NG矯正!矯正で失敗した6つの例と原因、失敗しないための対処法矯正 失敗

NG矯正!矯正で失敗した6つの例と原因、失敗しないための対処法矯正 失敗

この記事の監修医師一覧

杉田大先生
杉田 大 先生
所属:杉田歯科医院(千葉県船橋市)
専門:保存修復
2013年 東京歯科大学卒業。現在は杉田歯科医院での臨床のほか、株式会社DoctorbookでDental事業部のマネージャーを務める。

矯正で失敗することを「NG矯正」といいます。せっかく多大な時間と費用をかけて矯正したのに、NG矯正によって再治療をしなければならないのは、なんとしても避けたい事態ですよね。

そこで、この記事では矯正で失敗した8つの例とその原因、また失敗しないための対処法などをご紹介します。矯正中の人や、これから矯正しようと考えている人は、ぜひ読んでみてください。

矯正で失敗した例

矯正治療での失敗は様々ですが、中でもよくある失敗例は以下の8つです。

1.矯正が終わった後後戻りしてしまった

口を隠す女性

後戻りとは、治療が終わってしばらくしたら歯並びが元の状態に戻ってしまったというものです。後戻りの理由として一番多いのは、保定期間中にちゃんと保定装置を使っていなかったというものです。 

矯正治療をする前に精密な検査を行い、後戻りすることも考慮に入れて治療計画を立てます。歯は本来、元の状態に戻ろうとする習性があるからです。

しかし、保定期間にしっかりと装置をしようしないと、せっかく矯正で動いた歯がまた戻ってしまいます。保定期間も治療期間と考えて、指示通りに装着することが重要です。

2.歯はきれいに並んだのに口が閉じない

開咬

矯正したのに口が閉じない場合は、オープンバイト(開咬)上下顎前突(上下の歯が出っ張っている)状態です。

オープンバイトの場合は、保定期間中のゴムかけをしっかりと行わなかったケースが多いです。ゴムかけは、歯並びを微細に調整して仕上げる大切なものです。また、上下顎前突は最初の診断ミスという場合があります。抜歯を行うか外科的(顎を切る)矯正を行わなければ、患者さんの審美的欲求を解消することができなかったケースです。

3.治療期間が長い・改善が見られない

たくさんの時間

矯正治療には通常2〜3年かかります。また、治療が終わっても保定期間といって動かした歯を固定する期間があり、治療と同じだけの時間が必要です。

しかし、通常以上の時間がかかっているのに、改善が見られない場合は問題です。また、半年で終わると言われたのに、実際には1年以上かかっているような場合も同様です。

4.顎や頭に痛みを感じるようになった

歯の矯正をしたものの、顎関節が不調和の場合、矯正後に顎や頭に痛みを感じることがあります。矯正治療をしたことで噛み合わせが不安定になり、顎や関節に負担がかかって痛みが生じるのです。

痛みを放置しておくと顎関節症になる恐れがあるため、早急に対処する必要があります。

5.歯周病が悪化する

歯周病

矯正治療中は、装置を装着することによって歯ブラシが届きにくくなり、歯垢が溜まって虫歯になったり歯周病が悪化することがあります。ただし、通常は歯周病があると気づいた時点で矯正を中断し、歯周病の治療を優先します。歯周病を放置したまま矯正治療を続けると、歯周病が悪化して歯の根の組織が溶けてしまったり、歯肉が腫れて出血するなどし、矯正治療にも支障をきたしたりするからです。

6.歯に別の問題が生じる

矯正治療は、歯に力をかけて歯の根の部分が収縮・再生するしくみを利用するものです。しかし、歯を動かして治療するため、どうしても歯根吸収といったリスクを伴います。歯根吸収とは、歯の根に持続的に力が加わることで、歯の根っこが吸収されて短くなってしまうことです。

また矯正治療中に、ワイヤーの力によるものでない歯茎の奥の痛みを感じることがあります。これは歯の根っこがフェネストレーションという状態になっている可能性があるからです。

歯の根っこは歯茎の下の骨組織に収まっているのですが、骨に収まらずに飛び出ている状態がフェネストレーションです。フェネストレーションはレントゲンなどでも見つけにくいため、歯茎を押した時に痛みが長期に渡り改善しない場合はその疑いがあります。

痛みが強い場合通常の歯科治療では治すことが難しく、切開手術が必要な場合があり、その場合口腔外科での治療になります。


歯の根っこは歯茎の下の骨組織に収まっているのですが、骨に収まらずに飛び出ている状態がフェネストレーションです。
フェネストレーションはレントゲンなどでも見つけにくいため、歯茎を押した時に痛みが長期に渡り改善しない場合はその疑いがあります。
痛みが強い場合通常の歯科治療では治すことが難しく、切開手術が必要な場合があり、その場合口腔外科での治療になります。

