【筋機能矯正】痛みがない子どもの矯正治療があるって本当?

「歯並びは子どものうちにするのがいいって聞くけど、矯正装置はツラそうだな…」「矯正って歯を抜くんでしょ?」と悩んでいる保護者の方におすすめしたいのが「筋機能矯正」です。筋機能矯正は、ワイヤーを使わず歯も抜かない、痛みの少ない歯列矯正の装置です。ここでは筋機能矯正について、詳しくご紹介します。
- 子どもの歯並びが気になる
- 無理なく歯並びを治してあげたい
- 小さい頃からワイヤーをつけるのは可哀想…
- 歯並びは治したいけどつらい矯正をさせたくない
- 子どものうちに一生きれいな歯並びにしてあげたい
筋機能矯正とは?

筋機能矯正とは、成長期のお口周りの筋肉を鍛えて口内のバランスを整えることでかみ合わせを矯正する治療法です。お口周りの筋肉をトレーニングすることによって本来の機能を取り戻し、結果としてかみ合わせの悪さが矯正されます。
- 頬の筋肉を活性化させる
- 舌の筋肉を活性化させる
- 唇の筋肉を活性化させる
- 上下の顎の成長を促す
お口周りの筋肉を鍛えると、どうして歯並びがよくなるんですか?

歯のかみ合わせは、口周りの色々な筋肉のバランスによって成り立っているからです。
へぇ〜。筋肉の正しい発達を促せばかみ合わせが改善されて歯並びも自然に良くなるってことですね。

そのとおり。
子どもの3人に2人が歯並びが悪い

小児歯科学専門誌で発表された調査によると、園児のうち64.5%の子どもが歯並びが悪いことが分かっています。つまり、3人に2人はガタガタだったり受け口や出っ歯だったりなど歯並びの悪さがあるということです。
歯列矯正は、顎の成長の発達に合わせて歯並びを整えていくというのが従来の考え方でした。しかし、筋機能矯正は「筋肉を活性化させて成長を促すことで、かみ合わせを本来の状態に整える」という考え方の治療法なのです。
周りの筋肉から攻めるってことですね?

(笑)そういうことです。歯を主眼に置くのではなく、筋肉の機能を主眼としています。
筋機能矯正の特徴とメリット

では、具体的にどんな特徴やメリットがあるのか説明していきましょう。
- 形はマウスピース型
- 痛みが少ない
- 自分で取り外しする
- 就寝時だけつける
- お手入れが簡単
- 金属アレルギーの心配がない
- 自然に改善されるので後戻りしない
- Ⅱ期治療をしなくて済むことがある
一般的な矯正装置の場合は、バネやワイヤーの力で歯を強制的に動かすのに対して、筋機能矯正は筋肉を活性化させて自然な回復を促すので、後戻りもしません。

それに、就寝時だけつければいいので昼間の活動には支障がありません。
それはすごくいいですね〜。人の目も気にしなくていいし。

子どもは意外とデリケートなので、お友達に知られずに済むというのもひとつメリットですね。
どんな子どもに向いているの?

筋機能矯正に向いているのは、以下のようなお子さんです。
- 受け口
- 歯並びがデコボコしている
- 口呼吸のクセがある
- 指しゃぶりのクセがある
- 舌の位置が正しくない・舌で歯を押すくせがある
ただし、下顎が小さいことが原因で出っ歯になっているような場合などは、床矯正で顎の拡大をする必要があります。そのように、必ずしもすべてのお子さんに筋機能矯正が適用するわけではないので注意しましょう。
向いてない歯並びの悪さもあるんですね。

そうですね。希望してもできないこともあるので、歯医者さんでよく説明を受けてください。
筋機能矯正で得られる3つの効果
では、筋機能矯正で得られる効果をご紹介します。
- 顎の成長を促す
- 正しい歯並び・かみ合わせを促す
- 指しゃぶりや口呼吸、舌癖を改善する
1.顎の成長を促す

筋機能矯正装置をつけていると、頬や唇の筋肉の発達を促すので、顎の成長も自然と促され、噛む力も強くなります。
顎の発達って硬いものを食べることくらいしか思い浮かびませんでした。

そうですよね。ただ、正しくないかみ合わせでそれをすると、片方だけで噛むくせがついてしまうことがあるんです。
もしかして、片方だけで噛むと顎も変形していっちゃいますか?

