出っ歯を歯の内側で矯正するメリットとデメリットを教えて!

歯の内側にブラケットとワイヤーをつける裏側矯正(舌側矯正・リンガルブラケットともいう)は、人から気づかれにくいので人気があります。ただ、見た目以外になにかメリットはあるのかな?デメリットは?と疑問を持つ人も多いでしょう。そこで、ここでは裏側矯正のメリットとデメリットをご紹介します。
- 内側の矯正だけで出っ歯も治せるの?
- 内側で矯正する方法ってなんていうの?
- 私の出っ歯も内側の矯正で治る?
- 内側の矯正のメリットとデメリットを知りたい
内側の矯正で治せる出っ歯

まずは、歯の内側に装着する裏側矯正で治せる出っ歯の種類をおさらいしましょう。
- 前歯が前に傾斜している
- 前歯がデコボコして前に出ている
- 前歯が出て歯茎まで見えてしまう
裏側矯正は、通常の表側につけるブラケット・ワイヤー矯正と同様、ほとんどの不正咬合に対応できる優れた矯正方法で、部分矯正もできます。
裏側矯正が向いていないのは、骨格から前に出ている出っ歯や、下顎の骨格が極端に小さいことが原因の出っ歯です。

裏側矯正ができるのは、顎のスペースや歯ならびが原因のものです。
へぇ〜、裏側矯正できるかどうかは自分でもある程度は分かりますか?

骨や唇が原因になっていることもあるので、やはり詳しく診断したりレントゲン検査したりする必要があります。
素人では難しいんですね〜。
内側矯正をするメリット
では、裏側矯正のメリットから説明していきますね。
1.他人の目を気にしないで済む

歯の表面にブラケットやワイヤーをつけていると、どうしても他人の目が気になりますね。今は昔のような銀色一辺倒ではなく、白色や透明のブラケットやワイヤーがあり、銀色のワイヤーでも細くて目立たないものなど、審美性に考慮したものがあります。
とはいえ、やはり人の目が気になるという人は、裏側矯正がおすすめです。裏側矯正なら口を開けても人に気づかれることがありません。装着したての頃は、慣れるまで発音しづらいなど違和感がありますが、しばらく経つと慣れるので心配いりません。

通常はマスクをしているので気づかれにくいですが、食事時などに気になるという方におすすめです。
鏡を見た時の気分も違うかもしれないですね〜。

それは確かにあるかもしれませんね。
2.表側矯正より虫歯になりにくい

ブラケット・ワイヤー矯正は、表側矯正でも裏側矯正でも、歯に装置をつけたままになります。そのため歯ブラシが届きにくいところが出てきて虫歯になりやすいです。しかし、口の内側には唾液が常に循環しているので、表側よりは裏側矯正のほうが虫歯になりにくいという特徴があります。

ただし、普通のときよりはやっぱり虫歯にはなりやすい状況なので、ケアはいつもより丁寧にしてくださいね。
でも、歯ブラシが届きにくいところはどうやってケアすればいいんですか?

矯正中は定期検診があって、歯医者さんがしっかりとクリーニングしてくれます。それに、矯正中の歯みがきの仕方の指導もしているので安心ですよ。
へぇ〜、そうなんですね〜。よかったー。
3.食事中も周囲の目を気にしないで食べられる

表側に矯正装置をつけて食事をすると、装置の間に食べ物が挟まったりしていないかと気になります。しかし、裏側矯正の場合はそのような心配はいりません。
挟まるのが気になると、繊維質のものとか食べられなくなっちゃいそうですね〜。

気になる人はそうですね。裏側矯正なら、もし挟まっても見えないので自分が不快なだけで済みますし、食後すぐに取れば問題ありませんね。
4.舌癖の予防になり後戻りしにくい

出っ歯の人は、舌で前歯を押す癖があったり、上下の前歯の間に舌を挟む癖がある人が多いです。出っ歯の人で上顎のスペースが狭いと、口がすぼんでいる状態のほうが楽で舌の位置も前に出てしまうためです。
舌の癖が治らないと、せっかく矯正で歯ならびを治しても、再び舌で前歯を押して後戻りしてしまう可能性があります。
裏側に矯正装置があると、舌が触るたびに意識できるので、舌の癖を治すのに役立ちます。
先生、舌ってどこにあれば正しいんですか?

