マウスピース矯正で歯茎が痛い・腫れた!歯茎のトラブルと予防法

マウスピース矯正について、「痛みがない」と謳う歯科の広告が多いですが、実際には歯茎が痛い・腫れたなどのトラブルも報告されています。今回は、マウスピース矯正で起こる歯茎のトラブルや予防法についてご紹介していきます。この記事は、マウスピース矯正中で今まさに痛みをどうにかしたい人や、これからマウスピース矯正をしようかと検討している人におすすめです。
- マウスピース矯正をしているが歯茎が痛くて辛い
- マウスピース矯正を始めてから歯茎が赤く腫れてきた気がする
- マウスピース矯正を始めたら歯茎が白く腫れて痛い
- マウスピース矯正は歯茎が下がるって本当?
マウスピース矯正で起こりうる歯茎トラブル

痛みがないっていうけど中には痛みを感じる人もいるんですか?

人によって感じ方が違うので「絶対ない」とは言い切れませんけど、他の矯正よりは痛みが少ないです。
あ〜、そういうことですね。
マウスピース矯正中に考えられる歯茎トラブルは、以下のようなものです。
- 歯や歯茎に痛みを生じる
- 歯茎に炎症が起きる
- 歯茎にマウスピースが刺さる
- 歯茎が下がる
- 歯と歯の隙間に食べカスが入り込む
1.歯や歯茎に痛みを生じる

マウスピース矯正は、ワイヤー矯正などに比べるとたしかに痛みは少ないですが、やはり矯正は歯を動かす治療なので歯の動くときには痛いと感じる人がいるようです。
マウスピース矯正では、マウスピースを交換しながらゆっくりと歯を動かしていきます。痛みを感じるのはマウスピースの交換直後で、ほとんどの場合、痛みは3日後くらいから徐々に収まってきます。個人差もあり、痛みというより締め付けられるように感じる人が多いです。
1ヶ月にどのくらい動くんですか?

0.3mm〜0.4mmずつ動かしていくのが一般的です。
へぇ〜、それだけでもやっぱり痛いって感じちゃうんですね〜。

ギューッと締め付けられるような感じを痛みと感じる人もいるということですね。
2.歯茎に炎症が起きる

歯茎に炎症が起きる場合、歯周病が発生している可能性があります。歯周病では歯茎が赤く腫れている・歯茎が腫れて痛いという症状が起きます。

マウスピースの下で歯周病になっていることがあります。
え〜、それってマウスピースで歯周病を閉じ込めちゃってるのと同じですよね?

そんなイメージですね。だから、お口の中もマウスピースもいつもきれいにして予防する必要があります。
また、歯茎が白く腫れることがありますが、これには以下の2つが考えられます。
- 歯周病で膿がたまっている
- マウスピースが合わず圧が強すぎる
マウスピースが合わないってこともあるんですか?

マウスピースはデジタルで作成されるのであまりないと思いますが、変だと思ったら医師に相談したほうがいいですね。
3.マウスピースが歯茎に刺さる

歯茎が腫れていると、マウスピースの縁が歯茎に当たることがあります。
わぁ〜、痛そう…。

縁が当たって痛いという場合は、歯医者さんで調整してもらえるので安心してください。
4.歯茎が下がる

マウスピース矯正で歯茎が下がるのは、矯正する力が強すぎる場合です。矯正治療は歯に圧をかけて歯の周辺組織を変化させながら移動していきます。歯の凸凹が大きいと圧を強くかけることがありますが、歯肉退縮や歯根吸収が起こる場合があります。
大きく歯を動かすときは周辺組織も大きく動くっていうことですか?

そうですね。個人差もあるので、医師は毎回の治療でしっかりとチェックしてできるだけそういうことが起こらないようにしています。
5.歯と歯の隙間に食べカスが入り込む

マウスピース矯正では、歯が動くスペースを作るためにわずかに歯を削って隙間を作ることがあります。できた隙間が埋まるまでに食べカスが入り込み、取ろうとして爪楊枝やデンタルフロスなどでさらに奥に押し込んでしまったりすると、マウスピースを装着した時に痛みを感じます。
これも痛そうですね…。

自分で取ろうとすると歯茎を傷つけてしまう可能性があるので、歯医者さんに診てもらってください。
マウスピース矯正の歯茎トラブルを防ぐ方法
マウスピース矯正中に歯茎の痛みで苦労しないために、予防する方法があります。
口内を清潔に保つ

マウスピースを長期間つけていると、どうしても虫歯や歯周病になりやすくなります。歯科医院ではブラッシング指導が受けられますので、しっかりと毎日の歯磨きを丁寧に行って、口内の清潔を保つことが重要です。
おすすめは歯間ブラシを使うこと。普段フロスを使用している人も、矯正期間中は歯間ブラシのほうが使い勝手が良い場合があります。また、マウスピースやマウスピースケースの掃除もこまめに行いましょう。

歯科ではクリーニングもやっていますよ。
歯医者さんのクリーニングと自分でも丁寧な歯磨きをすれば安心ですね。
痛みは我慢せず医師に相談する

あまりにも痛みが大きい時は、我慢せずにできるだけ早めに担当医に相談しましょう。痛みを我慢しているとストレスになりますし、そうなると矯正治療もきつくなります。また、場合によってはマウスピースの変形などで矯正治療にも支障をきたす可能性もあります。
予約なしで行っても大丈夫ですか?

緊急の場合は行く前に電話を1本入れるとスムーズですよ。
マウスピースを調整してもらう

マウスピースを調整すると、痛みが改善することがあります。特にマウスピースの縁が当たっていることが原因と分かっている場合などは、その旨を医師に伝えましょう。
歯科医院がお休みですぐに調整してもらえない場合は、ヤスリなどを使って自分で調整できることもあります。爪切りの後ろについているヤスリや金属の爪磨きなどで少し削ってみてください。
※診断の結果によってはマウスピースを再度作成しなおすこともあります。
へぇ〜、マウスピースってヤスリで削れるんですね。

シリコンなので削れます。ただ、自分でやると削りすぎてしまうこともあるので、後で歯医者さんに削ったことを報告してくださいね。
歯ぎしりや食いしばりを改善する

歯ぎしりや食いしばりでマウスピースが破損してしまう人もいます。日中は意識して止めることができますが、就寝中に歯ぎしりや食いしばりのクセがある人はなかなか改善が難しく、違う治療法に切り替えることもあります。
ワイヤー矯正とかですか?

そうですね。見た目が気になる人は、裏側矯正などもあります。歯医者さんとよく相談してください。
マウスピース矯正での歯茎トラブルは事前に防げます
マウスピース矯正で歯茎が痛い原因はいくつかありますが、もっとも多いのは歯周病によって痛みが生じるケースです。歯周病は磨き残しによるプラークコントロール不足が原因。矯正中はいつもよりも丁寧に、しっかりと隅々までブラッシングをして常に清潔を保つことが、痛みを事前に回避する有効な方法です。
- マウスピース矯正中の歯茎への痛みは、歯周病による腫れや膿
- 歯茎が炎症して腫れるとマウスピースの縁が当たってしまうことがある
- まれに矯正の圧が強すぎて痛いこともある
- 治療で削った隙間に食べカスが入り込むこともある
- 歯茎の痛みを今すぐ取るには、まず歯科医院を受診する
- 毎日のブラッシングが矯正中の歯周病を予防する