歯列矯正のリテーナーをしたまま食事したらいけない5つの理由

矯正した歯の位置をしっかりと安定させるために重要なリテーナーですが、食事中は外さなければいけません。歯科医師からもそのように指示があったと思います。しかし、
「面倒だからそのままでもいいんじゃないの?」
「固定式の矯正装置はそのまま食事できたのに、どうしてリテーナーは外さなきゃいけないの?」
という疑問を持つ人もいるでしょう。
ここでは食事中にリテーナー外す理由をご紹介します。
- リテーナーをしたまま食事をしてはいけない理由が知りたい
- 飲み物ならつけたままでも平気?
- 間食ならいい?
- 食事の時に外したリテーナーはどうすればいいの?
- 食事のあとにリテーナーをつけるときの注意点が知りたい
食事中にリテーナーを外す5つの理由

- リテーナーと歯の間に食べカスが残る
- リテーナーが汚れて虫歯や歯周病の原因になる
- リテーナーが変形・破損する原因になる
- リテーナーが変色する原因になる
- 口臭の原因になる
では、ひとつずつ説明していきますね。
1.リテーナーと歯の間に食べカスが残る

リテーナーをつけたまま食事すると、どうしてもリテーナーの構造のわずかな隙間に食べカスが残ってしまいます。食べカスが残ったままのリテーナーは不衛生です。せっかく矯正できれいにした歯を汚れにさらすことになってしまいます。

食事の後は歯みがきをすると思いますが、リテーナーが汚れていれば意味がありません。
歯みがきできれいになった歯に汚れたリテーナーを…想像しただけでゾッとしちゃいます。
2.リテーナーが汚れて虫歯や歯周病の原因になる

2つめとしては、リテーナーの汚れが元で、虫歯や歯周病になるリスクがあるということです。虫歯や歯周病の原因はプラークです。そして、プラークは、口内の細菌が食べ残しを分解して作り出すというしくみです。
リテーナーに残った汚れは、言ってみれば虫歯菌や歯周病菌のエサ。リテーナーで虫歯や歯周病を育ててしまっているようなものなのです。

とくにマウスピース型のリテーナーは、汚れを閉じ込めてしまい唾液と隔離してしまうので、よりリスクが高いです。
たしか、唾液には抗菌作用があるんでしたっけ?

そのとおり。唾液が虫歯や歯周病から歯を守ってくれています。
じゃあ、リテーナーに入り込んだ細菌をわざわざ隔離して歯に密着させているようなものってことですか?

イメージとしてはそうなります。
ひゃ〜!それはマズイですね!
3.リテーナーが変形・破損する原因になる

装着したまま食事で口を動かしたり固形物がリテーナーに当たったりすると、リテーナーにヒビが入ったりワイヤーが取れてしまうといった危険があります。口の中でリテーナーが破損すると、思わぬ事故につながります。
マウスピース型の場合も、リテーナーが食べ物と一緒に外れた拍子に誤って噛んでしまい、ヒビが入る・ちぎれるといったことが考えられます。

リテーナーは矯正装置と比べると頑丈ではないので、壊れやすいんです。
へえ〜、知りませんでした〜。優しく取り扱わないといけませんね。
4.リテーナーが変色する原因になる

リテーナーをつけたまま食事をすると、リテーナーにしょうゆやソース、コーヒーなどの飲食物の色が移ってしまいます。リテーナーはプラスチックでできているので色が移りやすく、天然歯よりも着色しやすいという特徴があります。しかも、プラスチックについた着色汚れは、一度ついてしまうと落とせません。

マウスピース型は人から気づかれにくいことがメリットですけど、着色汚れするとかえって目立ってしまいます。
わ〜、それは避けたいな〜!
5.口臭の原因になる

リテーナーを装着したまま食事をすると、リテーナーについた細菌が繁殖して口臭の原因になります。虫歯や歯周病は口臭の原因となりますが、リテーナーに同じ菌がついていれば同様の悪臭がしてしまうからです。
リテ―ナーを使用しだしたら口臭が気になるという人はけっこういます。リテーナーの清潔を保てば、口臭は起こりません。

口の中には悪玉菌がいて、いつでも食べカスをプラークに変えようと待ち構えているんです。
食べカスがなければ口臭も起きないんですか?

食べカスがなければ悪玉菌は活動できないので、口臭も防げますよ。
な〜るほど。そういうわけですね。
間食にも注意!

リテーナーを外すのは、食事どきだけではありません。間食をするときにももちろん外しましょう。量の問題ではなく、食べ物を口に入れるということそのものに注意しなければなりません。
コーヒーやジュースなどの飲み物は?

もしかして、コーヒーとかジュースを飲む時も外さなきゃダメなんですか?

いいところに気が付きましたね!飲み物も、基本的には外したほうがいいです。
砂糖やミルクが使われてるコーヒーや砂糖入りの紅茶、ココアなどは、食べカスと同じで細菌のエサになってしまいます。また、砂糖やミルクが入っていないブラックコーヒーや緑茶、紅茶なども、着色汚れのリスクがあるのでリテーナーを装着して飲むのはおすすめできません。
食事中のリテーナーはケースに入れておこう


ネコさん、食事中のリテーナーはどうすればいいと思いますか?
ええと〜、ティッシュにくるんでそーっとバッグに入れておく?

残念。ティッシュでくるむとリテーナーにくっついてしまうので、NGです。
あ〜、そっか〜。じゃあどうするのがいいんですか?
食事中は、リテーナーをケースに入れておきましょう。ケースはそれほど大きなものではないので、常に持ち歩いていると安心です。
食事後は歯磨きをしてからリテーナーを装着する

食事後はしっかりと歯みがきをし、口内を清潔にしてからリテーナーを装着しましょう。
リテーナーも掃除する
歯みがきと一緒にリテーナーも掃除をするのがおすすめです。リテーナーも唾液や空気中の雑菌などによって汚れています。いくら口内がきれいになっても、リテーナーが汚れていてはよくありません。

外出時などでしっかりと掃除できないときは、流水で流すだけでもOKです。
それなら化粧室でサッとできそうですね。
ケースも定期的にきれいにする
リテーナーを保管しておくケースも、こまめに掃除しましょう。汚れたらその時点で掃除するのが良いですが、できれば曜日などを決めて定期的にきれいにするのがおすすめです。
リテーナーが帰る場所もきれいにしないとってことですね。

そのとおり。食器用洗剤などで普通に洗うだけです。
リテーナーは正しく使って矯正の精度を上げよう!
リテーナーは歯並びを理想の状態にするために、渡された時の状態のまま装着するのが望ましいです。変形したり変色したりすると、せっかくきれいにした歯並びをダメにしてしまいかねません。壊したり細菌を繁殖させないためにも、食事中は外すのを忘れないようにしましょう。
- リテーナーと歯の間に食べカスが残る
- リテーナーが汚れて虫歯や歯周病の原因になる
- リテーナーが変形・破損する原因になる
- リテーナーが変色する原因になる
- 口臭の原因になる
- 食後は歯みがきをし、リテーナーも掃除する
- リテーナーを保管するケースも清潔を保つ