出っ歯だけを部分矯正することはできる?費用や期間はどれくらい?

「歯が出ているのが気になって思い切り笑うことができないからなんとか出っ歯を治したい。だけど矯正って高いし…」とためらっていませんか?実は、軽度の出っ歯なら多くの場合「部分的な矯正」で改善することが可能です。部分矯正は、全体の歯列矯正よりも費用や期間を抑えられます。ここでは、出っ歯だけを矯正する方法や部分矯正について詳しくご紹介します。
- 出っ歯だけを矯正したい
- できれば抜歯せずに出っ歯を治したい
- 出っ歯を部分矯正だけで治すことは可能?
- 出っ歯だけを治す方法の種類を知りたい
出っ歯だけを矯正する方法
気になる前歯の出っ張りだけを矯正する方法は、3種類あります。
- 部分矯正をする(部分矯正)
- セラミックの被せものをする(セラミック法)
- 隣接する歯を削って矯正する(ディスキング+矯正)
どれも似ているようでいて異なる手法ですので、ひとつずつ詳しく説明していきますね。
1.部分矯正をする(部分矯正)

前歯だけを部分的に矯正する場合、通常の矯正治療と同じように矯正装置をつけて少しずつ歯を後ろに動かしていきます。費用や期間は矯正装置の種類によってやや異なりますが、いずれも全体を矯正する場合の1/3〜半分程度に収まります。
- メリット:自分の歯をそのまま活かせる・噛む力が落ちない
- デメリット:矯正装置を装着する必要がある
期間:数ヶ月

部分矯正については、あとで詳しく説明しますね。
はい!よろしくおねがいしま〜す。
2.セラミックの被せものをする(セラミック法)

歯の根を残して出っ張っている部分全体を削り、セラミックの被せものをする方法で、いわゆる“差し歯”です。「セラミック法」「クイック矯正」などとも呼ばれ、主に美容歯科クリニックなどで行われます。
- メリット:比較的短期間で見た目を改善できる
- デメリット:健康な歯を大きく削る・神経を抜くことがある・噛む力が弱くなる
期間:1ヶ月〜3ヶ月程度

差し歯なので強度は天然の歯に比べると弱くなります。
へぇ〜。じゃあ硬い食べものなんかは注意しないといけないですね。
3.隣接する歯を削って矯正する(ディスキング+矯正)

前歯を後ろに引っ込める時にわずかにスペースが足りないような場合は、歯と歯が隣接する部分を少しずつ削り(ディスキング)、その後でブラケットなどで矯正するという方法もあります。
- メリット:抜歯せずに前歯を後方に引っ込めることができる
- デメリット:健康な歯を少し削る必要がある
期間:数ヶ月

大きく前に出ている出っ歯はこの方法でも難しいですけど、軽度の出っ歯なら可能なことがあります。
大きく前に出ている歯はどうしてできないんですか?

出っ歯の症状が大きいと、前歯だけ治しても奥歯とのかみ合わせが合わないからです。
へぇ〜、そういうことなんですね。
部分矯正の種類
できるだけ健康な歯にダメージを与えず、噛む力も弱めない部分矯正には、以下の3種類があります。
- ブラケット矯正
- マウスピース矯正
- 裏側(舌側)矯正
どんな治療法なのか、もう少し詳しく説明しますね。
1.ブラケット矯正

昔からある歯に銀色の装置をつける一般的な方法です。歯にブラケットと呼ばれる固定具をつけ、ワイヤーを通して歯を動かしていきます。ブラケットはワイヤーを滑らせるためのレールと考えるとわかりやすいかもしれません。
出っ歯の部分矯正の場合は、動かしたい左右の前歯数本にだけ、ブラケットとワイヤーを取り付けます。
- 費用:15万円程度〜
- 期間:3ヶ月程度〜

今は白や透明のブラケットとワイヤーもありますよ。
へぇ〜、ワイヤー矯正っていうと銀色のを思い浮かべちゃうけど、目立たないのもあるんですね。

少し費用は高めになりますけど、希望する人は多いですね。
2.マウスピース矯正

シリコン製のマウスピースで歯を徐々に動かす矯正方法です。マウスピースはその人オリジナルのものを作ります。金属アレルギーの人や接客業など人前に立つ機会が多い人などにおすすめです。
- 費用:5万円程度〜
- 期間:4ヶ月

マウスピースは自分で着脱できるので、歯磨きもしっかりとできますよ。
でも、その分自分で意識してちゃんとつけないとですね。

鋭いですね。そのとおりで、計画通りに矯正できるかどうかはご本人によるところが大きくなります。
3.裏側(舌側)矯正

通常のブラケット矯正を前歯の裏側に装着する方法です。前からは装置が見えないので、人目を気にせずに矯正することができます。舌などに矯正装置が当たるので最初は違和感を感じますが、しばらくすると慣れてしまう人がほとんどです。
- 費用:30万円程度〜
- 期間:数ヶ月

部分矯正は、全体の矯正よりも高度な技術が必要なんです。
へぇ〜。それじゃよく調べて歯医者さんを決めないとダメですね。

そうですね。経験豊富で信頼できる矯正専門の歯科を探してくださいね。
部分矯正ができない出っ歯もある

部分的に出ている前歯を矯正できる部分矯正ですが、それができない出っ歯もあります。前歯だけ出ているように見えても、よくよく検査して調べてみるとかみ合わせや奥歯の歯並びに問題が見つかるケースもあるからです。具体的には以下のようなケースは前歯だけの矯正ができません。自分の歯は部分矯正できるかどうか、歯科医師に相談してみましょう。
- 出っ歯の症状が大きい
- 前歯の凸凹が大きい
- 前歯だけでなく全体の歯並びがデコボコしている
- 上下の前歯を動かすだけのスペースがない
- 出っ歯で開咬(上下の歯に空間)もある
- 骨格の問題から出っ歯になっている

矯正治療はかみ合わせを整えることが一番の目的なので、それが叶わないものはできません。
へぇ〜、出っ歯っていっても色々難しいんですね。
複数の歯科医院で相談するのがおすすめ
軽度な出っ歯なら部分的に矯正することも可能ですが、検査結果によっては別の問題で出っ歯になっている可能性もあります。また、部分矯正は高度な技術が必要となるので、できれば複数の歯科医院で相談してみるのがおすすめです。なお、通常の歯科医院ではなく、矯正専門歯科医院を探すのが良いでしょう。
- 部分的な矯正は全体の歯列矯正の半分以下の費用と期間でできる
- 矯正装置を前歯だけに装着する部分矯正
- セラミックの差し歯で出っ歯を治すセラミック法
- 隣接する歯を少量削ってから矯正するディスキング+部分矯正
- 差し歯は噛む力が落ちるので注意
- マウスピース矯正や裏側矯正は人目を気にせず出っ歯を治せる
- 部分矯正ができない出っ歯もある