永久歯が足りない子どもが増えてます!先天性欠如歯の矯正方法とは?

永久歯が足りない子どもが増えてます!先天性欠如歯の矯正方法とは?
この記事の監修医情報を見てみる

「他の歯はとっくに生え変わっているのに、この乳歯だけいつまでたっても抜けない」
「乳歯が抜けたあとなかなか永久歯が生えてこない」

それはもしかしたら、先天性欠如歯かもしれません。日本小児歯科学会が2007年に行った調査では、7歳以上の子どもの10人に1人が先天性欠如歯だという結果が出ました。とはいえ、「よくあること」として放っておいては、お子さんの将来のためによくありません

今回は、先天性欠如歯について詳しくお話していきます。

この記事がおすすめな人
    • 乳歯がいつまでも抜けない(特に奥歯)
    • 乳歯の歯並びが気になる
    • 永久歯がなかなか生えてこない
    • 乳歯で2本の前歯がくっついて1本になっているところがある
    • 両親のどちらかが先天性欠如歯
INDEX
  1. 先天性欠如歯とは?
    1. なりやすいのは前から2番目と5番目
  2. 先天性欠如歯を放置しておくとこんなことに!
    1. すきっ歯になる
    2. 歯並びが悪くなる
    3. 心理面に影響する場合も
  3. 先天性欠如歯を矯正する方法
    1. 残っている乳歯をできるだけ長く使う
    2. 矯正治療でかみ合わせを安定させる
    3. インプラントやブリッジなど人工歯を入れる
  4. 先天性欠如歯の治療の費用について
    1. 6本以上なら保険適用の対象になる
    2. 保険適用される場合はどこでも受けられるの?
  5. 子どもの先天性欠如歯は早めの治療を!

先天性欠如歯とは?

先天性欠如歯とは、生まれつき歯が少ないことです。乳歯・永久歯ともにありますが、ほとんどが永久歯にみられます。

乳歯の歯並びは3歳ころに完成するとされていて、生え揃うと20本。これが徐々に生え変わり、12歳前後には親知らずを含めると計28本の永久歯となります。歯の生え変わりには個人差があるので、周りの子と比べて1〜2年遅くても問題はありませんが、もしいつまでも乳歯が抜けないようなら注意が必要です。

乳歯はあごの中で育ってくる永久歯に押されて抜け落ちるしくみですが、もともと永久歯がない場合はずっと乳歯のままになっている可能性があります。これが、先天性欠如歯です。

しかし、大抵は永久歯が生え揃ってから1本だけ乳歯が残っていることに気づいたり、乳歯が抜け落ちても永久歯が生えてこないので気づくケースがほとんどです。

うさぎさん

先天性欠如歯の原因は何ですか?

鈴木先生

詳しいことは分かっていません。遺伝などの他、人類のあごが小さくなっているからという進化説もあります。

うさぎさん

へぇ〜、そうなんですね。

鈴木先生

もうひとつ、歯ぐきが厚くて生えるのが遅くなっている場合や過剰歯が邪魔して生えてこない場合もあります。

うさぎさん

そういうこともあるんですね。

鈴木先生

そういった場合には、歯ぐきの切開や抜歯をして生えるのを促します。

なりやすいのは前から2番目と5番目

先述した日本小児歯科学会によると、先天性欠如歯は前歯から数えて2番目(側切歯)と5番目(第2小臼歯)に多く見られるとのこと。また、ほとんどの場合1〜2本ですが、まれに10本以上永久歯がないケースもあります。

鈴木先生

第2小臼歯は乳歯にはなく、11〜12歳ころに生えてくる歯です。

うさぎさん

自分では発見しにくいかもしれませんね。

鈴木先生

判断が難しければ、歯医者さんに行くのがおすすめです。

先天性欠如歯を放置しておくとこんなことに!

「本数が足りなくても特に生活していて不便がなければ問題ないのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、先天性欠如歯を放置しておくと、以下のような困ったことが起こる可能性があります。

すきっ歯になる

永久歯が生えてこなければ乳歯が残ったままになりますが、乳歯は永久歯よりも柔らかくてもろく、根っこも短いため、大人になる頃には抜け落ちてしまう可能性が高いです。

抜けた後は生えるべき永久歯がないので空席のままになり、すきっ歯になってしまいます。

鈴木先生

乳歯は象牙質やエナメル質が薄いんです。

うさぎさん

最初から一生機能するようにはできていないんですね。

歯並びが悪くなる

先天性欠如歯の場合、乳歯が抜けたあとの隙間をそのままにしておくと、他の歯がその隙間を埋めようとして動きます

しかし、歯1本分のスペースを無理に埋めようとするので、斜めになったり倒れたりしてしまう歯が出てきます。すると、歯並びが悪くなってかみ合わせが崩れてしまい、顎の成長に良くない影響を与え、顎関節症などのリスクも高まります。

