大きな前歯を目立たなくしたい!出っ歯の矯正で削る時のリスク

人より前歯が大きいことがコンプレックスとなっている人はわりと多いものです。この記事では、前歯の大きさを変えることはできるのか、前歯を目立たなくする方法は?などのお悩みに対して、矯正で改善する方法をお伝えします。歯を削る場合のリスクもバッチリご紹介しますので、検討材料にお使いくださいね。
- 大きい前歯を削って目立たなくしたい
- 抜歯しないで出っ歯の矯正をしたい
- 出っ歯は治したいけど健康な歯を削るのは抵抗がある
- 大きな前歯を矯正だけで目立たなくさせることは可能?
前歯が大きく見える2つのタイプ

上の前歯が大きく見える人には、2つのタイプがあります。
- 前歯自体が平均より大きい
- 前歯が相対的に大きく見える
前歯自体が平均より大きい
上の前歯の平均的な幅は、男性で8.6mm、女性で8.5mmくらいといわれています。9mm以上幅があれば、前歯そのものが大きいといえるでしょう。
前歯が相対的に大きく見える
前歯の幅はそんなにないけどなぜか前歯が大きく見えるという人は、上顎のスペースが不足しているために前歯が前に押し出されいる、または隣の歯が極端に小さいために大きく見えていると考えられます。
大きな前歯を目立たなくさせる矯正方法
2つのタイプに対して前歯を目立たなくするいくつかの矯正方法をご紹介します。
1.前歯を削って形を整える(ディスキング)

前歯自体が大きい場合には、一般的には歯を削るという方法がとられます。これをディスキングまたはストリッピングといい、隣の歯と接している部分を支障のない程度に削ります。0.2〜0.5mmくらいの間で削っていきますが、削ると隙間が生じるために、矯正で隙間を閉じます。

隣との隙間をきっちりと閉じることで、滲みたり虫歯になったりするのを防ぐこともできるんです。
へぇ〜、そんなにぴっちりと閉じちゃうんですね〜。
2.矯正で全体の歯列を整える

前歯自体は大きくないのに顎のスペースが狭いために歯ならびのバランスが乱れて出っ歯になっている場合には、矯正で歯ならびを整えていきます。
歯がきちんと並ぶスペースを作るために、子どもなら成長を利用して顎を広げるという方法がありますが、大人の場合にはあまり使わない歯を抜歯して、スペースを作ります。
よく、抜歯しない矯正って聞きますけど、それはどうやってるんですか?

歯を奥に倒すやり方が一般的ですね。ただ、歯を倒さずに無理に並べると後戻りや口元がこんもりするといったトラブルが出ることも多いんです。
へぇ〜。どんなふうに治療していくかまで聞いたほうがよさそうですね。

残念なことに、中には安易に非抜歯と謳う歯科医院もあるので気をつけてくださいね。
はーい!
3.前歯を大きく削ってセラミックを入れる

セラミック法、セラミック矯正と呼ばれる方法で、前歯を大きく削って代わりにセラミックの歯を入れる、いわゆる差し歯です。大きな前歯、大きく見える前歯ともに可能です。比較的短時間で済み、治療後は前歯がきれいになりますが、元の歯を大部分削ってセラミックを被せるため、かみ合わせまで改善することはできません。

おもに審美歯科で行っている方法です。
正確には矯正ではないんですか?

全体のバランスやかみ合わせの矯正が目的ではないですね。
歯を削ってリスクがあるのはどんなとき?

