矯正の結紮(けっさつ)とは?結紮の3つのタイプとメリット・デメリットを解説

矯正の結紮(けっさつ)とは?結紮の3つのタイプとメリット・デメリットを解説

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鈴木志帆美先生
鈴木 志帆美 先生
専門:小児歯科・歯内療法
2015年 神奈川歯科大学卒業

歯列矯正では何だか小難しい用語がたびたび登場します。結紮(けっさつ)もその一つですが、実は矯正において重要な役割を果たすものなのです。結紮について少しでも知識を身につけておけば、治療方法を選ぶ参考になったり、歯科医師との相談がスムーズになったりと何かと役に立つこともあるでしょう。

ここでは、矯正の結紮による治療方法や矯正器具に違いについてご紹介いたします。

結紮とは矯正ブラケットにワイヤーを固定すること

矯正ブラケット・ワイヤー

矯正における結紮(けっさつ)とはブラケットにワイヤーを固定することです。一般的なワイヤー矯正では、歯1本1本に接着したブラケットという装置にアーチワイヤーを通していきます。結紮はワイヤーが外れないように固定するだけでなく、歯を動かすための圧力をコントロールするためにも重要な役割を果たしているのです。

矯正の結紮方法は3タイプ

矯正器具

矯正の結紮方法には大きく3つの種類があります。それぞれメリット・デメリットがあるので、どれが一番優れているとは一概にはいえません。歯科医師の判断もありますが、ある程度は患者さんの希望によっても選択できるでしょう。

    • 結紮線(針金のようなもの)を巻きつける
    • モジュール(輪ゴムのようなもの)を引っ掛ける
    • セルフライゲーションブラケット(結紮が不要)

結紮線(針金のようなもの)を巻きつける

結紮線(リガチャーワイヤー)は最もポピュラーな結紮方法です。プライヤーという器具を使って、金属製の細い針金をブラケットにねじるように巻きつけていきます。締め具合を自由に調整できるので、歯にかかる圧力をコントロールしやすいのが特徴です。

結紮線のメリット
    • 治療の進行や痛みの具合に応じて歯にかける圧力を細かく調整できる
    • シンプルな構造なので薄く小さいブラケットを使える
結紮線のデメリット
    • 装置をつけるときや調整時に時間がかかる傾向がある
    • 硬いものを噛んだりすると結紮線が外れてしまうことがある

モジュール(輪ゴムのようなもの)を引っ掛ける

モジュールという小さな輪ゴムのようなパーツを用いて固定する方法もあります。特徴は豊富なバリエーションから選べること。赤・青・黄色などカラフルなものから、ミッキーや猫、クマの形のものまであるのです。どうしても見た目の気になる矯正装置を逆にオシャレなアクセサリーに変えてくれるのが魅力でしょう。

モジュールのメリット
    • 色や形のバリーションが豊富で矯正器具をオシャレに楽しめる
    • 結紮線に比べて装着や調整時にかかる時間が比較的短い
モジュールのデメリット
    • ワイヤーにかかる摩擦力が大きいため、治療の状況によっては使えないこともある
    • 着色しやすい・劣化しやすいため定期的に交換が必要

セルフライゲーションブラケット(結紮が不要)

セルフライゲーションブラケットは、開閉式のシャッターによってワイヤーを完全に固定せずに矯正する装置です。ワイヤーとブラケットにかかる摩擦を極力少なくすることで、従来の1/10の力でより効率的に歯を動かせるといわれています。

セルフライゲーションブラケットのメリット
    • 痛みが出にくい
    • 毎回の診療で結紮にかかる時間が短縮される
セルフライゲーションブラケットのデメリット
    • ブラケットが少し大きく厚みが出る
    • 費用が高額になる

矯正ブラケットの種類

ワイヤー矯正で使うブラケットにもいくつか種類があります。

    • メタルブラケット
    • プラスチックブラケット
    • セラミックブラケット
    • リンガルブラケット

メタルブラケット

メタルブラケット

最もメジャーな金属製のブラケットです。丈夫で壊れにくく、さまざまな症例に対応しやすいというメリットがあります。また他の素材に比べて費用が安価に済むのもポイントです。一方で銀色で装置が目立ってしまうのがデメリットでしょう。

プラスチックブラケット

プラスチックブラケット

透明なプラスチック製のブラケットです。メタルブラケットよりも目立ちにくいのがメリットですが、使っているうちに摩耗してしまうのが難点。またカレーやワインなど色の濃い食べものによって着色しやすいというデメリットもあります。削れたり変色したりした場合は交換が必要です。

セラミックブラケット

歯の模型

白いセラミック製のブラケットです。歯に馴染む色で見た目がよく、プラスチックのように削れる心配もありません。デメリットは費用が高いことと、硬いものを噛むと欠けたり割れたりするリスクがあること。歯の色によっては逆に白すぎて目立ってしまうこともあるので注意しましょう。

ポイント
ワイヤーは基本的に銀色の金属ですが、白くコーティングされた「ホワイトワイヤー」にしてより目立ちにくくするこも可能です。

リンガルブラケット

笑顔の女性

歯の裏側にブラケットをつける矯正方法です。表側にワイヤーをつける方法と構造は同じで、セルフライゲーションタイプの装置もあります。装置が目立たないというメリットがありますが、費用が高額になるのがネック。また慣れないうちは舌が装置にあたって違和感があったり、話しにくかったりすることがあります。

マウスピース矯正は結紮不要で自分で取り外し可能

マウスピース矯正

マウスピース矯正は装置を固定する必要がなく、自分で取り外しができます。透明で目立ちにくいので、最近人気の高い治療法です。結紮が外れたり、装置が壊れたりといったトラブルが起きにくいのもメリットといえるでしょう。

【保存版】マウスピース矯正のメリットとデメリット!種類・期間・費用も紹介

矯正装置の結紮が外れてしまったときの対処法

歯が痛む女性

結紮線(リガチャーワイヤー)が緩んで飛び出てしまった場合は、とりあえず楊枝などでワイヤーの下に押し込みましょう。そのままだと口の中を傷つけてしまう恐れがあります。口の中に当たる部分を矯正用ワックスでカバーするのもおすすめです。

あくまで応急処置なので何かトラブルがあった場合は歯科医院に連絡してください。

矯正中は硬いものやくっつきやすい食べ物は避けよう

矯正装置はデリケートです。トラブルを防ぐために、ナッツやせんべいなどの硬いものや、キャラメルやガムなどのくっつきやすい食品はなるべく避けましょう。特に矯正を始めた直後は装置が故障しやすいので注意してください。

矯正の結紮方法やブラケットの種類による治療の差はほとんどない

OKサインをつくる歯科医師

このように矯正器具にはいくつか種類がありますが、一概に優劣があるというわけではありません。それぞれにメリット・デメリットがあり、症例や患者さんの希望によって適切な方法は異なります。こちらの悩みや要望をきちんと聞いてくれて、それに応じてさまざまな選択肢を提示してくれる歯科医院に相談するのが大切といえるでしょう。