そのとおり。だから正しく発達させる必要があるんです。
2.正しい歯並び・かみ合わせを促す

筋肉や顎が本来の状態に回復して機能してくると、かみ合わせが良くなってきて歯ならびも改善されます。

筋肉は骨や歯、すべてにつながっているので、筋肉を改善していけば自然とお口全体の機能も回復してきます。
それはうれしいですね〜。
3.指しゃぶりや口呼吸、舌癖を改善する

指しゃぶりのクセがあると、指で歯を少しずつ押すことになり、結果として出っ歯になりやすい傾向があります。就寝前に指しゃぶりをするお子さんなどは、筋機能矯正の装置をつけることによって指しゃぶりができなくなるので、日中の指しゃぶりも自然に改善されることが多いです。
また、舌が正しい位置にないと、口呼吸になるというリスクがあります。舌は本来上顎にくっついていますが、舌が下がって下顎の方にあると舌の重みで口を開けたままの状態になったり、舌で下の歯を押して受け口になったりということが起こります。
口呼吸はかみ合わせを悪くし、雑菌なども入りやすいので虫歯のリスクも高めます。舌の筋肉を活性化させて正しい位置に戻せば、自然と鼻呼吸になって様々なリスクを防げるのです。

筋機能矯正は、歯並びだけでなくお口全体の色々なリスクを改善できると考えれば間違いありません。
そうなんですね、よく分かりました。
何歳からできるの?

筋機能矯正は、3歳くらいから始めることができます。前歯が生え変わる5〜6歳までには始めるのがおすすめです。
そんな小さいうちからできるんですね。

自分で取り外せるので痛ければ外せるし就寝時のみなので、比較的小さいお子さんでも大丈夫です。
治療期間はどれくらい?

治療期間は個人差がありますが、長くても1年くらいが目安と考えて良いでしょう。ただ、装置をきちんと入れていないと効果が出ないので時間がかかる場合があります。
子どもに外さないように意識させるということも大事ですね。

そうなんです。よく言い聞かせることも大切です。
筋機能矯正の治療の流れ

筋機能矯正の治療の主な流れは以下になります。
- 検査・診断(お口の撮影や型取り)
- クリーニング
- 使用方法の説明
- 装着して治療開始
- 1ヶ月ごとの通院
また、費用はお子さんの状態にもよりますが、一般的な矯正治療よりも安く抑えられます。
例)
装置代:200,000円
1ヶ月ごとの通院:5,000円

検査費が別途かかるので注意しましょう。
あっ、そうですよね〜。
痛みのない矯正で一生モノのきれいな歯並びにしてあげよう
矯正というと歯にワイヤーを通す装置を思い浮かべますが、子どものうちは筋機能矯正という選択肢があります。筋機能矯正は大きくなる前に始めるのが効果的です。装置をつけているときの違和感や痛みを感じさせずに正しいかみ合わせときれいな歯並びにしてあげたいですね。
- 筋機能矯正とはお口周りの筋肉のトレーニングで歯列矯正をする治療法
- 歯を強制的に動かすのではなく筋肉から改善するという考え方
- ゴムをかける位置は、下は3番、上は奥歯のあたり
- 頬や唇、舌の筋肉を活性化しかみ合わせを改善する
- 顎の成長を促す
- 口呼吸や舌で歯を押すクセを改善する
- 装着は就寝時のみ、長くても1年程度
- 一般的な歯列矯正より費用を抑えられる