歯を削る部分は表面のエナメル質だけで、中にある象牙質がむき出しになることはありません。ただ、エナメル質が薄くなるのでそれだけ神経に近くなり、知覚過敏や虫歯へのリスクが高くなります。そのため、これまで以上に日頃のケアを丁寧にすることが重要です。
象牙質はとても柔らかいため、誤って象牙質まで削ってしまうと虫歯になってしまいます。虫歯の治療で神経まで抜いてしまうと、歯に栄養が行き渡らなくなって寿命が短くなります。
また、当然ながら健康な歯を削ると、削った部分は元には戻りません。経験豊富で高い技術力のある歯科医師にかかるのがおすすめです。
削るだけだから簡単だと思ってましたけど、意外といろんなリスクがあるんですね〜。

そうですね。歯医者さん選びは慎重にしてくださいね。
1.ディスキングのリスクはほぼなし

ディスキング(ストリッピング)で削る量は、綿密な検査に基づいて、上下の歯のサイズの分析や全体で必要なスペースの計算などをして計画を立てます。削る量は左右同じ量にするなどいくつかのポイントがあり、リスクがある場合には提案されません。また、ディスキングした歯と隣接する歯との間に隙間が開かないようにするため、通常は虫歯や知覚過敏などの心配はありません。
- 唾液量が少ない人
- 唾液量を抑える薬を服用している人
- 歯が柔らかい若年者
- 歯周病が進行している人
へぇ〜、ディスキングって補助的な治療だと思ってましたけど、ちゃんとした技術なんですね。

そうですよ〜。きちんとした術式がありますので、安心してくださいね。
2.前歯を大きく削る場合はリスクあり

前歯を大きく削ってセラミックを入れる場合には、少々リスクを伴います。というのも、前歯を削って差し歯を入れるだけでは、全体的なかみ合わせは変わらないので、歯ならびが改善されないからです。
矯正治療とは、上下の歯のかみ合わせのバランスを整えることが目的です。審美的なことだけに終始してしまうと、かみ合わせが原因で以下のようなことが起こることがあります。
- 食べ物がきちんと噛めず消化不良を起こす
- 発音しにくい
- 別の歯に余計な力が加わって負担がかかる
- 歯ならびが悪くなる
- 骨格がゆがむ
- 慢性的な肩こりや頭痛が起こる

歯がきちんと機能することが健康の基本なんです。
へぇ〜、歯って思った以上に重要なんですね〜。
出っ歯の矯正をする時の歯科選びのポイント

出っ歯の矯正は、歯だけでなく口腔全体の構造や生物学的な知識のある医師を探すことが重要です。出っ歯の矯正は、審美性だけ考慮しても機能が伴わなければ意味がありません。反対に、機能性だけ追求しても見た目がよくなければ目的を果たせたとはいえないでしょう。
おすすめなのは、矯正専門の歯科医院、日本矯正歯科会などに入っている医師がいるところなどです。

今の歯科医療では元の歯をできるだけ活かすのが歯の寿命を伸ばすと考えられているので、安易に削ったりしない歯科医院を選ぶといいですよ。
なるほど〜。まずはどんな治療をするのかよく説明を聞いてから、治療を受けるかどうか決めるのがいいですね。

そのとおり。初回は無料相談をしているところも多いので、いくつかの歯医者さんで気軽に説明を聞いてみてくださいね。
出っ歯の矯正方法は状態によって異なります
出っ歯と一口に言っても、前歯のサイズが大きいのか、歯ならびが原因で前歯が大きく見えているのかと、その人のお口の状態によって異なり、それに準じて治療方法も異なります。自分では歯が大きくて目立つと思っていても、歯ならびを矯正したらそうではなくなるケースも多いので、診断を受けたらどんな治療の選択肢があるのか、医師とじっくり相談するのがおすすめです。
- 出っ歯には歯のサイズが大きい場合と、相対的に大きく見える場合がある
- ディスキングは前歯のサイズが9mm以上で大きい場合の治療法
- 相対的に大きく見える場合は矯正治療で改善できる
- セラミックの差し歯は見た目の改善はできるが根本治療にはならない
- ディスキングのリスクはほぼなし
- 差し歯は元の歯の大部分を大きく削るので、元の歯は戻らない
- 矯正はかみ合わせの調整こそが重要
