歯列矯正で手術するケース・しないケース、保険適用になるケースの違いは? 

歯列矯正で手術するケース・しないケース、保険適用になるケースの違いは? 
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歯並びや噛み合わせの乱れが重度になると、矯正治療に外科手術が必要になるケースと、外科手術をしなくても何とか治療できるケースがあります。そのボーダーラインは、どこにあるのでしょうか?

また、外科手術を伴う矯正治療の場合、健康保険が適用するケースもあります。

いったい、どんな症状なら矯正外科治療に健康保険が適用するのでしょうか?そして健康保険が適用した場合、治療内容に制限は出てこないのでしょうか?

今回は、歯科医師に話を聞きながら、矯正治療の手術について、いろいろなケースを確認していきたいと思います。この機会に、矯正の手術に関する不安や疑問を解消しましょう。

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    • 矯正治療で手術が必要なケースと、必要ないケース、どう違う?
    • 手術するかしないか、自分で選ぶように言われたが、解らない。
    • 矯正で手術をするメリットは何?デメリットもあれば知りたい。
    • 矯正治療は健康保険外なのに、手術なら保険適用になるって本当?
    • 外科的矯正のボーダーラインケースって何?なぜ治療法を選べる?
INDEX
  1. 外科的矯正のボーダーラインケース
    1. 例)下顎が突出しているケース
    2. どこまで治療したいのか?
  2. 外科矯正のメリット・デメリット
  3. 矯正の手術で健康保険が適用するケース
    1. 噛み合わせに問題があるケース
    2. 手術の条件を満たしているケース
    3. 美しい外見を得る目的なら保険適用外
  4. 手術の実施は、どれくらいの治療効果を得たいかによる

外科的矯正のボーダーラインケース

ネコさん

先生~、通院している矯正歯科で、「手術をしてもいいし、手術なしでも治療できるけど、希望は?」って聞かれたんですけど、どういうことですか~?

牧田先生

外科的矯正のボーダーラインケースですね。治療法の選択肢をひとつに絞りきれないケースです。

ネコさん

えぇ!?どういう意味ですか~?

牧田先生

絶対に外科手術が必要といいきれる症状ではなく、手術なしでも矯正可能、という意味です。ただし、仕上がりの違いがあるでしょうね。どこまでの結果を求めるかによる、ともいえますね。

ネコさん

あぁ~!求める結果によって治療法を選べるっていう意味ですね~!

では、具体的にどんな症状が「外科的矯正のボーダーラインケース」に当たるのか、見ていきましょう。

例)下顎が突出しているケース

上顎より下顎が前に突出しているような重度の受け口であれば、外科的矯正をしなければ治療が難しいケースがあります。

出っ歯の場合も、歯だけではなく上顎が前に飛び出している症状であれば、外科手術が必要になることがあります。

それ以外にも、歯そのものではなく、顎や顔の骨格に要因があるケースでは、外科手術が必要です。

しかし、突出の程度が軽・中度であれば、手術をせずに矯正装置だけでも治療できるケースになります。

このような症状が、外科的矯正のボーダーラインケースにあたります。

どこまで治療したいのか?

外科的矯正のボーダーラインケースの場合、どこまで治療したいのか、矯正治療で得たい結果によって、手術のあり・なしを選ぶことになります。

例えば、受け口の治療で手術をしない選択をした場合、得られる結果は「歯並びはキレイに整うが、横顔のラインはそこまで変わらない」というものになります。

手術をする選択をすると、「歯並びも、横顔のラインも大きく改善が期待できる」というものになります。このケースでは手術をした方が、満足度の高い結果を得られるといえるでしょう。

歯科医と相談しながら、自分がどこまでの結果を求めているのか、よく考えて治療法を選びましょう。

外科矯正のメリット・デメリット

外科矯正のメリットは、骨格から根本的に治療できるため、劇的な改善が期待できるという点です。

手術を要する顎変形症と診断されると、健康保険が適用されるケースがあります。そうなると、患者さんが負担する治療費が軽減されます。

外科矯正のデメリットは、手術を伴う点です。手術をするのとしないのとでは負担が大きく違いますし、既往症や服用している薬によっては、手術を受けること自体にリスクがある人もいるので注意が必要です。

ネコさん

やっぱり手術をした方が、満足できる結果になりそうですね~!

牧田先生

そうですね。手術では、顎の骨を動かすことになりますので、フェイスラインが変わります。顔立ちの印象が変わるのは大きいですね。

ネコさん

フェイスラインまでキレイになれるのは魅力ですね~!

牧田先生

そうですね。ただし歯の矯正のための手術なので、あくまで結果としてついてくるものです。理想的なフェイスラインをつくる美容目的の場合は、顔面輪郭形成術といったまた別の手術になります。

ネコさん

そうなんですね~!もっと詳しく知りたいです~!

矯正の手術で健康保険が適用するケース

ネコさん

先生~!「顎変形症と診断され、健康保険が適用されるケース」も気になってます~!治療費が安くなるんですか~?

牧田先生

顎変形症と診断されると健康保険が適用されて、患者さんが負担する治療費が軽減されることがありますね。

矯正歯科治療は一般的には保険適用外ですが、保険診療の対象になるケースがあります。

噛み合わせに問題があるケース

「顎変形症」の手術(術前・術後の矯正治療も含む)に関しては、保険診療の対象になります。

「顎変形症」とは、顎の骨の異常や変形のため、噛み合わせや発音など機能面の障害を起こしている状態です。

顎変形症には、顎が大きく前に出ている、大きく引っ込んでいる、左右にズレがある、上下の顎の大きさが合っていない、といった症状が挙げられます。

手術の条件を満たしているケース

厚生労働大臣が定めた病気が要因となった噛み合わせの異常があるケースは、保険診療の対象です。

対象になる病気など、詳しくは、厚生労働省による生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」に記載されています。

そのほか、前歯の永久歯が3本以上、生えてこない状態のため、埋まっている歯を引っ張り出す「埋伏歯開窓術」という手術を行う場合も、保険診療の対象です。

e-ヘルスネット

e-ヘルスネット

美しい外見を得る目的なら保険適用外

上記のように、機能面に問題があるために手術による矯正を要するケースなら、保険診療の対象になります。

ただし、美しい外見を得ることが手術の目的であれば、保険適用外になります。美容目的の矯正の場合は保険適用にはなりませんので、要注意です。

ネコさん

外科矯正に保険が使えるケースは、条件が限られているんですね~!

牧田先生

そうですね。主に、機能面の問題を改善する目的の場合が対象になっていますね。

手術の実施は、どれくらいの治療効果を得たいかによる

ネコさん

まとめると、ホーダ―ラインケースの場合は、どれくらいの矯正効果を得たいかによって手術するかしないかを決めればいい、っていうことですね~?

牧田先生

簡単に言うと、そういうことですね。

ネコさん

う~ん、どっちにしようかな…。

牧田先生

気になっている部分はどこなのか、どこまで治したいのか、よく考えて希望の治療法を選んでくださいね。

ネコさん

は~い!そうします~!

記事の重要ポイントをチェック!
    • 歯の矯正で手術が必要になるのは、顎の突出など骨格要因のケース。
    • 顎の突出が軽・中程度のケースでは、手術あり・なしを選べることも。
    • 得たい矯正の結果・仕上がりによって、手術あり・なしを選ぶとよい。
    • 顎の骨を動かすため、外科的矯正の方が仕上がりの満足度は高い傾向。
    • 顎変形症の手術なら、保険診療に当たるため治療費の負担が軽減される。