歯の矯正中に引っ越す場合の転院や費用はどうすればいいの?

歯の矯正中に引っ越す場合の転院や費用はどうすればいいの?

この記事の監修医師一覧

柿木辰美先生
柿木 辰美 先生
専門:一般歯科
2013年 明海大学歯学部卒業。卒後は東京都内の歯科医院に常勤歯科医師として勤務。 現在は複数の歯科医院で非常勤歯科医師として、インプラントや歯内療法を軸に一般歯科診療を日々行なっている。
鈴木志帆美先生
鈴木 志帆美 先生
専門:小児歯科・歯内療法
2015年 神奈川歯科大学卒業

矯正治療中に転勤や結婚などで遠方に引っ越すことになると、かかりつけの歯医者さんに通えなくなりますね。そんな時、他の歯科医院でも引き継いでやってくれるのか、支払った治療費は返金されるのかなど、いろいろ分からないことが出てきます。そこで、矯正治療中に転院するときの押さえるべきポイントについて、歯医者さんに聞いてみました。

この記事がおすすめな人
    • 矯正中に引っ越すことになったけど、別の歯科医院で引き継ぎできるのだろうか?と思っている。
    • 矯正中に転院する場合、費用はどうなるのか不安だ。
    • 矯正中に転院する場合、どんなことに注意すればいいのか知りたい。
INDEX
  1. 矯正治療中に転院する際のポイント
    1. 転居が分かった時点で医師に相談する
    2. 同じ治療方法の医師を紹介してもらう
    3. 治療費を精算してもらう
  2. 転院での精算や返金について
  3. 転院で考えられるリスク
    1. 返金に対応できない場合がある
    2. 追加費用や新たな費用がかかる場合がある
  4. 転院でのトラブルを避ける方法
    1. 予め転院サポートがあるグループ歯科にする
    2. 日本臨床矯正歯科医会の加盟医院に転院する
  5. 矯正で転院するときのまとめ

矯正治療中に転院する際のポイント

ネコさん

転院するときのポイントって何かしら?

矯正中に転院する際にまずやらなければならないのは、転居の報告治療を引き継いでくれる歯医者さん探しです。また、治療費の精算もしなければなりません。

転居が分かった時点で医師に相談する

矯正治療は治療計画に基づいて歯を動かしているため、転居が分かったらできるだけ早くかかりつけ医に相談しましょう。

ネコさん

それって次回の通院の時とかじゃなく…

柿木先生

はい。何週間後とかよりも、分かった時点で電話などをしてもらうのがベストです。

同じ治療方法の医師を紹介してもらう

矯正治療はとても複雑で、担当した医師医院によって治療方針が異なります。矯正といっても色々な方法があるので、医師ごとに得意な治療法も違えば扱っている設備なども違うということがあるのです。

そのため、転居先が決まったら、かかりつけ医に同じ治療方法の医師紹介してもらうのがおすすめです。紹介には必要書類などの準備があるので、そのためにもできるだけ早く相談しましょう。

ネコさん

大学が同じ系列とかならいいのかな〜

柿木先生

同じ系列でも違う治療法の歯科医もいますよ。

ネコさん

やっぱり紹介してもらうのが一番安心なんですね。

治療費を精算してもらう

転院する際には、治療費の精算も必要です。基本的には治療していない分は返金してもらえるので、それぞれの支払い方法に応じて返金してもらいましょう。

転院での精算や返金について

はじめに一括で支払っている場合には、歯科医院側で治療していない分を計算し、返金に応じます。治療前には同意書や契約書を取り交わしていると思うので、書類に沿った内容での返金になります。

分割でローンなどを組んでいる場合には、医師は直接関与していないため、ローン会社とのやり取りとなります。必要書類など、やや煩雑な手続きが必要かもしれませんが、これは自分で行うしかありません。
日本臨床矯正歯科医会では、返金目安を具体的に示しています。例えば大人のマルチブラケットによる矯正治療は、以下のようになっています(全額入金の場合)。

治療内容:返金額の目安
    • 全歯の整列:60〜70%程度
    • 犬歯の移動:40〜60%
    • 前歯のすきっ歯:30〜40%
    • 仕上げ:20〜30%
    • 保定:0〜5%
柿木先生

引っ越しには色々な手続きもあるので、忘れないように注意したいですね。

ネコさん

お金のことって面倒くさいなあ

転院で考えられるリスク

転院で考えられるリスクは、返金に対応できない場合や、追加費用や新たな費用がかかる場合、近くに同じ治療方針の医師が見つからない場合などです。

返金に対応できない場合がある

ネコさん

返金されないってどういうことですか!?

