出っ歯を矯正できないと言われた!手術を伴う外科的矯正ってどんな治療?

出っ歯を矯正できないと言われた!手術を伴う外科的矯正ってどんな治療?
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出っ歯を歯列矯正で治したいと思って歯医者さんに相談したら、「矯正できない。外科手術が必要」と言われた時。どうして矯正できないのか、その外科手術とはどんなものなのか気になりますよね。

そこでこの記事では、出っ歯の治療で手術が必要になる「外科的矯正」について解説します。

どんな症状の場合、外科手術が必要になるのか、その手術はどんな流れで行われるのかを説明します。歯科医と治療計画を相談する際の参考にしてくださいね。

この記事がおすすめな人
    • 出っ歯を歯列矯正で治したい歯医者に相談したが、できないと言われた。
    • 出っ歯は、歯列矯正できない場合とできる場合があると聞いた。なぜ?
    • 出っ歯は外科手術をしなければ治せない場合があるというのは、本当?
    • 出っ歯は矯正治療できないので手術を提案された。本当に手術が必要?
    • 出っ歯の外科手術って何をするの?治療費が高額なのでは?と心配。
INDEX
  1. 「出っ歯を歯列矯正では治療できない」と言われた
    1. 矯正できないと言われた症例とその理由
    2. 出っ歯・受け口
    3. 笑うと歯ぐきが目立つ(ガミースマイル)
    4. 下顎がない、極端に小さくて後退している
    5. 顎変形症
    6. 顔面非対称
  2. 外科手術で出っ歯を治療できる
    1. 口腔外科治療の流れ・治療にかかる期間
    2. 相談・カウンセリング
    3. 検査・診断
    4. 矯正前の処置
    5. 手術前の矯正治療
    6. 外科手術
    7. 手術後の矯正治療
    8. 保定・観察期間
    9. プレート除去
  3. 外科手術で出っ歯を治療するリスクは?
    1. 外科手術を伴う外科矯正は保険適応になるケースも
    2. 医療費控除制度を利用できることも
  4. 担当歯科医・セカンドオピニオンの話をじっくり聞くことが大切

「出っ歯を歯列矯正では治療できない」と言われた

ネコさん

先生、知人が出っ歯の矯正をしようとしたら歯医者さんに「歯列矯正できない」って言われたそうなんです~!矯正を諦めないといけないんですかね~?

柿木先生

診断してみないことにはわかりませんが、外科手術が必要な症例なのかもしれませんね。

ネコさん

ええっ、出っ歯を治したいだけなのに手術するの~!?いったい、どういうこと…?

矯正できないと言われた症例とその理由

出っ歯は、症状によっては歯列矯正だけで治療するのが難しい場合があります。

骨格に問題がある歯並び・噛み合わせの不正は、外科手術による治療が必要になります。

どんな症例なのか、具体的に見ていきましょう。

出っ歯・受け口

出っ歯や受け口は、顎変形症という顎の骨の発育異常の一種です。

出っ歯を歯科用語で「上顎前突症」といい、受け口を「下顎前突症」といいます。

歯そのものに問題がある出っ歯や受け口は、歯列矯正だけで治療できますが、原因が顎の骨や骨格にある場合、骨の手術が必要になります。

笑うと歯ぐきが目立つ(ガミースマイル)

