せっかく矯正したのに歯茎が見えるようになった!その原因と解決法

歯の矯正をしたら、笑うと以前より歯茎が多く見えるようになって「こんなはずじゃなかった!」「もしかして、矯正失敗した?」と思っていませんか?歯並びのせいで口元が気になって矯正をしたのに、今度は歯茎が見えてやっぱり口元が気になるというのでは、「矯正終わった〜!」と心から喜べませんね。
ここでは、なぜ矯正後に歯茎が見えるようになったのか、解決する方法はあるのかという疑問にお答えしていきます。
- 矯正治療が進むにつれて歯茎が出てきたような気がする
- 矯正で歯並びは良くなったけど、今度は歯茎が気になる…
- 矯正治療でガミースマイルになることはあるの?
- ガミースマイルの治療方法はある?
矯正治療で歯茎が見えるようになってしまう原因

以前は歯茎が見えなかったのに、矯正後は1〜2mmくらい見えるようになってしまったような場合は、変化が気になるかもしれませんが、よくある口元なので心配しなくても良いでしょう。
一般的に歯茎がたくさん出てしまうことをガミースマイルといいます。笑った時に歯茎が3mm以上出てしまうような状態です。
矯正が進むにつれて、あるいは矯正後にガミースマイルになってしまった場合、3つの原因考えられます。
- 元々の骨格の影響
- 筋肉や粘膜が原因
- 抜歯しない矯正で顎が過度に拡大された
では、それぞれの原因について詳しく説明していきましょう。
1.元々の骨格の影響

ガミースマイルの多くの原因は元々の骨格や歯にあります。骨の場合は生まれつき上顎が前に出ているようなケースです。歯だけが出ているようないわゆる出っ歯は、矯正時に改善するはずです。しかし、矯正後にガミースマイルになってしまった場合は、矯正によって本来の骨格がストレートに現れたと考えられます。
矯正前は、歯ならびが凸凹していた部分が外側に膨らんでいて、本来の骨格が目立たなかった可能性があります。それが矯正によって歯が内側に向いたため、口元が本来の状態に戻ったと考えられるのです。
矯正前は凸凹の歯ならびでガミースマイルが隠されてたってことですか?

歯のせいで歯茎がこんもりしていると思っていたのに、矯正しても”こんもり”だけ治らない場合はそう考えるのが自然ですね。
2.上唇を上げる筋肉や粘膜が原因

元々、上唇を上げる筋肉が過剰に発達していることが原因になることもあります。また、生まれつき上唇が縦に短い人や、上唇と前歯の境目の粘膜が過剰にくっついている人もいます。
それが矯正をしたことで、より強調されちゃったということですか?

そうですね。ただ、それをかえってチャームポイントにしている人もいます。
捉え方次第とも言えるわけですね〜。

感じ方や口元の状態などは人それぞれなので、こればかりはケースバイケースですね。
へぇ〜、ガミースマイルってなんだか奥が深いですね〜。
3.抜歯しない矯正で顎が過度に拡大された

歯を並べるスペースを確保する際に、抜歯しないで顎を拡大する矯正を行ったため、過度に拡大してしまい歯槽骨が溶けて歯茎が下がってしまうことがあります。

凸凹している歯並びを矯正すると、歯が動くときに歯肉退縮が起こることもあります。
え!それってどういう…

矯正は、装置で圧をかけて歯の周辺組織が溶けて新たな場所に作られるというのを人為的に行うんです。
それを繰り返して歯が徐々に動いていくんですよね。

はい。でも、矯正力が強すぎると歯槽骨という歯を支える骨まで溶けてしまい、歯茎が下がってしまうんです。
へぇ〜!知りませんでした〜。
ガミースマイルを治療・改善する方法
気になるガミースマイルは、トレーニングや治療によって改善することができます。
1.笑顔トレーニングをする

軽度のガミースマイルの場合は、小鼻と上唇挙筋(じょうしんきょきん)を鍛えることで改善できます。このトレーニングは自宅で行えます。
②唇を突き出して上唇を鼻につけるように反らせます。そのまま5秒間キープしたあと、5秒かけてゆっくりと戻してください。

口の周りのたるみやシワを取る効果もありますよ。
へぇ〜、ガミースマイルとか関係なくやりたいです〜。
2.外科手術で歯茎を切除する

元々の歯茎が厚く、矯正によってそれが顕著になってしまった場合には、歯茎を切除して少なくする上唇粘膜切除術(LIP)という方法があります。また、歯茎と上唇の粘膜が過剰にくっついている場合は、切り離すことで改善することがあります。

口腔外科や審美歯科などで受けることができます。
へぇ〜、ふつうの歯医者さんではやってもらえないんですか?

外科手術なので設備などが必要になってくるんですよ。
なるほど〜。
3.外科手術で骨を切除する

本来の上顎の骨格が大きすぎる・長過ぎるような場合は、上顎の骨切り術という方法でガミースマイルを改善することができます。外科手術で余分な上顎の骨を切除し、長さを短くする方法です。
これって整形外科に行く感じですか?

これも、口腔外科病院や大学病院などに入っている大きな病院の矯正歯科などでできますよ。
4.一時的な改善ならボトックス注射

上唇の裏の筋肉にボトックス酸を注入することでガミースマイルを改善する方法です。ボトックス酸は元々人体にある成分なのでなじみが良いですが、自然吸収されてしまうので効果の持続性はありません。効果を持続させるには3ヶ月に1回程度注入し続ける必要があります。
へぇ〜。通い続けるのはけっこう大変ですね〜。

ただ、結婚式など人生の重要なイベントのときだけどうにかしたいという人にはおすすめかもしれません。
なるほど!結婚式の写真には少しでもいい顔を残したいですもんね〜。
笑顔トレーニングで改善しなければ口腔外科に相談を
歯茎が大きく見えてしまうと、人相まで変わってしまったような気がしてしまいますね。しかし、矯正が失敗したのではなく、本来の骨格が現れるといったようなケースが多いようです。矯正によって、今まで使っていなかった上唇の筋肉を使うことになる場合もあるので、軽度なものなら笑顔トレーニングで改善できます。ただし、改善しないようであれば外科手術もできる矯正歯科医院や口腔外科などに相談するのをおすすめします。
- 矯正後に歯茎が見えるのは本来の骨格や上唇の機能が顕著になるため
- 上顎を拡大しすぎて歯茎が下がることもある
- 軽度のガミースマイルならセルフトレーニングで改善できる
- 上唇を一部切除する上唇粘膜切除術という方法がある
- 骨が原因の場合は余分な骨を切り取る骨切り法という方法がある