歯茎から血が出た!歯科矯正中に多いトラブルの原因は「歯磨き不足」

歯列矯正中の患者さんは、「歯茎から出血する」「歯茎が腫れた」「歯茎が沁みる」といった歯茎にまつわるトラブルに見舞われることがあります。
稀に、矯正治療を始めたばかりの頃、歯にかかる力が刺激になって歯茎から出血する方がいますが、慣れればそんなトラブルは少なくなります。
多くのケースでは、歯磨きがしにくくなることが出血の原因になっています。
そこで今回は、歯列矯正中の歯茎に関するトラブルや、その原因と対策法についてお伝えします。
この記事を参考にして、矯正治療のお悩みを解消してくださいね。
- 歯列矯正をしているが、最近、歯茎から出血するようになった。
- ワイヤー矯正をしているが、歯茎が腫れたり沁みたりしている。
- インプラント矯正をしている。ネジの周りから出血して驚いた。
- 歯列矯正中の歯茎が腫れてきたので、とても心配している。
- 歯列矯正中に歯茎に炎症したり腫れたりしやすくて悩んでいる。
矯正治療で歯茎に起きるトラブル

矯正治療してから歯茎が出血する時があるのよね~。どうしてかなぁ…?

ネコさん、矯正治療を始めてから、歯茎から血がでることはありませんか?
ギクッ。先生はお見通しなのね~(汗)
そうなんです~!時々血が出ることがあって…原因は、何なんでしょう~?

矯正治療中の歯茎のトラブルには、次のようなケースがありますよ。
歯茎から出血する
歯磨きをした時、歯茎から血が出ませんか?
その場合は、歯磨き不足の可能性があります。
ワイヤー矯正の場合、常に装置をつけたままになりますので、歯磨きがしにくい状態になっています。
歯の周りや矯正装置のデコボコしたところに歯垢(プラーク)がたまりやすくなり、細菌の温床になってしまうのです。
歯磨き不足で細菌感染してしまった歯茎には、炎症が発生します。炎症が起きると、歯ブラシなどで触れるだけでも簡単に出血するようになるのです。
歯茎が腫れる
歯磨き不足で歯茎から出血するようになったのにもかかわらず、それを放置していると、歯茎の腫れがひどくなっていきます。
この状態が進むと「歯肉炎」の状態になり、さらに悪化すると「歯周病」を発症します。
この段階になると、歯垢(プラーク)が硬い歯石になって蓄積していて、毎日の歯磨きをがんばっても自力で取り除くのが難しくなっています。
歯科医院でクリーニングを受けて歯石をキレイに取り除き、炎症の原因になる歯周病菌を取り除きしましょう。
※歯科のプロケア(クリーニング)については、下記の記事も参考になります。
歯茎のあたりが沁みる
歯列矯正をしている最中に、歯茎が知覚過敏のように沁みる状態になることがあります。
これは、歯並びが乱れていた時に重なり合って腫れていた歯茎が落ち着き、下がってしまう現象が起きているのです。
歯並びが正常になることで、今まで腫れた歯茎に覆われていた歯面が、表面に出てくることがあります。その場合、沁みるのは最初だけで、慣れてくると沁みなくなります。
歯茎が下がってくる
重なり合っていた歯が歯列矯正でキレイに並んでくると、歯と歯の間の隙間が気になることがあります。
歯茎が下がって、ブラックトライアングルという逆三角形の隙間ができても一時的なもので、数カ月~半年くらい経つと、歯茎がおちついてブラックトライアングルが目立たなくなるケースもあります。
※歯列矯正で歯茎が下がる理由については、下記の記事も参考になります。
矯正用ネジ(インプラント矯正)のトラブル


大掛かりな矯正が、アンカースクリューというネジを1本歯茎に埋め込むだけで、比較的簡単で短時間でできる矯正に変わります。「インプラント矯正」と呼ばれている方法です。
あぁ~!聞いたことあります~!その方法なら、難しい矯正も可能になるんですよね~!

その通りです。ですが、そのネジを埋入した歯茎の部分にトラブルが起こるケースがあります。
矯正用ネジの部分から出血する、腫れる
歯を大きく移動させるための歯列矯正の方法に「インプラント矯正」があります。
奥歯の歯茎に直径1.4mm~2mm、長さ6mm~10mmの極小さなアンカースクリューというネジを埋め込み、歯を引っ張る力の固定源にします。
この部分も汚れがたまりやすいため、忘れずにブラッシングしなければ、歯周病菌に感染する原因になってしまいます。腫れや出血が起こったら、歯肉炎を発症している可能性があります。
矯正用ネジが抜け落ちてしまう
矯正用ネジのアンカースクリューの周りをブラッシングするのを忘れていると、炎症がひどくなって腫れてネジが抜け落ちてしまうことがあります。
そうなると、歯科でクリーニングを受けて消毒し、再びアンカースクリューを埋入することになります。
※ネジを使う矯正治療については、下記の記事も参考になります。
矯正治療で歯茎から出血する原因は「歯磨き不足」

矯正治療中の歯茎の出血は、歯磨き不足が原因のことが多いのね~。

矯正装置をつけている最中は、歯磨きがしにくくなります。歯周病を発症するリスクが高まりますので、歯磨きの徹底を心がけてくださいね。
矯正中は、歯磨きがしにくくなる
マウスピースタイプの矯正装置なら、歯磨きの際に自分で取り外せるのでブラッシングをしっかりできるのですが、常時つけたままにの矯正装置の場合、よほど注意深く歯磨きをしなければ、磨ききれないことが多くなります。
歯科医院で歯列矯正中の歯磨きのやり方について指導を受けられますし、矯正中に使いやすい歯ブラシを紹介もしてもらえます。
しっかりと説明を聞いて、正しい歯磨きを実践するようにしてください。
歯の周りに汚れが溜まりやすくなる
ワイヤーとブラケットを歯に取り付けるタイプの矯正装置の場合、ブラケットの歯茎側に歯垢(プラーク)がたまりやすくなります。
矯正装置をつけていない状態でも、歯と歯の隙間や、歯が重なり合った部分など、歯垢がたまりやすい部分から虫歯や歯周病になりがちでした。
矯正中は、さらに、矯正装置と歯の境い目といった汚れが溜まりやすい部分が増えますので、より念入りに歯磨きをする必要があります。
歯茎に炎症がおきやすくなる
ブラケットのまわりに歯垢がたまるため、ブラッシングで取り除かないと、そこから歯肉に炎症が起こってしまいます。
磨き残しが蓄積されて、歯周ポケットに残っていることが考えられますので、自力で取り除くのはなかなか難しいでしょう。
歯科で専用の機器を用い、歯石を除去してもらいましょう。
矯正治療のよる歯茎のトラブルは歯磨きと検診で予防!

矯正中の歯茎からの出血は、なんと歯磨き不足だったのですね…!

自宅での毎日の歯磨き、歯科医院での定期クリーニングを徹底してくださいね。
は~い!矯正装置をつけているときも、歯磨き、がんばります~!
※歯周病の予防に効果的な歯磨きの仕方については、下記の記事も参考になります。
- 歯列矯正中に歯茎から出血するのは、主に歯磨き不足が原因。
- 歯茎が腫れる、沁みる、下がるといったトラブルが起こることも。
- 歯磨きが不足すると、歯垢や歯石が蓄積し、細菌の温床になる。
- 歯茎の出血は、歯茎が炎症を起こして腫れてしまったから。
- 矯正治療中は、歯磨きとプロケアを両立して行い、口内を清潔に。