です。矯正装置を外すと、みるみる元の位置に戻り始めてしまうためリテーナーをつけて安定させる必要があります。
そのため、矯正治療が終わった直後はリテーナーを1日中つけますが、2年目くらいから夜寝るときだけでもよくなります。

矯正が終わったら一見歯並びがキレイに整っているように思えるので、リテーナーをサボりたくなりがちですが、そこでサボると後戻りの原因になってしまうので気を付けてくださいね。
歯周病が悪化している
歯周病は、歯を支える歯槽骨という骨が溶けて減っていく病気です。歯列矯正は歯槽骨の中で歯を動かしていく治療法のため、歯周病にかかってしまうと矯正後に安定しにくくなるのです。
歯周病は歯磨きなどのオーラルケア不足で発症する病気のため、ワイヤーなどの固定式の矯正装置をつけていると歯磨きがしづらい状態になって悪化しやすくなります。
矯正治療が終わったら歯周病が酷くなっていたということがないよう、毎日の歯磨きをしっかりと行いましょう。
歯ぎしり・食いしばり・悪い舌癖
歯ぎしりや食いしばり、悪い舌癖などがある人も、後戻りしやすいといえます。
寝ている間の無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりの癖が出ると、矯正が終わったばかりのまだ安定していない骨を揺さぶることになってしまい、後戻りの原因になります。
また、唇を吸い込んだり、舌を前歯で挟んだりする悪い舌癖を続けていると、出っ歯を矯正したあとでも再び前歯が押し出されてしまい後戻りしてしまいます。
親知らずが生えてきた
親知らずが生えるタイミングは、10代の終わり頃である人が多いのですが、中にはもっと大人になってから生える人もいます。
そのため、矯正治療をするときに親知らずが生えていなかったのに治療後に生えてくることがあります。
親知らずは不正な生え方をすぐことが多いため他の歯を圧迫してしまい、後戻りの原因になることがあるのです。

矯正後のキレイな歯並びを保てるように、問題になりそうな親知らずは抜歯しておくことをおすすめします。
噛み合わせがよくない
矯正の後戻りのいちばんの原因は「患者さんがリテーナーをサボったから」としているケースが多いですが、実のところ噛み合わせが安定していない場合、後戻りしやすいといえます。
歯並びをキレイに整えるための矯正装置は、上下別々になっています。けれども噛み合わせの矯正は、上下の歯を調整しなければなりません。噛み合わせの矯正がうまくできていないケースも、後戻りしやすいといえます。

噛み合わせの矯正は、矯正装置だけでは治療が難しいため、「ゴムかけ」などをきちんと行わなければならず、患者さんが根気よく協力することが大切です。
※矯正のゴムかけとは何か知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
後戻りしたら、どこに相談する?

先生、後戻りしてきたと思ったら、どうしたらいいですか~?

基本的には、矯正治療を受けた歯科に相談するといいですよ。
えっ、そうなんですか~?矯正したところが戻っているのに…?これって矯正の失敗じゃないんですか~?
せっかく矯正治療を終えてキレイになった歯並びが元に戻ってきたら、「矯正が失敗した?」と考えてしまうかもしれませんが、そうとは限りません。
歯は一生動いていくものなので、後戻りしているとしたら何らかの要因があるのです。
原因を突き止めて改善を目指すためには、これまでの経過に詳しい歯科に相談するのが一番の近道です。
矯正治療を受けた歯科へ相談する
基本的には、矯正期間や保定期間がすべて終了してからも、歯科へ定期的に検診に通って経過をチェックするようにしましょう。
そうすれば、後戻りが始まっても早期に対処してもらえます。
もし忙しくて定期検診の間が空いてしまったという時も、まずはこれまでの経過を把握しているかかりつけの歯科に相談するのが一番です。

もし、治療を受けた歯科に不安があるなら、セカンドオピニオンとして別の先生に相談しても構いません。
セカンドオピニオン~!そんな方法があるんですね~。
後戻り向けの再治療プランがある歯科

矯正治療後の、後戻り向けの再治療プランを用意している歯科医院もありますよ。
へぇ~!そうなんですね~!
子どもの頃にした歯列矯正が崩れてきたり、もう少しだけ整えたいところがでてきたりしたときに、短期間・低価格でできる再矯正プランを用意している歯科があります。
目立ちにくい透明のマウスピースなどで治療できるケースも多いので、再矯正プランを利用するのもひとつの手段です。
定額制プランがある歯科も
矯正治療を定額制で行っている歯科医院もあります。
一括、もしくは月々5000円等のデンタルローンを組んで治療を開始すれば、後戻りが生じても追加費用や調整費なしで治療できる歯科医院もあります。
決められた頻度で定期検診を受けるなど、条件をクリアする必要はありますが、始めから定額プランで治療を始めれば、後戻りした時にも慌てずにすみます。

どこの歯科でも再矯正プランや定額制プランが用意されているわけではないので、対応している歯科医院を探してくださいね。
いいですね~!そのシステム!インターネットで検索してみます~!
矯正が終わっても定期検診へ通って後戻りを防止!


後戻り防止のためには、鏡で見て確認できる歯並びだけでなく、噛み合わせをしっかりと安定させて治療を終えることが大切です。
目立つ前歯の歯並びばっかり気にしちゃいますけど、後戻りさせないためには噛み合わせが大事なんですね~!

そうですね。矯正が終わったら歯並びが安定するまでリテーナーの装着時間を守ることも大切です。そして、定期検診に通って経過を確認することを怠らないようにしてくださいね。
はーい!後戻りしたくないから、気を付けます~!
- 歯列矯正が終わったところが後戻りしてきたら、早期の対処が大切。
- 後戻りの原因は、リテーナーをサボったせいであることが多い。
- 噛み合わせが安定していない場合、矯正後に後戻りしやすい。
- 矯正の定額制プランや再治療プランを用意している歯科医院もある。
- 後戻り防止のためには、歯列矯正が終わったら定期検診に通うこと。