ニコッと笑うと歯茎が見える状態を、「ガミースマイル」といいます。

ガミースマイルは、上顎が前に出ている出っ歯の人に多い症状です。

極端なガミースマイルの場合は、歯列矯正だけでは治療が難しいケースがあります。その場合は、外科手術で骨の一部を切除するのが治療法のひとつです。

下顎がない、極端に小さくて後退している

下顎が大きく後ろへ後退していて、顎がないように見えるのも、「上顎前突症」の症状のひとつです。

このように骨格に対してアプローチが必要となる不正な噛み合わせの治療では、外科手術を伴う矯正を行うことになります。

顎変形症

顎変形症には、上顎と下顎の大きさや形、バランス、噛み合わせの異常・変形などの症状があります。出っ歯・受け口も顎変形症のひとつです。

顎変形症は、遺伝によるものが多いでうすが、小さい頃からの指しゃぶりや舌の癖などでも起こります。

極度の顎変形症の場合は、外科手術を取り入れた矯正を行うケースが多くなります。

顔面非対称

顔が右や左に曲がってたり、顎がズレていたり、顔が歪んで非対称になっている状態を「顔面非対称」といいます。

下顎や噛み合わせに問題がある骨格性の顔面非対称は治療が難しく、外科手術を伴うケースが増えます。

外科手術で出っ歯を治療できる

ネコさん

出っ歯の治療で外科手術をしなければいけないなんて、大変ですね~。

柿木先生

「外科的矯正」といって、れっきとした歯列矯正の治療法ですよ。歯科口腔外科では、専門医が修得する必修課目に入っているほどです。外科的矯正は、それほど珍しいわけではなく普通に行われる治療なんですよ。

ネコさん

へぇ~!そうなんですね~!そう聞くと、なんだか敷居が低くなった気がしますね…!

口腔外科治療の流れ・治療にかかる期間

外科的矯正では、手術で顎の骨の根本的な問題を解決できます。難しい症例をブラケットやマウスピースなどの矯正装置だけで治療すると、果てしない時間がかかる上に、いつまでも矯正が進まないといった状態に陥ってしまいます。

