大人のすきっ歯の矯正はどの方法がベスト? 5つの矯正方法と選び方

「すきっ歯を直したい。でもネットで検索すると歯医者さんによって方法が違う。どの方法が一番いいの?」と迷っていませんか?
前歯のすきっ歯の矯正治療には、いくつかの種類があります。ここではそれぞれの方法を説明し、メリット・デメリットについてまとめました。これからすきっ歯を治療したいという人は、ぜひ参考にしてくださいね。
- すきっ歯の矯正をしたいけど、どの方法がいいか迷っている
- すきっ歯の矯正方法はどんな方法があるの?
- それぞれの矯正方法のメリット・デメリットが知りたい
- 自分のすきっ歯はどの方法で治せるか知りたい
すきっ歯の5種類の矯正方法を比較

すきっ歯の矯正方法は、大きく分けて5つあります。それぞれの特徴などを、表にまとめました。
対応できる症状 | 治療期間(目安) | 治療費(目安) | 歯へのダメージ | 後戻りの可能性 | |
---|---|---|---|---|---|
ブラケット矯正 | 捻転歯や出っ歯を伴う | 2ヶ月〜 | 20万円〜 | なし | 少ない |
マウスピース矯正 | 捻転歯や軽度の出っ歯を伴う | 2ヶ月〜 | 20万円〜 | なし | 少ない |
ダイレクトボンディング法 | 矮小歯(歯が小さいことが原因) | 1ヶ所につき1回の通院 | 1ヶ所につき2〜8万円程度 | なし | 可能性がある |
ラミネートベニア法 | 矮小歯(歯が小さいことが原因) | 1ヶ所につき2回の通院 | 1ヶ所につき15〜20万円程度 | 歯の表面を削る | 可能性がある |
セラミック法 | 捻転歯・出っ歯・傾斜を伴う | 1ヶ所につき2〜4回の通院 | 1ヶ所につき15〜30万円程度 | 歯の周りを大きく削る | 可能性がある |
※捻転歯とは、捻れて生えている歯のことです。

ただし、これだけだとどんな治療法なのか分かりませんよね。
う〜ん、そうですねー。

次の項では、それぞれの治療法について詳しく紹介していきますね。
はーい。
ブラケット矯正とは

ブラケット矯正とは、歯の表面にブラケットというボタンを接着し、ワイヤーを通して矯正する方法です。ワイヤーの圧力によって、歯が少しずつ動き、隙間を埋めていきます。スタンダードなブラケット矯正は歯の表側につけますが、他にも裏側矯正、部分矯正などがあります。
ブラケット矯正のメリット
- 歯並びや咬み合わせの改善もできる
- 複数のすきっ歯を同時に治療することができる
- 歯を削らずに自分の歯を動かすことで治療できる
- 裏側矯正の場合は全く目立たない

ブラケット矯正は、ほとんどの症状に対応できるので一番よく行われます。
へぇ〜、そうなんですね〜。自分の歯を動かして隙間がなくなるのはいいですね。
ブラケット矯正のデメリット
- 期間が長くかかる
- 費用が高額になりがち
- つけ始めや調整時に痛みがあることがある
- 治療中は歯にブラケットとワイヤーをつけ続ける
- しっかりと保定する必要がある
ブラケット矯正って、銀色の装置が目立ちますよね…。

ただ、最近では目立ちにくい透明や白色のものもありますよ。
へぇ〜。それならちょっといいかもしれませんね〜。
マウスピース矯正とは

透明のマウスピースを全歯に装着して矯正する方法です。マウスピースは歯の動きに応じて微妙に異なるものをつけかえていきます。
マウスピース矯正のメリット
- 装着中でも分からないくらい目立たない
- 痛みが少ない
- 自分で着脱できる
- 歯並びや咬み合わせの改善もできる
- 複数のすきっ歯を同時に治療することができる
- 歯を削らずに自分の歯を動かすことで治療できる
マウスピース矯正は軽度の歯並びの悪さなら対応できますが、歯が大きく重なり合って隙間ができているようなすきっ歯は、難しい場合があります。

マウスピースは働いている人や目立つのがイヤな人に人気の方法です。
たしかに接客業とかの人は、笑った時に矯正装置が見えないほうがありがたいですよね〜。
マウスピース矯正のデメリット
- 期間が長くかかる
- 費用が高額になりがち
- 食事と歯磨き以外は1日中つけなければ効果が出ない
- 正しく装着し続けるモチベーションが必要
- しっかりと保定する必要がある
マウスピース矯正は矯正治療の経験が少ない歯科医師でも行うことができますが、万が一トラブルがあったときには豊富な知識と経験がないと対応できません。できればブラケット矯正など、他の矯正も行っている歯医者さんで行うのがおすすめです。
矯正ってどの歯医者さんでもできるものじゃないんですか?

