乳歯が抜けない・永久歯が生えてこない!大人の先天性欠如歯の矯正法

いつまでも乳歯が残っている、乳歯が抜けた後いつまでも永久歯が生えてこないというのは、先天性欠如歯の可能性があります。先天性欠如歯はそのままにしておくと、色々な問題が生じてきます。もしかしたら、歯並びの悪さも先天性欠如歯が原因かもしれません。この記事を読むと、先天性欠如歯について理解でき、リスクや対処法を知ることができます。
- ずっと乳歯のままの歯がある
- 永久歯がなかなか生えてこない
- 歯が足りないところがある
- 歯医者に行ったら先天性欠如歯と言われた
先天性欠如歯とは?

先天性欠如歯とは、生まれつき歯が足りないことをいいます。人の歯はまず乳歯が生え、その下に育ってきた永久歯に押されて乳歯が抜け落ちます。乳歯は20本、永久歯は親知らずを入れて28本です。
しかし、生まれつき永久歯がない場合、乳歯が抜け落ちずにずっと残ることになり、なかには30代を過ぎても乳歯のまま気づかずに過ごしている人もいます。
先天性欠如歯はレントゲン撮影をすれば分かるため、虫歯や歯周病の治療の際に先天性欠如歯が発覚することもあります。
歯が生まれつき足りないなんて、考えたこともありませんでした〜。

確かに普通に生活できていたら、あまり気にしないですよね。
大人が先天性欠如歯のケース

大人の先天性欠如歯には、2つの原因が考えられます。
- 生まれつき永久歯の本数が足りない
- 過剰歯が邪魔をして永久歯が生えてこない
生まれつき永久歯の本数が足りない人は意外と多く、10人に1人ほどいるというデータもあります。
永久歯はあるけれど生えてこないのは、過剰歯があるために永久歯が生えるスペースがなく、歯ぐきの中にとどまっているケースと、歯ぐき自体が厚くなかなか生えてこられないというケースがあります。

先天性欠如歯は歯並びが悪い人の原因のひとつでもあります。
歯が少なくても歯並びは悪くなるんですね。
先天性欠如歯を放置しておくことで起きる弊害

先天性欠如歯を放置しておくと、以下のような問題が起こります。
- 隙間ができる(すきっ歯)
- 歯並びが悪くなる
- 抜け落ちない乳歯が虫歯や歯周病になりやすい
永久歯がなくても乳歯が丈夫なら、そのまま長く使い続けることもひとつの選択肢です。しかし、乳歯はもともと永久歯よりももろく、虫歯や歯周病になりやすいというリスクがあります。
もし乳歯がダメになって抜け落ちてしまった場合、その部分にポッカリとスペースが空いてしまいます。これは見栄えも悪いですし、発音やかみ合わせも悪くなります。
さらに隙間が空いたまま放置しておくと、歯はスペースを埋めようとして少しずつ動いてしまいます。すると、倒れたりする歯が出てきて歯列が崩れてしまうのです。
大人になってからの歯列矯正は、時間も費用もかかります。そうなる前に、早めに治療をすることをおすすめします。

倒れた歯を起こしてから矯正するのは時間がかかるんです。
あまり年月をおかないで矯正するのがいいんですね。
先天性欠如歯を矯正で治す方法
先天性欠如歯の治療には、以下の4つの方法があります。
- 歯列矯正
- ブリッジ
- 部分入れ歯
- インプラント
1.歯列矯正

歯列矯正は、矯正装置を使って歯並びやかみ合わせを整える治療法です。歯列全体を動かして空いているスペースを埋めていきます。また、過剰歯が邪魔している場合には、抜歯をすることもあります。
矯正装置にはワイヤーを使ったワイヤーブラケット、歯の裏側にワイヤーをあてるリンガルブラケット、透明なマウスピースを取り替えていくマウスピース矯正などがあります。

少しの隙間なら今ある歯だけで調整することができます。
それはいいですね!マウスピースなら人に知られずに矯正することができますね〜。
2.ブリッジ

ブリッジは、歯が抜けてなくなってしまった部分に人工歯を入れる治療法です。なくなった部分の両側の歯を支えにして、橋のようにかけます。ただし、両側の歯は表面を少し削るため、他の健康な歯よりも少々弱くなってしまいます。また、噛む力も天然歯より若干弱くなります。両側の歯が健康であることが、ブリッジができる条件です。
人工歯はぶら下がっているような状態ですか?

実際にはしっかりと固定しますが、イメージとしては上から被せる感じです。
あ〜、被せる!なんとなく分かりました。
3.部分入れ歯

部分入れ歯は、金属やプラスチックのバネ状のフックを他の歯にかけて人工歯を入れる治療法です。支えとなる歯に負担をかけるため、健康な歯が弱くなったり顎骨が痩せてしまったりすることがあります。自分で着脱できますが、違和感を感じることがあり、噛む力は天然歯に比べて半分程度になります。

部分入れ歯のメリットは、短い期間で治療できることと保険がきくことです。
なるほど〜。時間と費用をかけたくない人にはいいですね。
4.インプラント

インプラントは、空いたスペースの顎骨に直接人工歯根を埋入して、人工歯を被せる治療法です。他の歯に負担をかけることがなく、噛む力も天然歯とほぼ変わりません。ただし、インプラント周囲炎にかかりやすいので毎日の歯みがきなどの予防が必要です。

治療期間や費用は他の治療よりもかかりますが、何十年も長持ちします。
えっ!他の治療法は長く持たないんですか?

そうですね。ブリッジや部分入れ歯の寿命は長くても10年未満です。顎骨が痩せたりしても作り直が必要です。
そうなんですね〜。
先天性欠如歯の治療の費用・治療期間・寿命

気になるそれぞれの治療法の違いを、表でわかりやすくまとめました。「保険適用内」は保険適用内が可能、「保険適用外」は自費診療という意味です。
費用 | 治療期間 | 寿命 | |
---|---|---|---|
ブリッジ | 保険適用内。1万円〜 | 2週間〜1ヶ月程度 | 8〜10年程度 |
部分入れ歯 | 保険適用内。5,000円〜 | 1〜2週間程度 | 3〜5年程度 |
矯正治療 | 保険適用外。30万円〜 | 1〜3年程度 | ― |
インプラント | 保険適用外。30万円〜 | 6ヶ月〜1年程度 | 10年〜 |
矯正は一度すれば半永久的なんですか?

後戻りしなければずっとそのままでいられます。
先天性欠如歯を治療して歯並びのきれいな大人になろう
先天性欠如歯は自分ではなかなか気づくことができませんが、歯並びが悪い・1本だけ他の歯となんだか違うなどの場合は、先天性欠如歯かもしれません。
先天性欠如歯を放置しておくと後々に問題が生じますので、気づいた時点で矯正治療することをおすすめします。
- 先天性欠如歯とは生まれつき歯の本数が少ないこと
- 生まれつき永久歯がない場合と、過剰歯が邪魔して生えてこない場合がある
- 放置しておくと歯並びが悪くなる・すきっ歯になる・虫歯や歯周病になりやすくなる
- 治療方法には矯正・ブリッジ・部分入れ歯・インプラントがある