本来の舌の位置ですね?少し奥に引っ込んで下顎のくぼんだ部分に落ちているか、上顎と下顎の中間で浮いている状態が正しい位置です。
へぇ〜、そうなんですね〜。
内側矯正のデメリット
たくさんのメリットがある裏側矯正ですが、デメリットも押さえておきましょう。
1.慣れるまで違和感がある

歯の裏側に装置をつけると常に舌に触れているになるため、慣れるまでに違和感があります。装置が当たり続けることで舌に跡ができることもありますが、ほとんどの場合1〜2週間もすれば慣れて、舌に跡もつかなくなります。

個人差があるので、それは踏まえておいてくださいね。
はーい。
2.発音がしづらい

出っ歯の人は元々、サ行が発音しづらい人も多いですが、矯正中は装置がじゃまになって、タ行、ラ行など舌が上顎や歯の裏側につく発音がしづらくなることがあります。1〜2ヶ月ほどすると慣れてくる場合もありますが、なかにはいつまでも発音がしづらいままの人こともあります。

いつまでたっても発音しづらい人は、意識的に練習するのがいいですよ。
へぇ〜。こんな苦労もあるんですね〜。

まあ、苦労というか。気にしないでそのまま通しちゃう人もいますよ。
3.歯みがきがしづらい

歯の裏側はただでさえ凸凹しているうえに、自分では見えないため、どうしても磨きづらくなります。定期検診では歯科衛生士が矯正中の歯磨きのやり方をしてくれるので、よく聞いて実践しましょう。
矯正中の歯みがきの仕方って、特殊なんですか?

特殊ということはないですけど、磨き残ししやすい場所や、その場所の磨き方なんかを教えてくれますよ。
へぇ〜、それは助かりますね〜。
4.費用が高い

裏側矯正は、歯の裏側に装置をつけるため、高度な技術が必要になります。そのため通常の矯正よりも若干費用が高めです。
技術料ってことですか?

そうですね。次の項でもう少し詳しく説明しましょう。
裏側・舌側矯正は高度な技術が必要

表側の矯正は、ブラケットの位置を目視で取り付けることが可能ですが、裏側矯正の場合は、まず歯型をとってオーダーメイドの矯正装置を作成するという作業があります。そのため、担当する医師には精密に技工する技術や豊富な知識が必要です。
歯の裏側は凸凹が人によって違って複雑な上、表側矯正の装置が使えないためです。裏側は見えづらい分、ワイヤーの調整に手間や時間がかかるということもあります。

裏側矯正は治療期間も表側より長くなるケースが多いです。
へぇ〜、どうしてですか?

前準備の工程も多いし、歯の動きが表側矯正と少し違うからなんですよ。
へぇ〜、知りませんでした〜。それでちょっと高額になっちゃうんですね。
ところで、裏側矯正でも非抜歯でできるんですか?
出っ歯になる原因の多くは顎のスペースが不足していることです。スペースを確保するもっともスタンダードな方法は抜歯ですが、歯列全体を奥に倒すことで抜歯せずに改善できることもあります。しかし、ただ抜歯せずに歯並びだけを矯正した場合には後戻りしてしまう可能性があるので、担当医に詳しく治療内容を聞くようにしましょう。
出っ歯を内側の矯正で治すなら医師選びは慎重に!
内側に矯正装置をつける裏側矯正は、高度な技術と知識が必要です。歯科医院を選ぶ時は、様々なタイプの前歯の矯正治療の実績があることや、矯正専門歯科であること、最新の技術を取り入れていることなどに注意すると良いでしょう。後悔のないように、納得して矯正治療を受けてくださいね。
- 裏側矯正ができる出っ歯は歯ならびや顎のスペースが原因のもの
- 裏側矯正は人に気づかれずに矯正治療ができる
- 食事中も人の目を気にしないで済む
- 表側より虫歯になりにくい
- 慣れるまでは違和感を感じることがある
- 裏側矯正は高度な技術が必要