矯正は、矯正専門の歯科医院があるくらい高度な技術が必要なんです。歯医者さんを選ぶ時は「矯正歯科」を選ぶといいですよ。
へぇ〜、知りませんでした〜。教えてもらって良かったー。
ダイレクトボンディング法とは

隙間が空いている部分の両脇の歯に、レジンという歯科用の補填材を足して隙間を埋める方法です。
ダイレクトボンディング法のメリット
- 通院1回で終了する
- 費用が安い
- 歯を削らない
- 他の歯と色を合わせやすい
レジンってプラスチックですよね?

はい。医療用で、継ぎ目が分からないようにつけて硬化させて使います。
へぇ〜、なんかお手軽な感じですね。

そうですね。ただ、くどいようですが矯正歯科でやるのがおすすめですよ。
ダイレクトボンディング法のデメリット
- 単純に隙間が空いているすきっ歯にしか対応しない
- 咬み合わせの改善はできない
- 変色しやすい
- 折れる可能性がある
- 歯科医師の技術の差が出やすい

前歯に継ぎ足すので、硬いものを噛んだりすると欠けてしまう可能性があります。
じゃあ硬いフランスパンとかは注意して食べないとですね。
ラミネートベニア法とは

歯の表面を少し削り、セラミックのベニヤ板を貼り付けて隙間を隠す方法です。
ラミネートベニア法のメリット
- 簡単に隙間を埋められる
- 治療期間が比較的短い
- 他の歯と色を合わせやすい
- セラミックやジルコニアなので変色しにくい

審美歯科や美容クリニックでよく用いられる方法です。
あ!矯正じゃないんですね。

あくまでも見た目の改善に特化したものです。
ラミネートベニア法のデメリット
- 咬み合わせの改善はできない
- 歯の表面を削る
- 虫歯や歯周病のリスクが高まる
- 費用がやや高め
- 作り直しには初回からと同じ費用がかかる

これも審美目的なので、咬み合わせは治療できません。
すぐに隙間をなくしたい人向けですね。
セラミック法(セラミック矯正)とは

セラミック法は歯の周りをぐるりと削り、セラミックの歯冠を被せる方法です。審美歯科や美容クリニックでよく用いられます。
セラミック法のメリット
- 治療期間が比較的短い
- 捻転歯や軽度の出っ歯の場合にも対応できる
- セラミックなので美しい歯にできる
- 自然な色味にできる
セラミック矯正っていうのもこれのことですか?

そういう呼び方もされますけど、正確には矯正というより審美目的ですね。
セラミック法のデメリット
- 歯を大きく削る必要がある
- 虫歯や歯周病のリスクが高い
- 費用がやや高め
- 作り直しには初回からと同じ費用がかかる

すっぽりと被せる分、強度は高いですけど、たくさん削るのが大きな特徴ですね。
一度削っちゃったらもう元に戻せないんですよね…。

そうですね。虫歯などになった場合はさらに削るかインプラントやブリッジなど別の治療法になります。
すきっ歯の矯正は自分に合った方法を選ぼう
すきっ歯を治すと、見た目の印象がかなり変わりますね。他にも食べ物が詰まらなくなる、発音の問題が解消するなど多くのメリットがあります。すきっ歯の治療法には様々な方法がありますが、予算や将来的なことを考えて、自分に合ったものにしましょう。
- すきっ歯だけでなく歯並びの悪さや全体の咬み合わせが改善できるのはブラケットとマウスピース矯正
- ボンディング法、ラミネートベニア法、セラミック法は短期間
- ボンディング法はプラスチックレジンで隙間を埋める
- ラミネートベニア法は表面を削って板をくっつける
- セラミック法は歯を大きく削って被せる
- 矯正治療の経験や知識が豊富な矯正歯科を選ぶと良い