うさぎさん

歯並びの悪さはスペースが足りないからだと思ってましたけど、スペースがありすぎても悪くなっちゃうんですね。

鈴木先生

そうなんです。あごのスペースと歯がきっちりと合っていないと歯並びは崩れてしまうんです。

心理面に影響する場合も

すきっ歯のままにしていると人の目を気にすることから、消極的になる・自信が持てないなど、心理面に影響することがあります。性格形成にも関係することなので、そういった意味でも放置しておくのはおすすめできません。

うさぎさん

容姿を気にする年頃になってすきっ歯のままだとかわいそうね…。

先天性欠如歯を矯正する方法

先天性欠如歯をどうするかは大きく2つの考え方があり、どちらにするかはケースバイケースです。

1.残っている乳歯をできるだけ長く使う

1つ目の考え方は、残っている乳歯をできるだけ長く使うというものです。なかには乳歯と気づかずに成人し、40代50代まで乳歯が残るケースもあります。とはいっても乳歯は永久歯よりも弱いため、日頃の歯みがきや歯間ケアなどが重要です。

鈴木先生

歯の質がよければこの方法もありです。

うさぎさん

これが一番理想的ですね。

鈴木先生

そうですね。予防さえしっかりすれば、自分の歯をずっと残せます。

2.矯正治療でかみ合わせを安定させる

かみ合わせを安定させるには、以下のような矯正治療をします。

    • 欠如部分のスペースを埋める
    • 倒れている歯を起こしてスペースを作り矯正を行う

すきっ歯ができている場合は、矯正装置で歯を動かして隙間を埋めます。歯がすでに倒れてしまっている場合は、歯を起こしてから矯正してかみ合わせを整えます。

鈴木先生

いずれにしても、今ある歯を動かして隙間をうまく埋める方法です。

うさぎさん

そうなんですね。人工物を使わないという考え方ですね。

鈴木先生

ただし、先天性欠如歯が1本など少ない場合に限ります。

3.インプラントやブリッジなど人工歯を入れる

乳歯が抜けたスペースを、インプラントやブリッジなどの人工歯で埋める方法です。インプラントは骨に直接人工歯根を埋め込む治療法、ブリッジは隙間の両側の歯を支えにしてクラウンを橋のようにかける治療法です。

どちらもある程度あごの骨が成長してからでないと行えないため、治療は18歳前後くらいからになります。

鈴木先生

乳歯が弱ければ20歳前後に抜けてしまうので、その後の対応となります。

うさぎさん

大人になってから歯を動かすのは大変ですよね。

先天性欠如歯の治療の費用について

先天性欠如歯の治療は、基本的にほかの矯正治療と同じで保険適用外です。歯の質や口内の状態には個人差がありますので、歯医者さんとしっかり相談して、治療法を決めましょう。

6本以上なら保険適用の対象になる

ただし、2013年から、6本以上の先天性欠如歯は保険適用の対象となりました。

うさぎさん

6本以上なら健康保険が使えるんですね?

鈴木先生

そのとおり。自費で6本以上を治療するのは費用がかかりすぎますからね。

保険適用される場合はどこでも受けられるの?

6本以上の先天性欠如歯がある場合は、特定の医療機関で治療を受けられます。

特定の医療機関とは、「指定自立支援医療機関(育成・更生医療)」の指定を受けている矯正歯科診療所や病院です。

鈴木先生

インターネットで調べればすぐに出ます。

うさぎさん

「指定自立支援医療機関 調べたい地域」で検索ですね。

子どもの先天性欠如歯は早めの治療を!

もしも乳歯がいつまでも抜けなかったり、乳歯が抜けてもなかなか永久歯が出てこなかったりする場合には、一度歯医者さんに相談に行きましょう

先天性欠如歯をそのままにしておくと、大きくなってから矯正が大変になることがあり、性格などにも影響します。早めに対処するのがおすすめです。

記事の重要ポイントをチェック!
    • 先天性欠如歯とは生まれつき永久歯の本数が足りないこと
    • 先天性欠如歯になりやすいのは前から2番目と5番目
    • 放置しておくとすきっ歯やかみ合わせが悪くなる
    • 放置しておくと性格など心理面に影響を及ぼすことがある
    • 乳歯をなるべく長く使う方法・矯正で隙間を埋める治療法・人工歯を入れる治療法がある
    • 治療は基本的に自由診療だが、6本以上なら保険の対象となる