まずは外科手術で骨格の問題をクリアにし、その上で矯正装置をつかった治療を行いますので、矯正装置オンリーで進めるよりも治療期間を短縮できます。

それでは、外科手術を伴う歯列矯正の流れを紹介します。

相談・カウンセリング

矯正歯科に訪れて、いきなり手術を行うわけではありません。まずは、カウンセリングからスタートしますので、ご安心ください。

患者さんのお悩みをおうかがいし、解決すべき問題が何なのかを洗い出します。そして、この時点で考えられる治療法について、説明します。

手術を伴う外科的矯正が適している場合は、手術の流れなども簡単に説明します。

検査・診断

レントゲン、CT、歯型、口腔写真など、治療計画に必要な資料をそろえるための検査・診断を行います。その資料を元に、歯科医師から患者さんに適した治療法を提案します。

矯正前の処置

外科手術の後でよい噛み合わせを得るために、事前に必要な矯正を行います。

歯を動かすために必要なスペースを確保するため小臼歯を抜歯したり、親知らずが手術の邪魔になりそうなら、あらかじめ抜歯したりといった事前準備をしておきます。

手術前の矯正治療

手術を行う前に、顎の骨をずらした後にしっかり噛み合わせが安定するように、マルチブラケット矯正で歯を並べます。

そのため、手術前はかえって噛み合わせが悪化したような感覚になりますが、すべて手術が終わった後に良い状態をつくれるよう想定しているためです。

手術前の矯正期間は、症状によって個人差がありますが、およそ10カ月~2年くらいです。

外科手術

術前矯正が完了するころ、口腔外科医の元で術前の検査や準備を始めます。

外科的矯正の場合は、矯正医と口腔外科医が連携して治療を行っていきます。大きい病院なら矯正医と口腔外科医が別々に在籍しています。

病院の規模によっては1人の先生が矯正治療も外科矯正も、両方とも担当することもあります。

ただし、どちらも専門性の高い治療なので、ひとりの先生がいくつもの診療科目に長けているケースは少ないといえます。

総合的な専門性を高めるために、口腔外科医や矯正医などの専門家を外部から定期的に招き、トータルな診療を実践している歯科医院もたくさんあります。

準備が整えば手術日を決定し、口腔外科医による外科手術が行われます。手術の数日前からトータルで5日~14日くらいの入院が必要です。

手術後の矯正治療

手術で顎の骨を動かしたら、術後矯正で歯並びの細かいところや噛み合わせの微調整を行います。

個人差がありますが、だいたい半年~1年半くらいかかります。

保定・観察期間

手術で動かした顎の骨が安定し、術後矯正で噛み合わせが整ったら矯正治療は完了です。

ここからは後戻りを防ぐために保定装置をつけ、2~3カ月に1回くらいの頻度で通院しながら経過を見ていく期間になります。

完全に歯並びが安定するまで、数年かかります。

プレート除去

歯並びが安定したら、保定期間の完了です。

もし、手術で顎の骨を固定するために入れていたチタンプレートやネジなどがあって、取り出す必要があれば、簡単な手術を行います。

外科手術で出っ歯を治療するリスクは?

ネコさん

外科的矯正は、とても効果があるとは思うんですけど手術と思うとやっぱり心配になっちゃいますよね~。リスクはないんですか~?

柿木先生

外科的矯正のリスクといえば、やはり手術を伴うことでしょうね。それほど難しい手術ではないとはいえ、手術は手術ですから、安全を期して行わなければなりませんので、しっかりと検査や準備が必要です。

ネコさん

そうですよね~。

柿木先生

本格的な手術を伴いますが、その分、大きな治療効果を期待できるのが特徴ですね。

外科手術を伴う外科矯正は保険適応になるケースも

柿木先生

それから、外科手術が必要な歯列矯正は保険適応になるケースがあります。ただし、かなり限られたケースではありますが…。

ネコさん

へぇ~!そうなんですね~!

歯列矯正の治療は健康保険が使えません。ただし、厚生労働省が定めた特定の条件に合った症例であれば、健康保険が適用するケースがあります。

顎変形症をはじめとする、先天的な59の疾患などがそれにあたります。そのためには、認可を受けた医療機関で治療を受けなければならないなど、条件が詳しく定められています。

※外科的矯正で保険が適用になるケースについては、こちらの記事が参考になります

噛み合わせ矯正で保険を使えることがある!?保険適用できる3つのケース

医療費控除制度を利用できることも

外科的矯正の治療を受けると、まとまった治療費を支払うことになります。一年間に支払った医療費が基準額を超えると、確定申告により税金の一部が戻ってくることがあります。

柿木先生

手続きの方法など、詳しくは国税庁のホームページを参照してくださいね

ネコさん

嬉しい制度ですね~!忘れずに申請しなくちゃ~!

国税庁ホームページ

国税庁ホームページ

担当歯科医・セカンドオピニオンの話をじっくり聞くことが大切

柿木先生

出っ歯の矯正だけに限りませんが、患者さんの症状やご希望によって、どんな風に治療を進めるか何通りかの治療法を考えられるケースがあります。

ネコさん

そうなんですね~!

柿木先生

担当の歯科医の説明をしっかり聞いても納得がいかない場合は、他の医者の見解を聞いてみる「セカンドオピニオン」を受けるのも手です。

ネコさん

なんだか遠慮しちゃうけど、セカンドオピニオンって使ってもいいんですか~?先生との信頼関係が壊れたりしないか心配で…

柿木先生

もちろん大丈夫です。患者さんの当然の権利ですからね。担当医に「セカンドオピニオンを受けたい」と相談してください。これまでの情報をセカンドオピニオン先の先生に提供できますので、よりよい診断が受けられますよ。

ネコさん

へぇ~!そういうものなんですね、すごく心強い~!それなら安心ですね~!さらに信頼関係が強くなりそうな気がしてきました~!

記事の重要ポイントをチェック!
    • 出っ歯は顎変形症のひとつ。症状によっては外科手術が必要になる。
    • 出っ歯は、骨格要因の場合は、歯列矯正だけでは治療できない。
    • 出っ歯の治療は、骨格が原因なら骨の一部を切除する手術を行う。
    • 外科手術を伴う出っ歯(顎変形症)の治療は保険適用になることがある。
    • 納得できない時は担当医に相談してセカンドオピニオンを受けよう。