7.治療に疑問があり不信感がある

思ったとおりの改善が見られない、治療方針が最初の説明と違う気がするなど、治療に疑問や不信感がある場合は、安心して治療を継続することが困難です。

矯正治療は医師と患者が同じゴールに向かって治療するもので、双方の信頼関係がとても大切です。特に、治療期間と同等の時間を要する保定期間は、自己管理が重要になってくるため、不信感があると続けられなくなる可能性があります。

8.歯が動かないケースもある

驚き

稀に、矯正しても歯が動かないケースがあります。事故などの外傷や何らかの影響で、骨と歯が一体化してしまっている場合です。矯正治療は先述したように、歯を動かして歯並びを整えていく治療なので、骨に直にくっついてしまっている歯は動かすことができません。

矯正治療が失敗する原因

ダメ

上記8つの失敗例の原因の多くは、医師による治療の見通しの誤りコミュニケーション不足などです。

矯正治療をする医師は、通常どんな装置を使えばどのように歯が動き、どのくらいの期間で終了するという見通しを立てます。しかし、難しい歯並びなどで見通しを誤ると、計画通りに歯が動かずに、治療計画の変更をすることになります。

治療計画を変更する際には、患者に対して説明をしますが、これを怠ると患者側は「当初の説明と違う」となり、不信感へとつながってしまうのです。

また、歯を移動する際には先述したように抜歯するケースが多いですが、健康な歯を抜くことに対して多くの人は抵抗があります。そのため、丁寧な説明が必須ですが、説明不足だと患者側は納得できないため、安心して治療を任せることができません。

矯正治療が失敗する原因は、治療中や治療後のケアも関係しています。治療中は虫歯になりやすいですが、虫歯になると治療が中断されてしまうため、セルフケアは大変重要です。また、治療後も指示通りにしっかりと保定装置を装着することが、矯正治療後の後戻りを防ぎます。

矯正治療に失敗した時の対処法

口元を気にする女性

では、矯正治療に失敗したときは、どのように対処したら良いのでしょうか。その対処法を3つご紹介します。

別の歯医者さんで再治療する

別の歯医者さんで再治療する際は、歯医者さんの選び方も重要です。歯医者さんには矯正治療専門の矯正歯科があり、矯正の訓練を受けた専門医が治療にあたります。一方で、歯科医師の免許があれば普通の歯医者さんでも矯正治療を行うことが可能です。ですが、矯正治療は複雑で高度な技術を要するため、再治療を行うなら矯正の専門医にかかるのがおすすめです。

セカンドオピニオンを探す

もし、通院中の歯医者さんに疑問や不安を抱いた場合は、セカンドオピニオンを利用するのもおすすめです。矯正治療には医師によって様々な治療方針や得意分野があるため、ひとつの症状に対して様々なアプローチの仕方があります。そのため、色々な医師に多角的に意見を聞くことは有効です。

セカンドオピニオンは担当医が紹介してくれることもありますが、中には快く思わない歯医者さんもいます。その場合は、自分で今より専門性の高い矯正専門医を探すのが良いでしょう。インターネットなどで事前に、セカンドオピニオンの体制が整っている歯医者さんを探すのがおすすめです。

また、セカンドオピニオンに対応している担当医に相談する場合も、申し訳無さからなかなか言い出せない人もいるかもしれません。しかし、率直に理由を話せば、医師の方からセカンドオピニオンを勧めてくれる場合もあります。

信頼できる歯医者さんを選ぶ

歯医者さんを選ぶ時、優先順位になるのは通いやすい場所や費用が安いこと、抜歯しないことなどになると思います。

ただ、通いやすい歯医者さんは矯正専門の資格を持っていない可能性もあり、「安い費用でできます」「抜歯しない矯正です」などと謳う歯医者さんは後から再治療しなければならない可能性もあります。

矯正歯科には多くの費用と時間がかかるため、信頼の置ける歯医者さんを選ぶことが重要です。では、信頼が置ける歯医者さんはどんな人なのかというと、以下のポイントが目安になります。

    • 事前にしっかりと説明してくれる
    • 疑問点などにも丁寧に納得いくまで説明してくれる
    • 矯正治療に対する専門的な知識と経験が豊富にある
    • セカンドオピニオンに対応している

NG治療のまとめ

矯正後に失敗する代表的な例は、後戻りしてしまった、改善が見られない、痛みや別の症状が発症した、思い通りに矯正できなかったなどです。

これに対する対処法としては、以下の3つのポイントが挙げられます。

    • 別の歯医者さんで再治療する
    • セカンドオピニオンを探す
    • 信頼できる歯医者さんを選ぶ

矯正治療で失敗しないためにも、歯医者さん選びは慎重にし、信頼できる歯医者さんでしっかりと治療を受けることがおすすめです。