柿木先生

まあまあ落ち着いて。それは、こんな場合です。

矯正治療には矯正器具が必要ですが、矯正器具はすべて個人の口腔内の状態に合わせたオーダーメイドです。最初に矯正器具を作ってしまう場合がほとんどなので、たとえ矯正途中であっても器具代は戻ってきません

数週間ごとに作り変えるマウスピースも、最初にまとめて3ヶ月分作成する歯科医院もあります。その場合も、他の人には使用できないため大半の場合は買取りとなります。詳しくはかかりつけ医に相談してみましょう。

追加費用や新たな費用がかかる場合がある

追加費用新たな費用がかかるのは、転居した後でのことです。もしも転居先が、以前のかかりつけ医と異なる治療方針の場合、検査からやり直すことになる可能性が高いです。

また、同じ治療方針でも、引っ越しなどで期間が空いてしまった場合は、矯正した歯が後戻りする可能性があります。その場合は、戻ったところからやり直さなければなりません。そのため追加の期間や費用がかかる可能性があります。

子どもの場合はもっと複雑です。子どもの矯正治療は成長が絡むため、予測通りにいくとは限りません。そういったことから、転院先で治療方針を引き継ぐのが難しく、新たに治療計画を立て直すことがほとんどです。

ネコさん

検査からやり直しなんてイヤだなあ

柿木先生

そうならないためにも、引き継ぎは重要なんですよね。

転院を避けたほうがいいのは、上記の理由だけではありません。同じ治療方針でも取り扱っているメーカー同じとは限らないからです。紹介による引き継ぎがなされた場合には、同じメーカーを扱っていることがほとんどで、口腔内の状態などの情報も一緒に引き継ぐため比較的スムーズです。しかし、自分で探す場合にはそうはいきません。

転院でのトラブルを避ける方法

転院には煩雑な諸手続きなどが必要です。引っ越しが近づくとバタバタしがちなため、できるだけ早い段階で行動したほうが得策です。

ネコさん

スムーズに転院するにはどうしたらいいんですか?

柿木先生

もし矯正を始める前に、以下のような対策をしておくといいですよ。

予め転院サポートがあるグループ歯科にする

歯科医院の中には、予め転院サポートがあるグループ歯科というものがあります。矯正器具のメーカーは国内外でいくつもあり、歯科医院の考え方によって扱っているメーカーは様々です。しかし、グループ歯科なら同じメーカーの矯正装置設備を使っている場合が多く、転院しても安心して治療を続行することができます。

日本臨床矯正歯科医会の加盟医院に転院する

日本臨床矯正歯科医会に加盟している医院には、転院の際には元の医師から引き継ぐ医師に必要書類を送付することが義務付けられています返金についても詳細な制度が定められているため、はじめから加盟医院にかかっていれば、転院することになっても比較的スムーズです。再検査などの追加費用などの心配もないので、経済的・時間的負担を最小限に抑えることが可能です。

矯正で転院するときのまとめ

やむを得ない事情で転院することになった場合は、医師への報告を迅速にし、引き継ぎの医師への紹介状を書いてもらう、精算をしてもらうなどが必要です。

ネコさん

もし引っ越すことになっても、これだけ分かっていれば安心ですね。

柿木先生

そうですね。素早く行動できますね。

記事の重要ポイントをチェック!
    • 転居が分かった時点で医師に相談する
    • 同じ治療方法の医師を紹介してもらう
    • 治療費を精算してもらう
    • 先に作った矯正装置は返金に対応できない
    • 追加費用や新たな費用がかかる場合がある
    • 転院サポートがあるグループ歯科にする
    • 日本臨床矯正歯科医会の加盟医院に転院する